東京日本橋にある鍼灸治療室クリスタ、院長のかとうようこです。
今日は、子ども時代の虐待が身体に与える影響についてお話しします。特に、虐待から逃れた後も続く恐怖感がどのように作用するのかに焦点を当てます。
◆虐待の種類と影響
ご存じの通り、虐待にはさまざまな形があります。例えば、通報が必要な重いものから、親の感情のはけ口になっている場合やネグレクトなど、軽いものまで様々です。
肉体的には被害を受けていない場合でも、まったく問題がないわけではありません。実は、心の傷が身体に影響を及ぼすことがあるのです。
◆システム障害とは
このような影響が現れるのが「システム障害」です。これは主に自律神経系のトラブルとして表れます。自律神経系は、私たちの身体のさまざまな機能を調整している重要な部分です。
◆東洋医学の視点
東洋医学では、自律神経と「肝」が深い関わりを持つと考えられています。この視点から、虐待がどのように身体に影響を及ぼすのかを考えていきましょう。
「肝鬱」(かんうつ)という言葉を聞くと、なんだか特別な病気のように思えるかもしれません。しかし、実際にはシンプルに言うと「ストレスを解消できず、自律神経が乱れている状態」なんです。(かなりざっくりですが!)
この肝鬱になると、意外なところに影響が出てきます。
それは「筋」、つまり私たちの筋肉です。
どうなるかというと…そう、「筋」がかたまってしまうのです。
身近な例で言えば、「緊張して肩がこる」なんて経験、あなたにもあるでしょう?あれが全身で起こりやすくなるのです。
つまり、ストレスが体に溜まることで、筋肉たちが固くなってしまう。これが肝鬱の影響の一つです。
特に、虐待を受けてきた子どもたちの体は、常に緊張してこわばっており、精神的に抑えられ続けています。その結果、身体の発育そのものにゆがみが生じることもあります。例えば、耳たぶが左右大きさ違うなどよい例です。
こうした子どもたちは、次にお話しする症状を抱え続けることが多いのです。
代表的な症状を以下に記します。
● 排尿困難・排便困難
特におこりやすい症状は、この2つです。
- 便意や尿意があるのに、自分の意志ですぐに出ない。
- 肛門(尿道)が開くが、ごくわずかしか開かず、少しずつしか出せない。
● 膣筋の問題
- 性交痛
- 月経血が出ない、または極端に少ない(出るべき血が外に捨てられない)。
● 管や腺の影響
喉や外分泌系の管や腺がかたまり、流れなくなることもあります。具体的な例としては、唾液、涙、胆嚢そのもの、耳管などが挙げられます。
声がでなくなる
喉になにか詰まった感じがする
そんな症状もめずらしくはありません。
虐待を受けた経験は、人それぞれ異なります。
幼少期に受けた傷は、大人になっても自然に癒えるものではありません。私自身も、その影響が細胞にしみ込んでいると感じることがあります。
では、対処法はないのでしょうか?実は、そうではありません。虐待後の身体の状態を「肝鬱」という視点から捉えると、いくつかの効果的なアプローチがあります。
漢方薬や鍼灸は、肝鬱の状態に対して非常に良い働きをすると思います。
最近では、メンタル面からのアプローチだけでなく、身体からのアプローチも広く知られるようになってきました。
この身体からのアプローチは「ソマティック」として注目されています。身体の感覚や動きに焦点を当てることで、心の問題にもアプローチできるとされています。
〝身体(肉体)は心に影響を与え、心は身体に影響を与える〟
〝身体と心が一致してこそ、人は全人的(ホリスティック)に回復する〟
これらを探求し、体験により学びを深めるものが「ソマティック」。
東洋医学の基本概念である「心身一如」は、心と身体が一体であるという考え方です。
心と身体は密接に関連しており、どちらか一方に問題があると、もう一方にも影響を及ぼします。
この考え方を理解することで、身体から心を癒やす方法を見つけることができます。
具体的には、漢方薬を飲んだり、鍼灸をうけたり運動したりなど、身体の状態を整えることで、心の健康も改善されるのです。
あなたに合った効果的な癒やしの方法を見つけて、心と身体のバランスを整えていきましょう。
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