YouTube動画収益の仕組みを中学受験問題で考える! | 恋する中高一貫校 適性検査 徹底攻略!

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最近の中学受験では、時事問題を題材にした出題が増えています。

 

2024年の入試問題を分析する中で、特に感心し、注目したのが、田園調布学園中等部で出題された「動画配信(YouTube)サービスの収益化」に関する問題です。


まずは、実際に出題された問題を紹介します。

 


 K君は、動画配信サービス「デンデン動画」を使って動画を配信し、収益を得たいと考えました。調べてみると、収益を得るにはいくつかの条件があり、次の①~④のようになっていることがわかりました。

①この動画配信サービスでは、動画を配信する人をお気に入り登録することができる。登録者が1000人以上いないと、収益は0円となる。

②収益は、月はじめから月末までの1カ月ごとに、月末時点での登録者数、その月に配信された動画のみの再生回数によって計算される。

③その月に配信された動画のみで合計300時間以上再生されないと、収益は0円となる。


④登録者数と、動画が1回再生されるごとに得られる収益の関係は次のとおりである。


ただし、登録者でなくても動画を再生し、視聴することができる。

たとえば、ある人は月末時点での登録者数が1500人で、その月に10分の動画を2本配信し、それぞれの動画が1000回ずつ再生されたとします。


再生時間は
 

10×2×1000=20000分
 

であり、合計300時間以上再生されています。その収益は
 

1000×2×0.1=200円
 

ということになります。
 

 K君は4月に動画の配信を始めたところ、それぞれの月の月末時点での登録者数は図のように変化していきました。

 



このとき、次の問いに答えなさい。
ただし、動画を視聴する人は、動画を再生し始めると途中でやめることなく、最後まで視聴するものとします。


(1)8月にK君は15分の動画を1本配信しました。8月分の収益が0円でなかったとき、収益として考えられる金額で、最も少ないのはいくらですか。


(2)9月にK君は12分の動画を4本配信しました。それぞれの動画の再生回数は次の表のとおりです。

このとき、K君の9月分の収益はいくらですか。


(3)再生時間の長い動画は見てもらえないかもしれないと思い、10月は少し戦略を変えて、1分30秒の動画を8本配信しました。

それぞれの動画の再生回数は次の表のとおりです。

このとき、K君の10月分の収益はいくらか、求めなさい。また、なぜそうなるのかを図や式などを使って説明しなさい。


(4)12月は、5分の動画を3本配信します。12月分の収益として36万円以上得るためには、動画1本あたり平均何回以上の再生回数が必要ですか。

 

田園調布学園中等部(2024年)

 

 

 

■YouTubeなどの動画収益の仕組み

YouTubeをはじめとする動画配信サービスで収益を得るためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。

 

今回の問題における主なポイントは次のとおりです。

✅ チャンネル登録者が1000人以上でなければ収益化不可。
✅ その月の配信動画の合計再生時間が300時間以上でないと収益はゼロ。
✅ 登録者数が10000人を超えれば、1再生あたり0.3円の収益が発生。


つまり、動画を多く配信しても、登録者が少なかったり、全体の再生時間が足りなかったりすると収益が発生しないのです。

 


■□■今後、受験問題として出題可能性が高い理由■□■

なぜ中学受験で「動画収益」というテーマが扱われるのでしょうか?

 

その背景には、以下のような理由が考えられます。


① 子どもたちに身近な話題で興味を引きやすい

📌 多くの子どもがYouTubeを視聴しており、「YouTuberになりたい!」という夢を持つ子も増えています。
📌 しかし、ただ動画を投稿すれば収益が得られるわけではなく、戦略的に考えることの重要性を学べます。

② 数学的思考力を養う

📌 収益計算には、再生時間・登録者数・単価の変動など、複数の要素を整理する力が求められます。
📌 これは単なる計算問題ではなく、条件を論理的に整理し、最適な方法を考える力を試す問題になっています。

③ 社会とのつながりを意識できる

📌 YouTubeや動画配信サービスは、現代社会の重要なビジネスの一つ。
📌 受験を通じて「広告収益とは何か?」「なぜ登録者数や再生時間が重要なのか?」といった視点を持つことができます。


★問題の解説(一例)

例えば、問題(1) 「8月にK君が配信した動画の収益として考えられる最も少ない金額は?」 について考えてみましょう。

◇最低限収益を得るための条件

・登録者数が1000人以上
・合計再生時間が300時間以上


15分の動画1本を投稿した場合

1回の再生で15分の視聴時間。

最低限の300時間=18000分を超えるためには?

必要な再生回数=18000÷15=1200(回)

収益の計算

登録者数が約2000人なので、1回の再生で得られる収益は0.1円

1200回×0.1円=120円

したがって、最低限得られる収益は120円となります。


YouTubeの動画収益の仕組みを考えることは、単なる数学の問題を解くだけではありません。

 

ビジネスや社会の仕組みを学ぶ貴重な機会にもなります。

こうした問題が出題される背景には、

💡 「自分で考え、データを分析し、最適な方法を導く力」

を試す意図があるのかもしれません。

皆さんも、普段見ているYouTubeがどのように収益を得ているのかを意識しながら、問題を解いてみると面白いかもしれませんね!


解答例・解説をコチラにアップしました。

 

 

今後、適性検査でも出題される可能性があります。

 

この問題をしっかり理解しておけば、十分に対応できるでしょう。

ぜひ、確実に身につけてください!

 

 

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