※このブログは息子に内緒で書いています。

 息子やその友達が誰かわかってもご指摘なきようお願いします。

 ご遺族に失礼がないようにしたいので…切にお願い申し上げます。

 

…夢ならばどれほどよかったでしょう

 

信じられない事が起きて今、私も息子も受け止めきれない気持ちでいます。

 

息子が大学で仲良くしていた同期生が、クモ膜下出血で急死しました。

早すぎる死です。

とても悔しいのが、兆候があったのに病院に行かせることができなかったことです。

2週間前に彼が自損事故を起こしていたことを

息子はLINEのやり取りで聞いていました。

大したことはなかったけれど、中央分離帯を壊してしまったから

請求がくるかもということを、彼はとても気にしていたそうです。

 

本当は、自分の体を心配しなければいけなかった。

病院に絶対に行かなければいけなかった。

 

最後に彼とやり取りした内容は、寝違えたのか頭が痛いという言葉で

息子は寝違えで頭痛くなる?なんかおかしくない?って返していた。

そのまま彼とは二度と会えなくなってしまった。

 

息子は新幹線にのって、彼の実家まで葬儀に行ってきました。

ご家族様の気丈な姿に涙をこらえていたけれど、

最後の別れの言葉に耐えられなかったと。

 

電車好きが同じで、彼がネットにあげていた動画作品を

息子は高校の時から見ていてファンだった。

たまたま同じ専攻になれて意気投合し、

電車の録音旅行(これは相手の趣味)や

地域のスタンプラリー(息子の趣味)に二人でよく出かけていた。

本郷にうつったあと、駒場に残った彼とは大学で会えなくなってしまったが

それでも電車での旅行はいろいろ企画していた。

LINEするとすぐに返事してくれた。くだらない話でも。

ちょっと落ち込んでた彼に、今度山に登ろうって約束していた。

 

全部置いてけぼりになった、と息子は言いました。

LINEのやりとりを見返しては涙がこみあげてくる。

 

葬儀で彼の高校の同級生たちがとてもいい奴だったと言っていたそうです。

息子は、葬儀の前の晩に、ありったけの彼の写真を印刷して

どこに行ったときか、コメントをつけてお母様に持っていきました。

無邪気に笑ってブランコをこぐ姿の動画があって

(息子は友達を撮るのが好きなのです)

それもお渡ししたとのこと。

 

なにもかもが悲しい。出過ぎた真似かもしれない。

だけど親ならば、子供の生きた姿は持っていたいはず。

家を離れて一人で暮らしていた時のものならば なおさら。

 

彼自身こんなことになると思わずに逝ってしまったのが

本当につらい。息子は声を震わせて言いました。

亡くなった人にできることは、忘れずにいることだけ。

 

たくさん優しさをくれた、心を開いて話をしてくれた、

笑いあった、遠くまで旅した、なにげない日常でバカをやってふざけあった。

手作りラーメンを食べさせてくれて、お返しに部屋をちょっと掃除してあげた。

初めての合コンに誘われて一緒に行って、女の子にてんで相手にされなかった!

それだって楽しい思い出になった。

 

最後に秩父で録音してきた電車音声素材、

まだ編集されないままアイツのPCに眠ってるよ…

ああ、永遠にMADにならないじゃん、もう…

言いながら涙がぽろぽろこぼれます。

 

あなたが生きていく明日は、

彼が生きたくても生きられなかった明日だから

大切に生きてね 

と私が言ったら

 

そんな 重いよ… と息子は苦しそうに息をのんで

 

だけど一緒にいたかったよ、

一緒にやりたいこといっぱいあった

約束してたのに どうして…

最後は言葉にならず ただ沈黙しました。

 

病院嫌いの彼を事故の後無理矢理でも病院に連れて行かなければいけなかった。

息子は事故の規模をちょっとこすったくらいだと思っていたようだ。

でも中央分離帯が壊れたってことは… ああその話を聞いていれば!

私が悔しいのだから、ご家族の方々の無念は…はかり知れません。

(葬儀では事故とは関係ないとご説明なさったそうなので

 これは私の勝手な勘ぐりかもしれませんが、

 でも自分達に何かできたのでは?とどうしても思ってしまうのです)

 

息子が友を永遠に失ったのはこれが初めてです。

いいヤツだったから 早く死んじゃうのかな…

うけとめきれない息子がぼんやりつぶやきました。

 

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あんなにそばにいたのに まるで嘘みたい

とても忘れられない それだけが確か

 

今でもあなたは 私の光