新たな職場、新たな仲間との仕事ということで、特に、人間関係についていろいろ考える4月が、明日からスタートします。土日休みだとしても、3日(月)からは新たな環境となるため、この機会に、「発達障害、ADHD、ASDの人との付き合い方」を考えてみましょう。

 

発達障害とは?

発達障害とは、生まれつきの脳の構造や機能に問題があり、学習や社会性、行動などに困難を抱える状態のことを指します。発達障害には、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などがあります。しかし、発達障害は単一の要因で起こるものではなく、様々な要因が絡み合って発症することが知られています。
 

コミュニケーションが苦手

発達障害を持つ人々は、コミュニケーションに関して様々な困りごとを抱えています。例えば、話し相手の意見に柔軟に対応することができず、考えがかたくなってしまうことがあります。また、相手が話している最中にも関わらず、自分が話さなければならないことがあると感じてしまい、ソワソワしたり、ウロウロしたり、ペチャクチャ話し出してしまうことがあります。

また、約束を守れなかったり、自分の言葉遣いが感じの悪くなってしまうこともあります。このような状況下では、周りからの信頼を失ってしまうこともあるため、非常に厳しい状況に追い込まれることもあります。

さらに、発達障害の人々は、相手の表情、声のトーン、しぐさなどから情報を読み取ることが苦手であることがあります。このため、相手の気持ちや意図を理解することが難しくなってしまいます。また、衝動的に怒ったり、笑ったりすることがあるため、周りの人々に怖がられたり、距離を置かれたりすることもあります。

集団行動も苦手であるため、グループに入ることが難しく、グループ内でのコミュニケーションもスムーズに行えないことがあります。また、空気を読むことが苦手であり、自分の理屈を押し通したり、ちょっとしたことでパニックになってしまったりすることもあります。

これらの困りごとにより、発達障害の人々は、いつも自分に自信を持てなくなってしまうこともあります。しかし、これらの問題を抱えているからといって、発達障害の人々が価値のない人間であるわけではありません。適切な支援や指導を受けることで、自信を持ち、社会で自分らしく生きていくことができます。

行動の傾向

発達障害を持つ人は、行動面でもさまざまな困りごとを抱えています。ここでは、仕事や家事、日常生活の中で発生する行動の問題点について、具体的に取り上げます。

まず、仕事や家事において、失敗が続くことがあります。しかも、そのほとんどが単純なミスであることが多いです。手先が不器用で、運動全般が苦手なため、細かな作業や動作が難しいというのがその理由です。

また、行列に並ぶことができなかったり、せっかちでイライラしてしまったりすることもあります。食事面でも、決まったものしか食べられなかったり、やるべきことを後回しにしたり、変化を恐れて臨機応変に対応できなかったりすることがあります。

さらに、大きな音に敏感で電車に乗ることができない人もいます。また、お風呂が大嫌いであったり、片づけができずに汚部屋に住んでしまう人もいます。

これらの行動の問題点は、周囲の人たちから理解されず、よく「だらしない」「不注意」「怠慢」といったレッテルを貼られることがあります。しかし、発達障害を持つ人たちは、自分自身でも困っていることが多く、誰かの助けが必要な場合があります

発達障害の強みを生かす

発達障害は、社会的に不利な要因とされることがありますが、それと同時に多くの取り柄や強みを持っていることがあります。

一つ目の強みは、「同一性の保持」を活かしたスペシャリストになることができることです。発達障害の人は、繰り返し同じ作業をすることに長けています。それによって、他の人が見逃してしまうような細かい部分まで気づくことができるため、職場での品質管理や、単調な作業にも適しているとされています。

二つ目の強みは、「多動性・衝動性」からくる行動力が有力な武器になることです。発達障害の人は、自分がやりたいことには熱中し、一心不乱に行動することができます。また、衝動的に物事に取り組むことがありますが、これによって新しいアイデアや行動力を生み出すことができます。このような特性を活かして、アーティストや起業家など、創造的な職業に向いているとされています。

三つ目の強みは、抜群の記憶力があることです。発達障害の人は、特定の分野においては卓越した記憶力を持っていることがあります。たとえば、数字や言語、地理や歴史など、自分が興味を持った分野に関しては、驚異的な記憶力を発揮することができます。このような特性を活かして、学者や研究者など、知的な職業に向いているとされています。

四つ目の強みは、発達障害の人が持つ独自の思考回路を活かし、新しい発明や技術革新を起こすこともあります。そのため、企業や研究機関などでも積極的に発達障害の人材を採用する動きが出てきています

 

上司や、部下、同僚が発達障害だったら、どうしようと考える前提として、多様性を認めるスタンスがあれば、個々の特性を生かしながら、チームとしても成長できるのではないでしょか。