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- 登録ID
- 2127748
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- タイトル
風と雲の詩
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- カテゴリ
- 創作詩 (9位/30人中)
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- 紹介文
- 詩と旅行、散策が主体です。私の好きな一言「本当の自由は、自分自身に責任をとることによって実現できる」 V・E・フランクル
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- 下宿のおばさん
- 下宿のおばさん吉田山の麓に ぼくの下宿があった下宿のおばさんは親切な人でいつも ぼくの部屋を綺麗に掃除してくれていた離れになっているぼくの部屋は 日の差し込む明るい部屋だったある日大学から帰ってみると部屋に花が生けられていて机の上にはお菓子が手紙と共にあったぼくはさっそく手紙を…
風と雲の詩 -
- 寂しさの中で
- 寂しさの中で私たちは寂しさの中にあって温かき愛を求めて漂っている私たちは みんな孤独だ寂しさを抱えて 私たちは生活している人間らしいものを求めて茫々とした寂しさの中を歩み続けているいつ果てるとも無く私たちの心の中を霧のように静かに流れてやまぬ寂しさ限りない涙の中で優しい愛を求め…
風と雲の詩 -
- 墜落!
- 墜 落私の左あごに傷跡が今もあるアゴの傷遠い遠い昔の傷それは四つの時だった仏様に会いたくて「マンマンチャンのところへ行く」*と2メートル程の高さの本堂の縁より飛び立った四歳の子供には、それで死んで浄土に行けると思ったでも土台石でアゴを切って 気絶しただけだった夕方 子供は母親に…
風と雲の詩 -
- トゲのないバラ
- トゲのないバラバラ真紅のバラ朝露のしたたるようなバラぼくは魅せられて手で触れるけれども そこにはトゲがない幾多の人を魅せつけ 触れさせたバラそのたびに トゲを失い幾多の人に汚された真紅のバラ今 そのバラがぼくの手を汚す創作詩ランキング現代詩ランキング
風と雲の詩 -
- ぼくらの故郷へ
- ぼくらの故郷へぼくはこの国では異邦人だこの国にぼくの住む街はない羊たちよ留めようとしないでおくれ梅の花が早春の香りを運んでこようとももはやぼくには 遠い遠い昔の幻すでに 春は失われまた夏も過ぎ去り今は晩秋世界は深い秋にと閉ざれている失われた日々の羊の群れよ旅急ぐぼくを そっと通…
風と雲の詩 -
- X(エックス)よ 教えたまえ
- X(エックス)よ 教えたまえ寒風の吹きすさぶ広漠たる荒野の中若き旅人ひとり 夕陽に祈る母なるXよ 教えたまえこの旅路の果て安らかき まどろみの有りやなしやを旅するにつれ 汝はこの寂漠たる荒野のますます惨たるを説きたもうたごらんなさい ぼくの旅路をほこりにまみれたぼくをかの女神わ…
風と雲の詩 -
- 何処へ
- 何処へれんげの花の中に寝そべり小川のせせらぎを聞き青い大空に夢をはせていたお前あの時のお前は何処へ行ったのだろう恋いにおののき愛する人を光の中に震える手で抱きしめた草原の情熱あの時のお前は何処へ行ったのだろう夜ごとに闇を透かして輝く星々を友に熱い未来に身を震わせていたあの時のお…
風と雲の詩 -
- 彼方へ
- 彼方へ明日も雨が降るがいいどんどん降って 地上を潤し寂しさを洗い流してくれればいいそして青く澄んだ空で包んでほしい私の死は 入道雲の立ち昇る真夏の太陽と大空を眺めながら迎えたい肉体を焼き尽くし 大空の彼方へ私の魂が飛び立てるように!現代詩ランキング詩・ポエムランキング
風と雲の詩 -
- ここに ひとりの女神ありて
- ここに ひとりの女神ありて今日もまた 雨の中に朝が来るぼくはひとり いそいそと都大路を行く冷気漂う都大路をそして ふと美術館の中の自分に気づくここに ひとりの女神ありて ぼくの瞳は輝く憂いを帯びた美しい顔さらに 黒い魔の淵は澄み美の女神はしずかに影を落とすぼくの萎えた両足はよろ…
風と雲の詩 -
- 白い娘
- 白い娘真夜中僕は独りで墓地にいた老木の生い茂る森五月の生暖かい風が吹いていた月は松の枝で揺れている。小さき墓より鬼火がゆらりと現れたひとつ ふたあつ みっつ・・・・ゆらゆらと燃え上がり 踊り 舞い狂う僕の心は錯乱する鬼火は誘う 僕はよろめくやがて鬼火は墓石を包み スーッと薄くな…
風と雲の詩 -
- ひとりで
- ひとりで私は夜になるとひとりで 街にでかける暗い酒場のカウンターでひとり酒を飲む酒!飲まずにいられないんだちらつく目で 夜道を透かして見て独りで歩くなぜだかわからないけれど私は歩き続ける人生に喜びというものがあるならそれは ただ愛することによって大きく私たちを包んでくれる愛!愛…
風と雲の詩 -
- 彼女は去った!
- 彼女は去った彼女は すでに九州へ去ったぼくはひとりで京都にとどまっているぼくの愛は 彼女が持ち去ってしまったただX(エックス)よ春の夜に起きて ぼくをさいなむおまえは何者ださめざめと涙を注ぐXよ親愛なるぼくのXよ都会の白い夜にぼくは まんじりともせずXよともに起きているんだここ…
風と雲の詩 -
- 命ある日
- 命ある日悦子君は面会謝絶の部屋の中病は日々 君を侵し続ける助かることのない病が婚約者の祈りもむなしくでも悦子君は何も知らず結ばれる日を夢見て笑顔で家族を迎える僕には君の笑顔が悲しい「私がお嫁にいく日には、きっとお父さんは泣くだろうね」でも、彼女は永遠にお嫁に行くことはない目の前…
風と雲の詩 -
- 夕暮れに
- 夕ぐれに六月の夕暮れに私はひとり大学の庭に佇む風は爽やかに吹き学生たちの歌声が聞こえてくる限りなく平和なひとときけれど私の心は暗く密林の中へとさまよい行きそこに何が存在し何処へ行くのかも知らぬ私がいてただ生きるために何か茫々とした目的をもって単調な生活を無為に費やしている私の体…
風と雲の詩 -
- 大学の門
- 大学の門 私の体をごらん 私は古い けれど また、新しいのだ 永い永い日々を 私は単調な生活で 諸君を迎え そして 送る 朝 開き 諸君を学舎へ 夕方は 諸君を家へと 私 大学の古びた鉄の扉 諸君の門 たゆみなく規則正しい私の行為の音に 人間を育てる偉大な響きが 諸君の頭脳に伝…
風と雲の詩
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