はじめに
基本的なものの見方・とらえ方
1.人間・社会・自然
- 一個人から見る。
- 個人は、個体(皮膚の内側)と意識(自己意識と対象意識)だけでなく、周囲の物質的環境と他の諸個人との関係を含む
他の諸個人との関係
↗// ↖↘
→
個体(⇒意識) = 周囲の物
〈個体が作る二重の三角形〉=〈個人〉
- すなわち個人は、個体が他の諸個人を介してものに働きかけることで成立する三角形(緑色の矢印と=)と個体が周囲の物を介して他の諸個人に働きかけることで成立する三角形(PC版では白、タブレットやスマートフォンでは黒で表示される矢印と二重斜線)の二重構造をとる。
2.生産関係
- 生命活動の基本は、自然環境との間の質料変換(物質のやり取り:取得と排出)である。
- 人間は、質料変換を意識的・自覚的に行う(事前に構想を立て、構想に導かれて行動する)ことができる。
- 個体と自然界との質料変換を媒介する他の諸個人との関係が生産関係である。
- 生産関係を介したものへの働きかけによって個体は自分と対象(物および他の諸個人)のそれぞれに社会的形態を与える。
- 社会的形態とは、対象がその社会の中で如何なるものとして扱われるかということである(具体例を次項で資本主義に即して示す)。
3.資本主義
- 質料変換を構成する取得と排出のうち他人との関係を媒介として行われる物財の社会への取得を生産という。個体への必要物の摂取を消費という。
- 個体が生産の際に物質的対象にに対して次のように働きかけることによって資本主義的生産関係が成立する。
1-a 生産物を自己消費の対象ではなく、相互に譲渡し合うものとして扱う。
1-b 生産物は、他人の欲求を満たすために生産されるが具体的に誰の欲求を満たすか未定のまま――すなわち、誰かしらの欲求を満たせるであろうという見込みで――生産される。
1-c 以上の結果、生産物は、不特定多数の他人のための生産物、すなわち商品という形態を受け取る。
1-d 生産活動の主催者たちは、相互排他的な自己の目的にのみ忠実な諸主体(=私的生産者)という形態を受け取る。種々の産業からなる社会的分業の担い手としての彼らの相互の関係――水平的な関係――は、直接的に人格的な関係としてではなく、商品と商品の関係として現れる。
2 生産活動に使用される物的な諸手段(=生産手段:[例]道具・機械)を他人(雇主)の意図を実現する手段として取り扱う。生産手段は、資本(他人の労働力使役する手段)という形態を受け取り、生産手段を操作するために彼が働かせる労働力は他人に譲渡された労働力(=労働力商品)という形態を受け取る。各々生産活動のための単位組織の内部では、譲渡された労働力とそれを使役する手段としての資本との支配隷属関係――垂直的な関係――成立する。
一部改稿(2025.03.25,13:25)
「2.資本主義の大まかな歴史」につづく