惨殺された若き資産家の喉には可憐な花が活けられ、その妻は行方をくらました。新聞社には「警察とのゲーム」をほのめかす挑発的なメールが届き、殺人分析班の如月塔子ら警察は怨恨の線で動き出す。しかし犯人の魔の手は警察にも及び、ついに――。猟奇的な劇場型犯罪を緻密な推理で追い詰める人気シリーズ7作目。(「蝶の力学 警視庁捜査一課十一係」改題)

 

すごく久しぶりなシリーズ第七弾です。

ミステリーを読むことが減ったためにシリーズものも放置していました。

でも、このシリーズは好きです。ドラマも観ています。

 


 

木村文乃さんは美人なのにこの如月透子の新米らしい感じとかちょっと垢抜けなくて生真面目な感じをよく演じていらして好きなんです。

また鷹野警部補の男っぽい女心のわからない感じもなぜだか青木崇高さんにピッタリ。

 

 

 

 

鷹野の亡くなったバディ沢木の姉役の菊地凛子さん、怖かった。

菊池さんって演技おばけみたいな感じがして、実際はこんな人なのかなっていう部分が全然ないのがすごい。

 

 

私はドラマを先に観てしまったんですが、これは良くなかったな。

順番は原作→ドラマが良いと思われます。

ドラマの結末(というのかな)が原作と違うからです。ドラマの最終回は本編から離れてしまい、『羊たちの沈黙』みたいになっていました。

そのためドラマを観た先入観が抜けない良くない読み方をしてしまいました。

 

本作小説も面白かったんですが、シリーズ七作目ともなるとちょっと中だるむなあという気もします。

それはこのシリーズはほとんどシリーズ全体の流れというものがもはやないせいもあるかと思います。

最後の最後の筋読みを如月が展開する場面に集められたメンバーがなんとなく不自然で、え、こんなに関係者に赤裸々に話してしまって良いのかと思ったりしました。

実際に殺人事件の動機ってかなり高い確率でお金が絡んでいるんですよね。特に大金がもう少しで手に入るかっていう時に人はどういう選択をするのか…考えさせられます。

この犯人の決断力と実行力をもっと正しく使って欲しかったな。人間って弱い。

 

面白いがまあまあかな…とは言うものの、家のどこかに第八作目もあるはずなので見つけたら読みます。

また鷹野が公安に移動した後のシリーズもすでにあるので多分いつかはそれも読むかな。

 

私がミステリーに求めるものは圧倒的になぜ人は殺人を犯すかという動機です。

トリックには興味がないのでなかなかミステリーに食指が伸びないのです。

普通にしていたらまともな人間は人を殺したりしないというのが世の中のお約束なわけで、その川を渡ってしまうには納得できる理由があって欲しい。

それが私の気持ちです。

今の世の中みたいに簡単に我が子を殺したり、知らん人を殺したりするのはいかにもその川が浅すぎるだろうと思う。

人を殺そうと思い至るには自分の命を投げ出してもいいというくらいの動機と原動力が欲しいと思う。

そうじゃなければ安心して社会生活を送ることができないもの。

 

殺人事件は小説の中だけでいいですよね。