最近、医師の働き方改革のニュースが多いのですが、
ふと思い出した話があります。
以前、仲の良かった看護師から聞いた話です。
その看護師は、「とある大きな病院」の、「とある外科系」の病棟に勤めていました。
(注:今じゃないです。昔の話です。)
具体的な病院名と具体的な科名については、言えません・・・。
ある若い男性研修医が、とある外科系の病棟にローテートで来たそうです。
そして(私が聞いた記憶では)2週間、ずーっと病院に泊まりこみだったそうです。
朝から、外来や様々な病棟業務、手術、
そして、夜はICUに泊まり込み、術後の患者さんの隣のベッドで寝ていたそうです。
夜間は、定期的に起きて、患者さんの対応・・・。
(採血やモニターなどのチェックや注射など。)
そして朝から勤務・・・
これのずっと繰り返しだったとのこと・・・。
その看護師さんから見ても、どんどん顔色が悪くなって、表情も暗くなっていったそうです。
そして、2週間くらいして、突然病院から消えたそうです。
全く連絡がつかなくなってから数日後、やっと電話がつながったそうで、
彼の最初の一言は
「俺を殺す気か~!!」
という叫びだったとのこと・・・。
ちなみに、今の働き方改革での対応、判断では、
「上司からの指示があった訳ではないから、勤務時間とカウントしない」
「泊まり込みは(ベッドで寝れているのだし)勤務時間ではなく、自己研鑽」
「ベッドで寝ているのだから、過重勤務とは言えない」
「当直は勤務時間とカウントしない(実際の裁判の判決)」
とかなるんでしょうね。
上の話をふと思い出して、
「今の働き方改革でも、やっぱり彼は救えないんじゃないかな?」
と思ってしまいました。
過重労働で自殺した研修医が勤務していた病院の院長も、
記者会見で
「勤務時間は適正だったと認識している」
的なことを言われてましたし・・・。
一応言っておくと、昔は本当に、医者にはそういう人権的なことはなかったです。
実際、
「研修医は座る暇とかないんだから、机はいらんやろ?」
と言われていました。
若い頃、
「医者って、もともとギリシャ時代は奴隷階級だったもんね。」
とか思ってました・・・。
これも昔の話になりますが、
後輩の女医が研修医の時、とある外科系のローテート初日に、
「パンツを7日分持ってこい」と言われた、
と言っていました。
つまり、
「7日間は家に帰れない。病院に泊まり込みだからね。」
という意味ですね。
(セクハラでもあります・・・。)
当時は、その後輩と笑って話していましたが、今は完全にアウトですね。
今回は、ただの思い出話と感想です。
(もし、この記事が消えていたら、誰かに怒られたか、何らかの圧力がかかったと思って下さい・・・。)