昔のブログを再掲載します。

 

知人Aさんのお子さんは46歳です。(2024年現在)

先日、その子が中学受験に臨もうとしていた時期のことを話してくれました。

 

35年ほど前ですが、地域柄もあり、既に中学受験も一般化しつつありました。

 

Aさんにとっては第一子の受験ですから、受験事情はまったく分かりませんでした。

(新)5年生になった時に「友達が通っている(大手)塾に自分も行きたい」と言ったので、勉強するのはよいことだからという理由で、承諾したのです。

 

週3回通っていました。

受験事情を知らないAさんは、勉強は週に3回通っている塾で完結するものだと思い込んでいました。

塾に通っていれば、自然に出来るようになるのだと信じていたのです。

 

塾で授業を聞くことのほうが大事だから、家でおこなう宿題をちゃちゃっと終わらせていても、気に留めませんでした。

 

当時Aさんは、学力が少しも好転しないのは、先生の教え方が我が子には合っていないのかなぁと漠然と考えましたが、自分の子の能力には想いが至りませんでした。

 

もちろん、我が子の成績が上位とは思っていないものの、塾という場所は、どんな成績でも、その子なりに伸ばしてくれるところだと信じ込んでいたからです。

 

決して、下位10%が上位20%になることを望んでいるわけではありません。

 

でも時の経過とともに、下位15%→下位20%→下位25%・・・・のように、少しずつでもジリジリ上がってゆく(上げてもらえる)ところが、「塾」というところだと、そのためにお金を払っているのだと、そう思っていました。

 

しかしなかなか成績は上がらず、順位は最後まで下位1割程度に固定されています。

 

夏期宿泊講習も正月特訓も、子どもが希望するまま全部受けさせました。

 

そして、受験校選びは偏差値と照らし合わせることなく、本人の好む希望(全て偏差値にして15くらい上)に従って、なるべくたくさん受けることにしました。

 

偏差値的には開きがあるが、たくさん受ければどこかには入れるだろう、と楽観的に捉えていました。

その結果、全落ちし、公立中学に進むことになります。

 

今、こういう保護者は激減しました。

塾でまかなえる部分が半分以下だと、保護者は知っています。

 

学習を定着させるのも伸ばすのも、結局自宅でどれだけやるかにかかっているのだと、みんな知っています。

 

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先日「学習相談」に申し込みたいと言う方からご連絡を頂きました。

 

ご本人の許可を得て、詳細には触れず、概要を掲載します。

 

内容

3年生の終わりから某塾に入り、現在5年生。

 

新4年生で入った時は、12クラス中、下から3クラス目。

その後も変わらずずっと3クラス目を維持していたが、下のクラスの生徒から辞めていくことが多いため、出来ない生徒がどんどん減ってきて、5年生の今下から2クラス目に落ちてしまった。

これでは最下位クラスになるのも時間の問題だ。

 

先日塾先生との面談時に、「当塾の進度は速いし、ゆっくり理解するタイプのお子さんにとっては、きびしいかもしれません」と、遠回しに転塾を勧められた。

自分的には「ゆっくり理解するタイプの子は○○をしたら有効ですよ」とか「△△を日々やってください」のように、対策を示してくれる面談だと思っていたのに。

 

もちろん親から見てもついて行けている感じはしていなかったので、転塾を考えることは構わないのだが、塾の先生がそんな見捨てるようなことを言うものなのだろうか。

 

新しい塾に入ったとしても、今のように鳴かず飛ばずの場合には、再び見捨てられるかもしれないと思うと不安でいっぱいだ。


ここからは私の考えです。

 

入った時には、

入塾許可がおりさえすれば、その後はきっと少しずつ上がっていくだろう。

塾の先生方の教えに従っていれば、上げていただけるに違いない。

もちろん1年以上掛かるのは覚悟の上だ。

 

多くの保護者の方がこのように思っています。

 

しかし実際には下位1/3以下のクラスは、そのほとんどがそこに固定されたままです。

 

該当塾は、授業スピードもカリキュラムも上位層に向けているため、下位1/3以下のクラスにはとても負担です。

 

ですから「先生がそれとなく転塾を勧めている」ようにお母様が受け取ったとしたら、むしろ先生の提言は良い転機といえます。

 

親御さんが、お子さんの実力を客観的に受け入れて、それに見合った教え方をしてくれる塾を探した方が、余分な劣等意識を持つ事もありません。

 

転塾する際には、以下の注意点が必要です。

塾の合格実績をみて、そのほとんどが中堅校の場合、その塾はお子さんに見合った塾と言えます。

中小塾になるほど、たくさんあります。

 

授業態度が悪く他の生徒に迷惑を掛けるなど、成績以外のことで退塾や転塾を促すことはありますが、真面目にやっているにも拘わらず、ここに居ても伸ばしてあげられない、の理由で転塾を勧める中小塾は聞いたことがありませんので、ご心配は無用です。

 

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お母様(小3女児母)はフルタイム勤務の傍ら、来たるべく中学受験に備えて毎朝継続して、九九、計算、音読、漢字などを15分ほどやっています。

 

お母様の心配事。

もっとも簡単な例として、2+8=10のような問題があるとする。

うちの子は、2と8なら意味も考えずに”10″のように丸暗記しているような気がする。

 

例えばおはじきが2個あって、そこに8個増えたら10になった、のような足し算としてのイメージを膨らませて10とやっているのだろうか・・・・?

 

ここで私はうーーンとうなってしまった。

他の保護者からも、同じようなご相談を受けたことが何度もあるからだ。

 

某母曰く

文章題が出来ないってことは、中身をイメージすることが出来ないからだと思うんですよ。

結局国語力の問題かもしれない。

 

ここからは私の考えを聞いてください。

算数の文章題程度の長さの文が、国語力に直結するとはどうしても思えません。

 

イメージを膨らませられないのが原因ではなく、単に「練習不足で解けない」だけだと思います。

四谷偏差値60までの入試問題なら、そこまで難解でとっぴな問題が出てくることはないしある程度のパターンがあるから、国語力とは別物なのだ。

 

今までの経験で感じるのは、「みんな正しく勉強していない」。

 

目次をざっとさらうように、代表的なものを1問ずつやっているのと感覚的に変わらないやり方をしているように、私には見える。

 

たとえそのようなやり方だとしても、確実に成績に反映してゆく一部の上澄み層は確かにいます。

 

私が思う上澄み層とは、受験者総数の上位15%未満の子ども達です。

 

大多数の子には、未知のことを出来るようにするための、地味で泥臭い繰り返しが必要です。

そのようにしながら、かなりのところまで食い込んでいくことはいくらでも可能です。

 

一見遠回りの私のやり方に、見ている親御さんから「こんなことしていて間に合うのですか」と、何度苦情を受けたことか。

 

しかし本人が分かってくるに従い自信が生まれて、それが小さな核となり、その周りに層が出来てくると加速しますから、そうなったらこっちのもの。


ところで、面談のお母様には、2と8がきたら10と丸暗記でよいです。

このような段階にイメージは不要で、まるっと丸暗記。

とお伝えしたら、「えーっ!? それでいいんですかぁ?」とすごく拍子抜けしていました。

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