【おふくろの味】
皆さんにとって、おふくろの味の品は何ですか？
よくタレントさんは、「これ！おふくろの味で実家に帰ると食べたくなるんです」とか「お母さんの作ったこの味のカレーが最高で
」という光景を何度となく見たことがあります。
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それらの発言を聞く度に思うことがありました。
「ウチのおふくろの味は何だ？毎回 違うからな～
」と。
決して料理が下手だった訳ではありません。
ただ「適当で」「だいたい」なので、毎回、味が違っていました。（それは、まるで私のピアノの即興演奏のよう？
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だから、すごく美味しかった時は褒めて「これとっても美味しかったから、また作って！このまま！に作ればいいから
」と伝えていました。 すると、あまり日数を置かずに、小学生(中学生)の我が子の要望に応えて、その料理を再び作ってくれました。
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すると前回とは似つかない味、美味しくない独特な味の料理が出てきていました 親は、きっとこう思ったのでしょう「美味しいと褒めてくれたから、もっと美味しく作ってあげよう」と。
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しかしそれが毎回 裏目に出て、もっと美味しくしようとして入れた調味料や隠し味の「なにか」が異常に料理の中で主張して、味わったことのない味になっていたことが、リクエストした時によくありました
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なので繰り返しこう伝えていました。「これが美味しかったんだから、余計なことはせずに、このまま作って」と。 けれど再び作る頃には忘れて………今、思い出したのは母の作ったホワイトシチュー。美味しかったので、リクエストしたら、前回とは似ても似つかない「葉っぱ味のシチュー」 。
よくよく聞いてみると、もっと美味しくしようと、隠し味に今まで使ったこともない「ローリエ」を入れて作ったそうで、それが隠し味の量の何倍も入っていたため、「ローリエ ホワイトシチュー」になりました
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今 思い返すと、ほのぼの笑える心に温かくしみる思い出の おふくろの味になりました ごちそうさま
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母の晩年は介護と一緒に料理も私が作っていました。 同じように親の介護をしていた他の人の話を聞くと、「ご飯を食べてくれない」とか「なにを出しても文句ばかり言われて」とか、そんな話も当時 耳にしていました。
けれど、うちの母は「おいしい！」「あ～美味しい！」と言いながら、食べてくれていました。なので、この点は当時から、ありがたいなぁと思っていました。感謝。
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母が旅立って、もうすぐ5年になります。当時は叔母も看ていたので、母が亡くなって半年ぐらいは葬儀や片付けや雑務にも追われて、感傷にひたるようなことも全くありませんでした。
けれど半年以上経って、母が旅立った一人暮らしが落ち着いて来た頃、いつもの近所の大型スーパーでカートを押して買い物していたある日、急に感傷的な感情が押し寄せました。
カートを押しながら、何を買おうか買い物をしている時、以前は「母は、これ食べるかな？これ好きかな？これ好きだよな」とか思い考えながら、食材を購入していたのを無意識に再現していたことに氣づいた時でした。 その時はスーパーの中で、カートを押しながら、目頭が熱くなりました。。
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｢時間｣という隠し味は、過去の思い出を色んな味に変えて味合わせてくれますね。
「おふくろの味」というワードからちょっと回想してみました。
今日も素敵な一日を
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岡田和樹 拝
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