マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

遊牧の起源(2)

 人類は、

 ――狩猟・採集

 の生活から、いったんは、

 ――遊牧

 の生活を経て――

 その後、

 ――農耕・牧畜

 の生活へと移行をしていったのではないか――

 と考えるならば――

 

 日本人の身に、

 ――遊牧民族の全遺伝情報(genome)の一部

 が流れているのは当然――

 ということになる。

 

 実際には――

 人類の全てが、いったんは、

 ――遊牧

 の生活を経た――

 というわけではなかろう。

 

 古来――

 この地球上では――

 いかに工夫を凝らしても、

 ――遊牧

 に不向きな土地はあったはずで――

 

 そのような土地に暮らした者たちは、

 ――遊牧

 の生活を経ることなく、

 ――農耕・牧畜

 の生活へ移行をしていったに違いない。

 

 よって――

 次のように述べるのがよい。

 

 人類は、

 ――狩猟・採集

 の生活から、

 ――遊牧

 の生活へ――

 および、

 ――農耕・牧畜

 の生活へ――

 と、それぞれ別個に移行をしていった――

 

 それが――

 今から 1 万~ 3 万年である。

 

 つまり、

 ――遊牧の起源

 は、

 ――農耕・牧畜の起源

 と同じくらいに古い――

 ということだ。

 

 ……

 

 ……

 

 日本人についていえば――

 

 縄文期まで日本列島に暮らしていた人々は――

 インド大陸南シナ海沿岸を通って日本列島へ入っているために――

 おそらくは、

 ――遊牧

 の生活を経ていない。

 

 ――農耕・牧畜

 の生活しか知らぬ。

 

 一方――

 弥生期に日本列島へ移り住んできた人々は――

 中国大陸や朝鮮半島を通って日本列島へ入っているために――

 おそらく、いったんは、

 ――遊牧

 の生活を経ている。

 

 その後、

 ――農耕・牧畜

 の生活へ移行をした。

 

 そして――

 弥生期以降、両者の混血が進む。

 

 現在の日本人が、草原の景色を目にして憧憬や郷愁を覚えるならば――

 それは、弥生期に日本列島へ移り住んできた人々の全遺伝情報の一部が為せる業であろう。

 

 『随に――』