●猛虎打線が見事につながり、大量6点のリードを奪った。 2- 0の 4回。先頭の糸原健斗内野手(31)が四球で出塁すると、前川右京外野手(20)が右前打で続いて無死 1、 2塁とチャンスを作る。梅野隆太郎捕手(32)はバントを決められず追い込まれるも、食らいついてはじき返した打球は 2遊間へ。飛びついた 2塁・田中幹也内野手(23)のグラブをはじき、中前への適時打となった。さらに小幡竜平内野手(23)がセーフティーバントを成功させて無死満塁とすると、投手の西勇輝投手(33)が右前適時打。2021年以来となる打点を記録した。その後も一死満塁から中野拓夢内野手(27)が中堅左への 2塁打で 2点を追加。5本の安打を集めて一挙 4点を奪い、リードを 6点に広げた。岡田彰布監督(66)の采配がズバズバと的中した。不振の大山悠輔内野手(29)をベンチに下げ、大幅にテコ入れした打線がつながりをみせ、鬼門のバンテリンドームで得点を重ねている。投げては西勇が 6回2失点の粘投。10安打を浴びながらも要所を締め、今季5登板目で初勝利をマークした。 7回は富田蓮投手(22)、 8回は岡留英貴投手(24=亜細亜大學OB)がともに3者凡退。 9回は体調不良からの復帰登板となった桐敷拓馬投手(24)が 2失点を喫した。試合前時点では0.5ゲーム差で1位だった巨人は試合がなかったため、阪神が勝率の差で首位を奪い返した。
●井上広大外野手(22)は12日の横浜DeNA戦以来 3試合ぶりに「1番・右翼」で先発出場。 1回に四球を選んで先制のホームを踏むと、 3回にも先頭で右前打。先発出場では4試合連続となる安打をマークした。二死後、原口文仁内野手(32)への 5球目で 2盗を成功させてプロ初盗塁も記録。リードオフマンの役目を全うしうなずいた。 189センチ、 100キロのリードオフマンが、バットだけでなく足でもみせた。
●糸原健斗内野手が貴重な中押し打を放ち、先発起用に応えた。12日横浜DeNA戦以来 3試合ぶりのスタメンとなる「5番3塁」で出場。先制した直後の初回一死 1、 3塁から、中日梅津晃大投手(27)の外角フォークに食らいつき左前適時打。自身出場8試合ぶりのタイムリーに。 4、 5回は先頭で四球を選び、 3度の出塁で勝利に貢献した。 4回先頭の打席では四球で 4得点のきっかけを作り、続く 5回も四球を選んで 4打席で 3出塁。佐藤輝明内野手(25)が15日に2軍降格となったこともあり、そのしぶとい打撃にさらに期待が懸かる。当たり前のように並んでいた背番号「3」がスタメンから消えた。大山が昨季からの岡田阪神で初めて、 2年ぶりに先発から外れた。3番・近本光司外野手(29)の適時打で延長戦を制した15日の試合後、岡田監督は近本に続く4番以下の打者に向けて言葉を残していた。大山は昨季は全試合4番で先発。岡田虎の象徴、不動の存在としてチームのリーグ制覇と日本一に貢献した。今季は開幕前に下半身の張りでオープン戦最後の 4試合を欠場。岡田監督になって初めて4番を外れたのも同じバンテリンドームだった( 4月14日、5番で出場)。15日は 0― 0の 9回無死 2塁で前の近本が申告敬遠。意地を見せたかったが空振り三振に倒れるなど、16打席連続で無安打となっていた。大山に代わって「4番・1塁」に名を連ねたのは原口。昨季は代打の切り札として活躍するも先発出場がなかったベテランが 2年ぶりに先発し、2018年以来 6年ぶりの4番で3番・近本、5番・糸原とクリーンアップを形成。大幅に組み替えられた打順が 1回から機能した。先頭の井上が四球で出塁し、中野が右前打で無死 1、 3塁とチャンス拡大。近本は 2直に倒れたが、原口の当たりを 3塁手がファンブルする間に井上が生還して先制点を奪った(記録は 3ゴロ失策)。なお一死 1、 3塁で糸原が左前に運ぶ適時打。先発の梅津から 2点を先制した。
●梅野隆太郎捕手が技ありの適時打で先発西勇を援護した。 2点リードの 4回、無死 1、 2塁で送りバントを試みるも 2度失敗。追い込まれてからの 3球目、外角低めのフォークをバスターでしぶとく中前に運び、 3点目を奪った。梅野隆太郎捕手は 4月14日の中日戦(バンテリンドーム)以来となる打点を挙げた。 2― 0の 4回無死 1、 2塁からバントを試みるも、失敗して追い込まれる。それでもバスターで 2遊間をしぶとく破り、 1点を加えた。 5回にも中前打を放って今季2度目のマルチ安打を記録。受けては4度目のコンビを組んだ西勇の初勝利をアシストし喜んだ。
●支柱の4番が外れる乱気流の中でも、中野拓夢内野手はいつもと変わらず〝そこ〟にいた。ただいるだけじゃない。右へ左へつないでかえして、打線を文字通り「線」にする2番の役割を忠実に果たした。梅野と西勇の適時打で 4― 0とした 4回、さらにたたみかける一打を放った。一死満塁から中堅左への 2塁打で 2点を追加。 1回は無死 1塁で右前打を放って 1、 3塁を作り、先制を演出。 6回は中前打で今季3度目の猛打賞を達成し、原口の 3ランにつなげた。固め打ちにうなずいた。大山が第2次岡田政権では初のスタメン落ちとなった中で、昨季から岡田監督のもとでただ一人、全試合スタメン出場を続ける中野は、まさに欠かせない存在。昨季開幕からのフルイニング出場も継続中で、今季は 3戦以上続けて無安打になることがない安定感でチームの核になっている。 2塁打は今季10本目。キャリアハイとなった昨年の17本を早くも視界に捉える。昨季のリーグ最多安打男に長打力が身につけば、鬼に金棒だ。 3回の守備では田中の 1、 2塁間の打球に飛びつくファインプレーも披露した。走攻守で躍動し、17日からは甲子園に戻る。黒子に徹する男が安打量産態勢に入れば、虎はますます加速する。昨季 2塁でゴールデングラブ賞に輝いた中野も譲らない。西勇輝投手は興奮気味に拍手し、戻ってくる中野の尻をポーンとたたいて感謝した。
●原口文仁内野手が1号3ランを放って中日を突き放した。 2点を失った直後の 6回、代わった根尾昂投手(24)から中野が中前で出塁すると、近本も四球でつなぐ。一死 1、 2塁で打席には2018年 6月 1日の埼玉西武戦(メットライフ、DH)以来、 6年ぶり4番に座った原口。 2ボールから 146キロの直球を一閃。高々と上がった打球は虎党が陣取る左翼スタンドに吸い込まれた。今季22打席目での初本塁打。4番が仕事を果たし、 9- 2とリードを広げた。主軸がそろいもそろって快音から遠ざかり、苦しさがチームを覆っていた。岡田監督は2023年の就任以来、先発メンバーに起用し続けてきた大山をベンチスタートとすることをついに決断。そして、代わって「4番・1塁」に入った不屈の男が、最高の結果をもたらした。スターティングラインアップには大山だけでなく森下翔太外野手(23)、シェルドン・ノイジー外野手(29)、木浪聖也内野手(29=亜細亜大學OB)の名前もなかった。佐藤輝は15日に2軍に降格し、日本一に輝いた昨季の主な先発メンバーでは近本&中野の 2人しか残っていない並びだった。打線は 3試合連続で 2得点以下だったが、原口が中心に座ることによって一気に 9得点と爆発だ。
●大山悠輔内野手が 6回の守備から途中出場した。大山はレギュラーシーズンでは2022年 8月18日の東京ヤクルト戦(神宮)以来となるスタメン落ち。今季ここまでの成績は打率.210、3本塁打で、岡田監督の就任以降は全試合で先発を続けていた。 6回に1号3ランを放った原口に代わって 1塁の守備に就いた。不振に苦しむ主砲は試合の中で復調のきっかけをつかみたいところ。だが、 8回一死 1塁で根尾に対して 3球で空振り三振を喫した。
大山悠輔内野手が今季初めて先発メンバーから外れた。 6回の守備から途中出場するも、 8回の打席では 3球三振。これまで全試合で先発出場させてきた岡田彰布監督は手厳しかった。代わって4番に座った原口の 3ランに奮起してほしいところだったが、空回り。17打席連続ノーヒットで打率.209。直近10打席で 6三振と絶不調だ。試合前にはベンチ裏で将も見守る前で打撃練習を行ったが状態は上がらない。試合後、大山は足早にバスへと乗り込んだ。
●先発した西勇輝投手は 6回 2失点で降板した。立ち上がりから持ち前のコントロールを存分に発揮。 3回無死 1塁では梅津の送りバントを素早く処理して 2封するなど巧さも見せた。 4回には打席で 3年ぶりとなる適時打を放って自らを援護。 5回には 4本の安打を浴びて 2点を失ったが、一死 1、 2塁でこの日 2安打を許していた細川成也外野手(25)を左飛に打ち取ると、石川昂弥内野手(22)には高めの直球で空振り三振を奪って大きく吠えた。 6回は一死 1、 2塁で板山祐太郎外野手(30=亜細亜大學OB)を併殺に仕留めてお役御免。 6回85球、10安打を浴びながらも 2失点にまとめ、14年連続の白星に向けて勝利投手の権利を持ってマウンドを降りた。ちょうど観戦していた母と父に勇姿を届けた。もう 1人、どうしても勝利を見せたい人がいた。登板から 3日前の13日、広島と近鉄で活躍した清川栄治さん(62歳没)の死去が発表された。西勇もオリックス時代に、さまざまなことを教わった。10年に顔面神経まひになってからは、投手コーチだった清川さんと話す機会が増え、ずっと「プラスの言葉」をかけてくれていた。「なせば成る」の格言も、清川さんから常に言われていた言葉。清川さんもきっと、投げ続ける姿を笑顔で見守ってくれるはずだ。岡田監督も初勝利に一安心。これからもプラス思考で、白星を積み重ねる。
●体調不良のため 8日の広島戦(甲子園)を最後に実戦から離れていた桐敷拓馬投手が、 9- 2の 9回にマウンドへ。二死 1、 2塁から福永に左越えの 2点 2塁打を浴び、連続試合無失点が「12」で途切れた。調整登板のチャンスをうかがっていた岡田監督は収穫を強調した。岡田監督は自ら桐敷の話題を切り出し、満足顔だった。
●昨季で阪神を戦力外になった中日板山祐太郎外野手が、古巣との試合に初出場した。 5回無死 2塁のチャンスで代打をコールされると、左翼側の阪神ファンからも拍手が起こった。だが、初球をいきなり中前に鮮やかにはじき返されピンチ拡大。手痛い“恩返し”となった。 5月に支配下登録され、阪神時代と同じ背番号63を背負った姿で旧友たちにアピールした。
●17日の東京ヤクルト戦(甲子園)に先発する青柳晃洋投手(30))は鳴尾浜で調整した。前回10日の横浜DeNA戦(横浜)は 6回途中4安打3失点、5四死球で降板した上に、球審の判定に何度も顔をしかめたことを反省。キャッチボール、ダッシュなどで汗を流した右腕は、平常心で今季2勝目をゲットすることを誓った。

記事をまとめてみました。

 

 

 <中日 4- 9阪神>◇ 9回戦◇阪神 6勝 2敗 1分◇16日◇バンテリンドーム
 猛虎打線が見事につながり、大量6点のリードを奪った。
  2- 0の 4回。先頭の糸原が四球で出塁すると、前川が右前打で続いて無死 1、 2塁とチャンスを作る。梅野はバントを決められず追い込まれるも、食らいついてはじき返した打球は 2遊間へ。飛びついた 2塁・田中のグラブをはじき、中前への適時打となった。さらに小幡がセーフティーバントを成功させて無死満塁とすると、投手の西勇が右前適時打。2021年以来となる打点を記録した。その後も一死満塁から中野が中堅左への 2塁打で 2点を追加。5本の安打を集めて一挙 4点を奪い、リードを 6点に広げた。


  4回表阪神無死 1、 2塁、梅野隆太郎捕手は 2塁適時内野安打を放った=バンテリンドーム
 岡田彰布監督の采配がズバズバと的中した。
  2点リードの 4回、先頭糸原が四球で出塁し、前川が右前打でつないだ。続く梅野隆太郎捕手は送りバントを試みるも 2度失敗したが、追い込まれてからの 3球目、バスターでセンター前へ運び、 3点目を奪取。小幡は 3塁線への絶妙なバントで内野安打を決め、無死満塁から先発の西勇輝投手が右前適時打を放って 4点目。なおも一死満塁から中野拓夢内野手が左中間への 2点適時 2塁打を放ち、リードを 6点に拡大させた。
 不振の大山悠輔内野手をベンチに下げ、大幅にテコ入れした打線がつながりをみせ、鬼門のバンテリンドームで得点を重ねている。


  4回、梅野隆太郎捕手の適時打で生還した糸原健斗内野手を迎える岡田彰布監督=バンテリンドーム
 阪神が大勝でカード勝ち越しを決めた。岡田彰布監督のもとでは初めて「4番・1塁」で起用し続けていた大山悠輔内野手をベンチスタートとするなど、大幅なスタメン入れ替えが功を奏した。
  1回から糸原健斗内野手の適時打などで 2点を先制すると、 4回には梅野隆太郎捕手、西勇輝投手、中野拓夢内野手の適時打で 4点を追加。 2点を返された直後の 6回には、 6年ぶりに4番に座った原口文仁内野手が1号3ラン。3試合連続で2得点以下だった猛虎打線がつながり、大量 6点を奪った。


  6回、3点本塁打を放った原口文仁内野手はナインの出迎えを受けた=バンテリンドーム
 投げては西勇が 6回2失点の粘投。10安打を浴びながらも要所を締め、今季5登板目で初勝利をマークした。 7回は富田蓮投手、 8回は岡留英貴投手がともに3者凡退。 9回は体調不良からの復帰登板となった桐敷拓馬投手が 2失点を喫した。試合前時点では0.5ゲーム差で1位だった巨人は試合がなかったため、阪神が勝率の差で首位を奪い返した。

 


  3回、 2盗を決める井上広大外野手=バンテリンドーム
 井上広大外野手は12日の横浜DeNA戦以来 3試合ぶりに「1番・右翼」で先発出場。 1回に四球を選んで先制のホームを踏むと、 3回にも先頭で右前打。先発出場では4試合連続となる安打をマークした。二死後、原口への 5球目で 2盗を成功させてプロ初盗塁も記録。リードオフマンの役目を全うし「初回に点を取って主導権を取れた。(盗塁は)壮さん(筒井外野守備走塁コーチ)から試合前にも準備はしとけよといわれたので、一発で走れてよかった」とうなずいた。

  3回表阪神二死一塁、井上広大外野手は 2盗を決める=バンテリンドーム
 阪神5年目の井上広大外野手が、プロ初盗塁をマークした。
 12日横浜DeNA戦以来となる「1番右翼」で出場。 2点リードの 3回先頭で右前打で出塁すると、二死から原口の打席での 5球目で迷わずスタートを切り、 2盗に成功した。
  189センチ、 100キロのリードオフマンが、バットだけでなく足でもみせた。

 


  1回表阪神一死 1、 3塁、糸原健斗内野手は左前適時打を放った。投手は梅津晃大投手=バンテリンドーム
 糸原健斗内野手が貴重な中押し打を放ち、先発起用に応えた。
 12日横浜DeNA戦以来 3試合ぶりのスタメンとなる「5番3塁」で出場。先制した直後の初回一死 1、 3塁から、中日梅津の外角フォークに食らいつき左前適時打。自身出場8試合ぶりのタイムリーに「後ろにつなぐ意識で打席に立ちました。会心の当たりではなかったですが、タイムリーになってくれて良かったです」。 4、 5回は先頭で四球を選び、 3度の出塁で勝利に貢献した。


  1回表阪神一死 1、 3塁、左前適時打を放った糸原健斗内野手=バンテリンドーム
 「5番・3塁」で 3試合ぶりに先発出場した糸原健斗内野手が、 1回一死 1、 3塁で左前適時打を放った。原口の 3ゴロが敵失を誘い先制した直後の一打に「後ろにつなぐ意識を持って打席に立った。しっかり仕事ができてよかった」と胸を張った。 4回先頭の打席では四球で 4得点のきっかけを作り、続く 5回も四球を選んで 4打席で 3出塁。佐藤輝が15日に2軍降格となったこともあり、そのしぶとい打撃にさらに期待が懸かる。


  1回、左前適時打を放った糸原健斗内野手。ベンチに向かってガッツポーズ=バンテリンドーム
 当たり前のように並んでいた背番号「3」がスタメンから消えた。大山が昨季からの岡田阪神で初めて、 2年ぶりに先発から外れた。
 「後ろが打たんからのう」
 3番・近本の適時打で延長戦を制した15日の試合後、岡田監督は近本に続く4番以下の打者に向けて言葉を残していた。大山は昨季は全試合4番で先発。岡田虎の象徴、不動の存在としてチームのリーグ制覇と日本一に貢献した。今季は開幕前に下半身の張りでオープン戦最後の 4試合を欠場。岡田監督になって初めて4番を外れたのも同じバンテリンドームだった( 4月14日、5番で出場)。15日は 0― 0の 9回無死 2塁で前の近本が申告敬遠。意地を見せたかったが空振り三振に倒れるなど、16打席連続で無安打となっていた。


  4回、梅野隆太郎捕手の適時打で生還した糸原健斗内野手を迎える岡田彰布監督=バンテリンドーム
 スタメン落ちは2022年 8月18日の東京ヤクルト戦(神宮)以来だが、当時は新型コロナの陽性判定を受けて登録抹消されていた。同年は 7月にも新型コロナに感染した近親者の濃厚接触者となって欠場。体調不良以外のベンチスタートは、21年10月24日の広島戦(マツダ、守備で途中出場)以来となった。
 大山に代わって「4番・1塁」に名を連ねたのは原口。昨季は代打の切り札として活躍するも先発出場がなかったベテランが 2年ぶりに先発し、2018年以来 6年ぶりの4番で3番・近本、5番・糸原とクリーンアップを形成。1番には2戦続けて先発していた森下に代わって井上が入るなど、大幅に組み替えられた打順が 1回から機能した。
 先頭の井上が四球で出塁し、中野が右前打で無死 1、 3塁とチャンス拡大。近本は 2直に倒れたが、原口の当たりを 3塁手がファンブルする間に井上が生還して先制点を奪った(記録は 3ゴロ失策)。なお一死 1、 3塁で糸原が左前に運ぶ適時打。先発の梅津から 2点を先制した。

 


  4回表阪神無死 1、 2塁、2塁適時内野安打を放った梅野隆太郎捕手=バンテリンドーム
 猛虎打線が見事につながり、大量6点のリードを奪った。
  2- 0の 4回。先頭の糸原が四球で出塁すると、前川が右前打で続いて無死 1、 2塁とチャンスを作る。梅野はバントを決められず追い込まれるも、食らいついてはじき返した打球は 2遊間へ。飛びついた 2塁・田中のグラブをはじき、中前への適時打となった。さらに小幡がセーフティーバントを成功させて無死満塁とすると、投手の西勇が右前適時打。2021年以来となる打点を記録した。その後も一死満塁から中野が中堅左への 2塁打で 2点を追加。5本の安打を集めて一挙 4点を奪い、リードを 6点に広げた。


  4回、適時打を放った梅野隆太郎捕手=バンテリンドーム
 梅野隆太郎捕手が技ありの適時打で先発西勇を援護した。 2点リードの 4回、無死 1、 2塁で送りバントを試みるも 2度失敗。追い込まれてからの 3球目、外角低めのフォークをバスターでしぶとく中前に運び、 3点目を奪った。「最低でもランナーを進めたいと思っていた。西さんも頑張ってくれていたので、追加点を取ることができてよかったです」とうなずいた。

  4回表阪神無死 1、 2塁、梅野隆太郎捕手は2塁適時内野安打を放った=バンテリンドーム
 梅野隆太郎捕手は 4月14日の中日戦(バンテリンドーム)以来となる打点を挙げた。 2― 0の 4回無死 1、 2塁からバントを試みるも、失敗して追い込まれる。それでもバスターで 2遊間をしぶとく破り、 1点を加えた。「最低でもランナーを進めたいと思っていた。何よりチームが勝ってよかった」。 5回にも中前打を放って今季2度目のマルチ安打を記録。受けては4度目のコンビを組んだ西勇の初勝利をアシストし「勝ちがついてよかったです」と喜んだ。

 


  1回表阪神無死 1塁、右前打を放った中野拓夢内野手=バンテリンドームナゴヤ
 支柱の4番が外れる乱気流の中でも、中野拓夢内野手はいつもと変わらず〝そこ〟にいた。ただいるだけじゃない。右へ左へつないでかえして、打線を文字通り「線」にする2番の役割を忠実に果たした。
 「自分の中では場面に応じたバッティングというか、少しずつ打席での感覚は良くなっているかなと思う」


  4回、2点2塁打を放った中野拓夢内野手。大山悠輔内野手を欠いたオーダーの中で、頼もしさがいっそう際立った=バンテリンドームナゴヤ
 梅野と西勇の適時打で 4― 0とした 4回、さらにたたみかける一打を放った。一死満塁から中堅左への 2塁打で 2点を追加。 1回は無死 1塁で右前打を放って 1、 3塁を作り、先制を演出。 6回は中前打で今季3度目の猛打賞を達成し、原口の 3ランにつなげた。固め打ちに「良い形で打っている方が次につながる」とうなずいた。
 大山が第2次岡田政権では初のスタメン落ちとなった中で、昨季から岡田監督のもとでただ一人、全試合スタメン出場を続ける中野は、まさに欠かせない存在。昨季開幕からのフルイニング出場も継続中で、今季は 3戦以上続けて無安打になることがない安定感でチームの核になっている。


  4回表阪神一死満塁、中2点適時2塁打を放った中野拓夢内野手=バンテリンドームナゴヤ
 不動の2番が暴れ回った。中野拓夢内野手が“1人3役”をこなしてみせた。まずは初回だ。1番に入った井上に続いた。右前打で無死 1、 3塁にチャンス拡大。中日梅津の立ち上がりを襲った。「場面に応じたバッティングで、引っ張って 1、 3塁がつくれました」。今季2個目の盗塁となる 2盗も決めて先制劇をお膳立てし、胸を張った。
  4回一死満塁では中堅への 2点適時 2塁打。 3試合ぶりの打点で 4回までに 6点を奪った。 6回一死では中前打で出塁し、原口の3ランの起点に。つなぎ役、ポイントゲッター、チャンスメーカー。シチュエーションによって自在に変身し、11安打9得点の大勝を演出した。この日の打線で今季の開幕スタメンと同じだったのは2番中野、6番前川のみ。定位置で今季 3度目の3安打だ。


  6回表阪神一死、中野拓夢内野手は中前打を放った=バンテリンドームナゴヤ
  2塁打は今季10本目。キャリアハイとなった昨年の17本を早くも視界に捉える。「今年は強く引っ張ろうと思っていたので、そこで長打は増えていると思う」と自己分析。進化を実感しつつも「もう少し、本来の逆方向の打球を増やしていければ率も上がる」。昨季のリーグ最多安打男に長打力が身につけば、鬼に金棒だ。
 小さい頃はパワーがなかった。野球を始めた小学生の時から体は小さかった。母節子さんは「高校生までは非力で外野まで飛ばすのがやっとだった子でした」と振り返る。生き残るため、小技やミート力を磨いてきた。だから2番打者として幅の広い打撃ができる。
  3回の守備では田中の 1、 2塁間の打球に飛びつくファインプレーも披露した。走攻守で躍動し、17日からは甲子園に戻る。「打ったか打ってないかじゃなく、最低限の役割ができたらいい。今日はたまたまヒットが連続で出ただけ」。黒子に徹する男が安打量産態勢に入れば、虎はますます加速する。


  3回裏中日二死 1塁、中野拓夢内野手は田中幹也内野手の 2ゴロの打球に飛びつく=バンテリンドームナゴヤ
 阪神の 2塁手も負けていない。中野拓夢内野手が好守で魅せた。
 今季は中日田中幹也内野手が 2塁の定位置をつかみ、広い守備範囲とアクロバティックな美技で話題を呼んでいる。このカードでも好守を見せてきた。
 昨季 2塁でゴールデングラブ賞に輝いた中野も譲らない。 3回二死 1塁、その田中が放った 1、 2塁間への打球をダイビングで押さえ、素早い送球で俊足の田中をアウトにした。
 西勇輝投手は興奮気味に拍手し、戻ってくる中野の尻をポーンとたたいて感謝した。

 

 原口文仁内野手が1号3ランを放って中日を突き放した。
  2点を失った直後の 6回、代わった根尾から中野が中前で出塁すると、近本も四球でつなぐ。一死 1、 2塁で打席には2018年 6月 1日の埼玉西武戦(メットライフ、DH)以来、 6年ぶり4番に座った原口。 2ボールから 146キロの直球を一閃。高々と上がった打球は虎党が陣取る左翼スタンドに吸い込まれた。今季22打席目での初本塁打。4番が仕事を果たし、 9- 2とリードを広げた。


  6回、3点本塁打を放った原口文仁内野手=バンテリンドーム
 効いた! 打った!! 大幅なスタメン入れ替えを行った阪神が、大勝でカード勝ち越しを決めた。岡田彰布監督は就任以来「4番・1塁」で起用し続けてきた大山悠輔内野手をベンチスタートとした。代わって 年ぶりの4番に座った原口文仁内野手が今季1号3ランを含む 4打点と大当たり。見事に打線がつながり、巨人から勝率の差で首位を奪い返した。
 一打席に懸けてきた男の、魂の 4打席だった。チームとして何かを変えなくてはならないゲーム。初の4番弾を含む 4打点ですべてを変えたのは、原口だった。
 「本当にこういうときに勝てたことが一番だと思うし、勢いをつける勝ち方ができて、またあしたにつながるなと思います」
 主軸がそろいもそろって快音から遠ざかり、苦しさがチームを覆っていた。岡田監督は2023年の就任以来、先発メンバーに起用し続けてきた大山をベンチスタートとすることをついに決断。そして、代わって「4番・1塁」に入った不屈の男が、最高の結果をもたらした。


  6回、左越え3ランを放った原口文仁内野手。岡田彰布監督の起用にド派手に応えてみせた=バンテリンドームナゴヤ
  6- 0から 2点を奪われ嫌なムードが漂いかけた直後の 6回。この日 4打席目に立った原口が、根尾の 146キロを一閃。左翼席へ運び去り、値千金の今季1号3ランとした。スターティングラインアップには大山だけでなく森下、ノイジー、木浪の名前もなかった。佐藤輝は15日に2軍に降格し、日本一に輝いた昨季の主な先発メンバーでは近本&中野の 2人しか残っていない並びだった。打線は 3試合連続で 2得点以下だったが、原口が中心に座ることによって一気に 9得点と爆発だ。
◆4番で今季1号を放った原口文仁内野手
 「打ったのはストレート。甘いボールを一振りで仕留めることができました。点を取られた後だったので直ぐに取り返すことができてよかったです」

 


  8回表阪神一死 1塁、大山悠輔内野手は三振に倒れる=バンテリンドーム
 大山悠輔内野手が 6回の守備から途中出場した。大山はレギュラーシーズンでは2022年 8月18日の東京ヤクルト戦(神宮)以来となるスタメン落ち。今季ここまでの成績は打率.210、3本塁打で、岡田監督の就任以降は全試合で先発を続けていた。 6回に1号3ランを放った原口に代わって 1塁の守備に就いた。
 不振に苦しむ主砲は試合の中で復調のきっかけをつかみたいところ。だが、 8回一死 1塁で根尾に対して 3球で空振り三振を喫した。


  8回、三振に倒れた大山悠輔内野手=バンテリンドーム
 大山悠輔内野手が今季初めて先発メンバーから外れた。 6回の守備から途中出場するも、 8回の打席では 3球三振。これまで全試合で先発出場させてきた岡田彰布監督は手厳しかった。
 「刺激というか、次の打席見たら分かるやんか。何にもなってないやん」
 代わって4番に座った原口の 3ランに奮起してほしいところだったが、空回り。17打席連続ノーヒットで打率.209。直近10打席で 6三振と絶不調だ。試合前にはベンチ裏で将も見守る前で打撃練習を行ったが「ずっとや、豊橋(14日)から。当たれへんもんなあ」と状態は上がらない。
 試合後、大山は足早にバスへと乗り込んだ。17日からの起用を問われた岡田監督は「そんなんわからへん」と語るにとどめた。


  8回、空振り三振に倒れた大山悠輔内野手=バンテリンドーム
 不振の阪神大山悠輔が第2次岡田政権 192試合目(ポストシーズン含む)で初のスタメン落ちとなった。
 4番原口に代わって 6回の守備から途中出場。 8回一死1塁の打席では空振りで 3球三振に倒れ、17打席連続無安打となった。試合前にはベンチ裏で岡田監督による打撃指導が行われたもようで、指揮官は「(指導は)ずっとや、(14日の)豊橋から。(バットに)当たらへんもんなあ」と思案顔。17日以降の起用については「そんなん分からへん」と話すにとどめた。

 

  4回、適時打を放った西勇輝投手=バンテリンドーム
 先発した西勇輝投手は 6回 2失点で降板した。立ち上がりから持ち前のコントロールを存分に発揮。 3回無死 1塁では梅津の送りバントを素早く処理して 2封するなど巧さも見せた。 4回には打席で 3年ぶりとなる適時打を放って自らを援護。 5回には 4本の安打を浴びて 2点を失ったが、一死 1、 2塁でこの日 2安打を許していた細川を左飛に打ち取ると、石川昂には高めの直球で空振り三振を奪って大きく吠えた。 6回は一死 1、 2塁で板山を併殺に仕留めてお役御免。 6回85球、10安打を浴びながらも 2失点にまとめ、14年連続の白星に向けて勝利投手の権利を持ってマウンドを降りた。

  5回、中日・石川昂弥内野手を三振に抑えガッツポーズする西勇輝投手=バンテリンドーム
 西勇輝投手がバットでも虎党を沸かせた。梅野の一打で 3点目を奪い、なおも 4回無死満塁で迎えた第 2打席。梅津の投じた 2球目、外角の 149キロ直球にバットを合わせた。 1、 2塁間を破る一打で 4点目。塁上で大きく右手を突き上げた。西勇は今季初安打で、打点は2021年 6月 1日のオリックス戦(甲子園)で挙げて以来 3年ぶりだった。投げては 3回まで中日打線を 2安打無得点に抑える投球。今季初勝利へ、自ら援護点をたたき出した。

 今季初勝利した西勇輝投手は岡田彰布監督とタッチする=バンテリンドーム
 西勇輝投手が今季 5試合目の登板で初白星を手にした。阪神移籍後の19年以降最遅ながら、 6回10安打2失点で11年から14年連続勝利。「本当に気づいたら達成してた数字なんですけど、両親の前で勝つことができてよかったです」。ちょうど観戦していた母と父に勇姿を届けた。
 もう 1人、どうしても勝利を見せたい人がいた。「清川さんが亡くなって。 2年目からかな。めちゃくちゃお世話になった。なんとかあの人に届けたいなと」。登板から 3日前の13日、広島と近鉄で活躍した清川栄治さんの死去が発表された。西勇もオリックス時代に、さまざまなことを教わった。10年に顔面神経まひになってからは、投手コーチだった清川さんと話す機会が増え、ずっと「プラスの言葉」をかけてくれていた。


 ヒーローインタビューを終えファンの歓声に手を上げて応える西勇輝投手=バンテリンドーム
 「なせば成る」の格言も、清川さんから常に言われていた言葉。「当たり前にいた人がいなくなるのはさみしいもの。今を大切にしながら、 1年でも長く野球できればいいなと思ってます」。清川さんもきっと、投げ続ける姿を笑顔で見守ってくれるはずだ。
 実はこの日、 2回の打席で投ゴロに倒れたところから手がしびれていたという。「 2回の裏から 2本指で投げてる感覚だった。コントロールが難しかったんですけど、なんとかなんとかという感じ」。ストライク先行を心がけながら、 4回無死満塁の第 2打席では右前適時打を放ち、 3年ぶりの打点を挙げた。
 岡田監督も「ずっとええピッチングしてるけど、なかなか援護なかったから」と初勝利に一安心。これからもプラス思考で、白星を積み重ねる。

 


  9回に登板した桐敷拓馬投手=バンテリンドーム
 体調不良のため 8日の広島戦(甲子園)を最後に実戦から離れていた桐敷拓馬投手が、 9- 2の 9回にマウンドへ。二死 1、 2塁から福永に左越えの 2点 2塁打を浴び、連続試合無失点が「12」で途切れた。「(感覚は)悪くはなかった。先頭を(四球で)出してたんで。そこが反省点ですかね」と左腕。調整登板のチャンスをうかがっていた岡田監督は「こんな(大差の)展開で、最後に桐敷を投げさせられてよかったわ」と収穫を強調した。

 中日に勝ち梅野隆太郎捕手とグラブタッチする桐敷拓馬投手=バンテリンドーム
 体調不良で一時的にチームを離れていた桐敷拓馬投手が復帰登板を果たした。 8日広島戦以来、中 7日空けて7点リードの 9回に登場。
 先頭村松に四球を与え、一死から元同僚の板山には左前打を許した。二死 1、 2塁から福永に左越えの2点適時2塁打を浴びたが、最後は三好を 2ゴロに抑えてゲームセット。 1回2安打2失点で久々の登板を終えた。岡田監督は自ら桐敷の話題を切り出し、「今日は桐敷が最後投げられて良かったわ」と満足顔だった。

 


 古巣阪神との試合に初出場した板山祐太郎外野手 (中日ドラゴンズ球団提供)
 昨季で阪神を戦力外になった中日板山祐太郎外野手が、古巣との試合に初出場した。
  5回無死 2塁のチャンスで代打をコールされると、左翼側の阪神ファンからも拍手が起こった。
 だが、初球をいきなり中前に鮮やかにはじき返されピンチ拡大。手痛い“恩返し”となった。
 板山はオフに中日と育成契約。今月 5日に支配下選手登録されたばかりだった。


  5回裏中日無死 2塁、中前打を放った板山祐太郎外野手=バンテリンドーム
 板山祐太郎外野手が古巣阪神相手に存在感を見せた。 5回無死 2塁で代打出場し、中前打で 1、 3塁に好機を広げた。 3塁、 2塁も守り、 9回一死 1塁でも左前打を放ち、 2得点に絡んだ。「いいところを見せたい気持ちはあった。みんなが守っているところに走者として出たら、不思議な感じ。これからも対戦できるように頑張りたい」。昨オフ阪神を戦力外になり、育成契約から再出発。 5月に支配下登録され、阪神時代と同じ背番号63を背負った姿で旧友たちにアピールした。

 


 17日の登板に向けてキャッチボールする青柳晃洋投手=阪神鳴尾浜球場(愛称=タイガース・デン)
 17日の東京ヤクルト戦(甲子園)に先発する青柳晃洋投手(30))は鳴尾浜で調整した。前回10日の横浜DeNA戦(横浜)は 6回途中4安打3失点、5四死球で降板した上に、球審の判定に何度も顔をしかめたことを反省。キャッチボール、ダッシュなどで汗を流した右腕は「前回はストライクゾーンで、自分と戦ってしまった。バッターとしっかり勝負をして投げたい」と、平常心で今季2勝目をゲットすることを誓った。

 青柳晃洋投手 (2024年 4月26日撮影)=阪神甲子園球場
 青柳晃洋投手が今季 3度目の東京ヤクルト戦でリベンジを誓った。前回 4月26日(甲子園)の同戦では今季最短の 3回 1/3で7安打5失点(自責2)KO。特に村上や長岡ら左打者に安打を許した。
 「チーム全体として対応してきている感じがあった。前回左に打たれた中で失点してしまったので、その辺は気をつけながら」と引き締めた。

 

※ 5月17日の予告先発は、阪神・青柳晃洋投手(30)―東京ヤクルト・吉村貢司郎投手(26)です。どちらに軍配が上がるか、楽しみですね。

 

 2024年シーズンのチームスローガン『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』

 リーグ優勝と日本一に輝き、王者として迎える2024年。
しかし王者といえど、野球に王道という道はない。ただ確かなことは、歩みを止めてはいけないということ。
 2024年も、阪神タイガースは挑戦をやめない。チャレンジャーとして、アレに向かって挑み続ける。
 そんな挑み続ける阪神タイガースの姿勢をスローガンにしたのが『A.R.E. GOES ON(えーあーるいー ごーずおん)』です。

 

 

2024年 オープン戦順位表

 

2024年 公式戦順位表

 

2024年 公式戦日程表と結果(04月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(05月)

 

2024年 公式戦日程表と結果(06月)

 

 

 

 

 

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