やっと着いた。


なんとなくレトロな匂いがする

坂道の途中にある秘密基地ぽい建物。



とりあえずさ、ここで一晩寝てからゴールデンリバーグに行くんだけど。


ドアの向こうの階段を下りたら存在する

やけに列車コンパートメントぽい部屋。



なんでこんな個室寝台車ぽいんだろ?

あ。この、ベッド横の窓か。



寝転んだときの目線の高さにある、

不自然な窓。


これ。



ウエストサイド自体はさ、基本こんなレトロな感じだから、うちが拠点置いてる、て以外の意味はないよ。

多様性シティだから、いろいろ、いる。

だけど、多様性シティなぶん、変な圧力がなくて、自由に動けるから、ディフェンダーとしてやりやすいのと、


あと、エコノミックがいないんだよね。ここ。



言われてみたら、人口多そうな街にどこにでもいる、変なものに開眼して周辺を狙撃してるか、見下してるような人々て、

建物のあたりにはいなかったな



フォレスターヒルで内乱起こしたのも、結局はエコノミックなんだよね。

あっちのは、エコノミックはエコノミックでもダークサイドなだけ。


ダークサイドは自分たちを宇宙から選ばれた種族だと思ってる。

ノーマルは、宇宙に生命体はいないと思ってる。


その違いはあるんだけど、どっちにしても闇から来た生命体の影響下にあって、

研究所にいた闇世界直結型も同じようなもの。


あの研究所の連中は、光側の覚醒体なディフェンダーも

闇側の覚醒体なエコノミックも

どちらも同価値なものだと思いこんでたから、

どちらも研究所の中に置いてたんだけど、


結局闇側の覚醒体の卵たちが、ダークサイドエコノミックを研究所に招き入れた結果が、あれ。





ま、そっちは置いといて、ウエストサイドの話に戻すか

通常は、このウエストサイドレベルのレトロタウンだと、ノーマルエコノミックたちの巣窟になってるんだけどね。ここはかろうじて元々この世界にあった多様性シティ側の統治が守られてるから、ノーマルエコノミック側の制限圧エネルギーのほうが叩きだされた。


もちろんダークサイドたちは、こんな古びた街の人間には興味を持たないから、空白地帯が出来た。

そこをディフェンダーの拠点に使わせてもらってる、てわけ。



叩き出されたノーマルエコノミックたちは?

今もどっかにいるんだよね?



だいたいホワイトラクーンとブルームーンライトにいる、かな? ゴールデンリバーグのすぐ近く。

このウエストサイドとゴールデンリバーグの間に広がってるカオスエリアがあって、そっちに固まってる。



建物の外側で人々のでかい騒ぎ声がした。


だけど、そこには何かの歓喜が混ざってる。



邪悪なものじゃない。



昨日、フットボールのゲームであり得ないくらい弱いチームが勝ったから、あんな感じ。

ダークサイドたちはあれが大嫌いなんだけどね。