アメリカから中国へのフェリーフライト 4(最終回) | プライベートジェット機長が見た「超」大富豪の投資の世界

プライベートジェット機長が見た「超」大富豪の投資の世界

世界を動かす「超」大富豪の投資の世界とはどんな世界か?
大富豪の象徴であるプライベートジェットの機長として日本人で唯一、
世界最速で大富豪を生み出す国・中国でフライトをマネージする
Captain Kayが、日本では決して見ることができない世界へあなたをいざなう。

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二年半ぶりに来た日本の朝は雨だった。

16時間の滞在も時差のためかほとんど眠れず出発の時を迎えていた。だいぶ疲労がたまっている。

しかしそこはプロだ、確実に目的地まで航空機を持っていかなくてはならない。

 

幸いにも本日のフライトは短めの約5時間。

本州を横断していってAKARA Corridor(東シナ海の部分)を通過後上海付近から中国大陸に入るルートだ。

 

ホテルから羽田空港へ向かう途中でコーヒーを飲みたかったのでコンビニで急いで買ってきたコーヒーなんだけど、

日本のコーヒーは甘すぎなくておいしいねえ~。テレビで見て聞いていたけど、猿田彦さん、頑張ってるね!今度日本に来た時にはお店にも行ってみよう。
 
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さて、天気はあいにくの雨だったが何も問題なくスムーズに滑走路16Rから離陸。

 

離陸後すぐに雲の合間から富士山が見えてきたよ~!

 

おーー、ホント久しぶりやわ~~。

富士山を見れただけでも日本に来た価値はあったね!

 

機内で食べるランチは若いコーパイ君が選んだ大戸屋のお弁当と海藻サラダ。

いやあ、ちょうどこんな何気ない和食が食べたかったんだよねー。

コーパイ君、ナイスジョブ!(笑)

でもこれがシャバでの最後の食事になる..........

 

 

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航空機のオペレーション自体はなんてことなく深圳の空港に到着。

さて、これから最大の憂鬱が始まる。

 

会社から到着して駐機しても指示があるまでドアを開けるなと言われている。

さっそくもう我々は危険伝染病保持者扱いなわけね。

 

そうこうしてるうちに白の防護服を着た係員が近づいてきて、ドアを開けてよいとの指示がきた。

 

そして防護服一式を渡され、

 

それを着ろという。

写真では簡単に着ているようにみえるが、つなぎのような全身スーツに靴の上からつける足のカバー、ゴム手袋は2重で、マスクはN95仕様、頭には髪の毛を包むように帽子を被らされ、最後に顔にプラスチックシールドを付けなくてはならない。

会社も当局から「確実にマニュアル通りに着させること」って言われてたみたいで、いい加減にやってると次からの入国ができなくなるかもしれないから気を付けるようにって何度も注意を受けた。

 

 

 

機内から出てくる場面はどう見ても宇宙飛行士のご帰還ですなっ!(笑)

ちなみに右側の青い防護服を着ている人は消毒アルコールを噴射している人ね。
私は彼を「ゴーストバスターズ」と呼んでおります(笑)。

 

 

 

全員で着替えてはい、記念撮影!

 

この後、2時間ほど時間をかけて入国手続き、PCR検査、アプリを使った登録、そしてひとりひとり特別室に行って防護服を脱ぐという作業を行ったわけだ。

その後、専用車に乗って空港そばにあるクルー用の隔離ホテルへ向かった。

 

 

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みなさんもご存じな通り、現在中国は外国からの入国者に2週間の集中隔離を求めている。

集中隔離というのは政府が指定した隔離専用のホテルでの隔離のことだ。

そのホテルでは厳格に管理されているため、部屋の外に出ることは(緊急事態を除いて)一切許されていない。

その2週間の集中隔離に加えて各都市が独自に「経過観察」という名の隔離期間を設けている。深圳では1週間定められている。

つまり私のケースでは合計3週間の隔離という行動制限をしなくてはならないのだ。

 

聞いたところによると我々が泊まるところはクルー用の隔離ホテルなので少し良いホテルなのだそうだ。

他社のクルーもいっぱい泊まっている。

一緒に飛んできたクルーたちとも「3週間後に会おう」ということでそれぞれの部屋へ。

ちなみにドアの前に置いてある黄色の容器は医療廃棄物用のゴミ箱と食事を置いといてもらうためのテーブルね。

image

 

では隔離ホテルをご案内しよう。

 

 

 

部屋はまずまず、だね。

 

広めの部屋なのは助かる。

 

あら、バスタブないのねえ.....残念

 

 

なんかこの部屋から出るごみは「医療廃棄物」みたいだ(苦笑)。

 

 

外の景色は........あはは、空港のそばだ。

 

食事はこんな感じで配られる。

 

 

 

 

これは夕食

ちょっといい中華弁当って感じだ。

ホカホカとは言わないが温かいまま持ってきてもらえる。

 

これは朝食。

右の緑っぽいのは緑豆のおかゆだ。

 

これはお昼ごはん。

私にはちょっと量が多すぎるかな。
あと油を使った料理が多すぎる。
 
費用はというと一泊(朝食込み)で600元(約12,000円)、昼食・夕食の弁当はそれぞれ70元(約1,400円)だ。
 
隔離期間中は毎日グループチャットに体温の報告と、3日に一回程度PCR検査をされる。
 
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コロナによる行動制限が始まって2年半、このまま隔離を経験することなくコロナが収束すればと密かに思っていたのだがそうはならなかった。

まあ、今回は初めてってこともあり隔離自体が物珍しかったし、あとアメリカからの時差ぼけと疲労を癒すのに邪魔されず思いっきり眠れたっていうのはよかったことかな。

 

ホテルにこもっている間、今回訓練したガルフストリームについて学んだことを復習しながらパソコンにまとめる作業もできた。まとめて勉強できたのもよかったことだね。

 

この隔離が終わったらやっとこのアメリカでの訓練プロジェクトも終了だ。

最後に外国に出てから約2年半、それまでの間ずーっと中国大陸内のみを飛んできた。中国のゼロコロナ対策には当初感謝していたものの今年に入って行き詰まり感を感じてきてた時にアメリカに行くチャンスを与えられた。そこにはすでにゼロコロナ中国とは異なる価値観が広がっていた。その実際の姿を見て、体験できたのは非常に収穫があったと感じる。コロナ前に海外に出ていた時以上に人生を考えるきっかけになったと思う。

 

 

さて、私の持ってきたガルフストリームも含め、これから続々とわが社のガルフストリームが中国に来る。

これからこれらのガルフストリームはどうなるのかと言えば、わが社が今年になって始めたタイムシェア型のチャーターオペレーションに使われる予定だ。
タイムシェア型というのは、お客様にまとまった飛行時間(最小25時間)をあらかじめ購入していただき、使いたい時に連絡をいただいてプライベートジェットを利用してもらうという形式だ。費用は1時間あたり約2万米ドル。一般のチャーターを手配するより費用が明瞭で、急な利用でも対処が可能だ。対象エリアも中国だけではなくアジア全域をカバーしており(下記地図の黄色の範囲)、アメリカやヨーロッパに行く場合はわが社の提携会社と接続することが可能だ。日本ももちろん対象エリアに入っているので日本の方々にもぜひ利用してもらいたいし、機長として私を指名していただければ私がお迎えに上がることも可能だ。


詳細を知りたい方はコメント欄、もしくは直接メッセージをいただければと思う。

 

 

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