さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

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700.公立上位校受験の基礎知識 調査書・前編

こんにちは、さくらです。
ゴールデンウイークが終わりました、受験生の皆さんは計画通り勉強できたでしょうか。

これから夏までは、受験の天王山・夏休みに向けた情報収集をしましょう。
情報収集と言っても、受験校選びの情報や選抜方法の情報ばかりではありません。
最も大切なのは「自分自身の情報収集」です。

あなたが試験で50点しか取れない中位生なら、あっちにもこっちにも得点できる余地がたくさん残っています。
どんな勉強をしても、とにかく勉強すれば成績を上げることができます。

しかし、80点取れる上位生には得点を伸ばす余地はあまり残っていません。
どこで、どのように、失点しているのか、努力すべき箇所をしっかり把握してから勉強しなければ、なかなか成績は上がりません。
(しかも残り20点には難問がゴロゴロ残っていたりするのです)
上位生は夏休みだからとやみくもに勉強しまくっても、成果を出すことは容易ではないのです。(だって上位生は夏にはみんな勉強するのですから)
志望校に向けて成績を上げたいなら、夏前の自己分析は必須です。

学校の定期考査のような範囲テストでは、自分の客観的な実力を測ることは出来ません。
さくらweb進学塾にも書きましたが、模擬試験を活用して自分の実力やウィークポイントを客観的に把握しておきましょう。
そうすれば、受験の天王山・夏休みを効果の出るものにすることができるでしょう。

さて、今回は重要な受験情報のひとつ、調査書について書きます。
公立高校入試では調査書(世間では内申書とも言いますね)が判定材料に使われます。
高校入試における調査書の使われ方を、このコラムでしっかり頭に入れてください。

調査書を見たことがない人も多いと思いますので、まずは実物を見てください。

これは今春の千葉県公立入試用調査書です。
毎年変わるようなものではありませんが、入試制度に変更があったりすると記載内容が変わることがあります。
例えば、2020年(前期・後期選抜のころ)まで公立入試では中学校の評定平均値によって内申点を調整していたので、教科の学習の記録の中に「中学校評定合計平均値」という欄がありましたが現在はなくなっています。
ほとんどの私立高校でも調査書は公立の様式でOKなので、これが千葉県高校入試の標準仕様だと思ってよいです。

調査書に記載されているのは
「教科の学習の記録」
「総合的な学習の記録」
「出欠の記録」
「行動の記録(第3学年)」
「特別活動の記録(学級活動・生徒会活動・学校行事)」
「部活動の記録」
「特記事項」
「総合所見」の8項目です。
この中で選抜の判定材料になりそうな項目について解説します。

「教科の学習の記録」
すべての公立高校で判定材料として使用されるのが一番上の「教科の学習の記録」です。
「必修教科の評定」の「合計」の「全学年の計」の数値がいわゆる内申点です。
5段階評価で9教科あるので、各学年の内申点は5×9=45点満点、千葉県では3学年の合計を使用するので 45×3学年=135点満点となります。
3年の内申点のみを使用する県も少なくないですが、千葉では1年から加算されるので中学入学時から意識しておくことは大切です。
(ただ、千葉県は他県に比べて総合得点に占める内申点の比率が低めなので、特に上位生の場合は過剰に気にする必要はありません)
教科の学習の記録は調査書のキモになる部分なので、後ほどまた詳しく書きます。

「出欠の記録」
記載されるのは欠席のみです、遅刻や早退は記載されないので遅刻が多い人も安心です(笑)。
欠席日数については、どの高校でも選抜・評価方法に評価基準が明記されています。
県立千葉高校の選抜・評価方法には「3年間の欠席日数の合計が60日以上の場合は審議の対象とする」とあります。
審議の対象=不合格というわけではなく、正当な理由があるか確認するということです。
調査書に「病気入院のため」などと書かれていれば、欠席日数が合否に影響することはないでしょう。

「行動の記録」
10の項目について、優れていると判断される場合は○をつけます。
上位校ではここを評価することはほぼありませんが、人物を重視する下位校では重要な項目になります。
(県千葉では「○が1つもない場合は、審議の対象とする」とありますが、そんな受験生はまずいないでしょう)

担任の主観が大きく関わってくるので、クラスの生徒を有利にするためにバンバン○をつけてしまいそうですが、実際には学校の内部規定で制限があるはずです。
私が昔勤めていた公立高校では「クラスの平均を○個~○個の間にする」とか、「○個以上や○個以下にする場合は会議で審議する」などの規定がありました。(具体的な数字は書けませんが)
好感を持っている生徒に○を8つも9つもつけたいと思っても、多くの先生が「この生徒なら」と思うようでなければ難しいです。(逆も然りです)
高校と中学で多少の違いはあるかもしれませんが、おおむね運用の仕方は同じだと考えてよいでしょう。

「特別活動の記録」「部活動の記録」「特記事項」
県立船橋高校では部活動の記録について「部活動で県大会を経て関東大会以上に出場した、または個人で県1位の成績をあげたと認められる記載がある場合は、総合的に判定する際の参考とする」とあります。
また、特記事項については「英検2級以上等の記載がある場合は、総合的に判定する際の参考とする」とあります。
(県1位とか、英検2級とか、ハードルの高さもすごいですが、持っていても参考にしかならないというのもすごいです)

ちなみに「総合的に判定する際の参考」とは、具体的には「ボーダーライン上で同点で並んだときの判定材料に使用する」という意味です。
千葉県の公立高校では、合格者は定員ぴったりでなければいけないわけではないので、同点の場合は判定材料に明確な差がない限り、ともに合格になる可能性が高いでしょう。(今春の入試では東葛飾高校で定員より1名多く合格を出しています)
県千葉・県船橋東葛飾・千葉東・佐倉・小金の6校では、この項目はすべて同様の扱いで点数化されることはありません。

薬園台高校では「生徒会活動、部活動、その他の活動において、特に積極的に取り組んだと認められる記述については、10点を上限として加点する。」とあり、高校によって評価の異なる項目となっています。

合否判定には関係ありませんが、「総合所見」には担任の先生が苦労した後が見られます。
入試が終わったら、ぜひ得点開示して読んでみてください。

次回は高校ごとの調査書の使用状況について書きたいと思います。


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