こんにちは、さくらです。
前回は調査書に記載されている内容について書きました。
今回は高校ごとの調査書の使われ方(配点)について書きます。
公立入試における配点は各高校の公式ホームページに「選抜・評価方法」として掲載されています。
(ホームページのどこにあるかは高校ごとにまちまちなので、入試案内などのページを探してみてください)
ただし、現在掲載されているのは前回入試のものです、来年度用は例年10月下旬に発表されます。
頻繁に内容が変わるものではないので、とりあえず前回のものを参考にしておきましょう。
千葉県の公立入試では「学力検査」と「学校設定検査」と「調査書」によって選抜を行います。
学力検査は千葉県内全ての公立高校共通の問題で、国数英理社・合計500点満点のテストです。
学校設定検査は入試2日目に行われる、各高校ごとに内容を定めた検査です。
検査内容には面接・作文・小論文・自己表現・集団討論・思考力を問う問題などがあり、2つ行う高校もあります。
その配点も10点~100点の幅で高校ごとに決めることになっています。(2つ行う場合は合計150点まで)
調査書は中学3年間の成績(評定)と部活動などによる加点に分かれます。
評定は1学年につき5段階×9教科=45点満点、3学年合計して45×3年=135点満点です。
これに高校ごとに係数K(0.5~2)をかけて使用します。
Kの値は1の高校が最も多く、その場合の評定は135点満点になります。
K=0.5の場合は135×0.5=67.5点満点、K=2の場合は135×2=270点満点になります。
部活動の記録や特記事項の内容に対して加点する高校も多くあり、最大50点まで加点されます。
例として、船橋と名のつく高校の配点をいくつか紹介しましょう。
上位進学校の例:県立船橋高校・普通科(Vもぎ基準偏差値67)
学力検査 500点
調査書の評定 135×0.5=67.5点(K=0.5)
調査書の加点 なし
学校設定検査 作文10点
合計 577.5点満点(学力検査87% 調査書12% 学校設定検査2%)
配点の割合は小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります
普通の進学校の例:船橋東高校(Vもぎ基準偏差値60)
学力検査 500点
調査書の評定 135点(K=1、船橋東は2022年までは進学校では珍しくK=2でした)
調査書の加点 20点
学校設定検査 面接10点
合計 665点満点(学力検査75% 調査書23% 学校設定検査2%)
中堅校の例:船橋啓明高校(Vもぎ基準偏差値45)
学力検査 500点
調査書の評定 135点×2=270点(K=2)
調査書の加点 25点
学校設定検査 面接15点
合計 810点満点(学力検査62% 調査書36% 学校設定検査2%)
学校設定検査を2つ行う学校の例:船橋二和高校(Vもぎ基準偏差値37)
学力検査 500点
調査書の評定 135点×2=270点(K=2)
調査書の加点 50点
学校設定検査 面接50点 自己表現100点
合計 970点満点(学力検査52% 調査書33% 学校設定検査15%)
学力検査の配点はどの高校も500点ですが、調査書と学校設定検査の配点が大きく異なるので、結果的に学力検査の割合にはかなり差があります。
(理数科や英語科では、学力検査の数学と理科の得点を1.5倍するなどの傾斜配点が行われる高校もあります)
県船橋では学力検査が全体の87%も占めているので、ほとんどテストの点数で合否が決まっているといえます。
県船橋志望の受験生はとにかく受験勉強を頑張りましょう。
対して船橋二和では52%ですから、テストの比率は全体の半分くらいです。
内申点や部活の成果もけっこう合否に影響します、受験勉強も大切ですが、日々の学校生活の頑張りも大切です。
調査書について言えば、調査書の評定を0.5倍する県船橋と、2倍する啓明や二和とでは内申点の重みが4倍も違います。
定期考査や提出物や授業中の態度などを頑張って内申を2点上げても、県船橋では入試で+1点にしかなりません。
内申を2点上げるって大変なことです、テストなら100点もありますが内申は5点(5段階)しかないのですから。
(県船橋レベルなら内申アップは4→5でしょうから、結構な努力が必要です)
それなら学力検査で点数を上げるほうがずっと楽でしょう。
しかし、啓明や二和では内申2点アップは入試で+4点になります、内申対策も手を抜けません。
(このレベルなら内申アップは3→4でしょうから、まあそこそこ頑張ればなんとかなるでしょう)
県船橋では調査書の加点は一切ありません。(生徒会長でも、英検2級持ってても、1点もプラスされません)
しかし、船橋東では20点、啓明で25点、二和では50点ももらえます。
英検や漢検など取れるものを取っておくだけでなく、部活動や生徒会でも頑張っておくとよいでしょう。
船橋二和では学校設定検査の自己表現(文章か実技かを選べる)が100点もあるので、部活の成果を得点に活かすことができます。
このように高校(レベル)によって、入試で評価されるポイントが大きく違います。
中位校や下位校では学力試験だけでなく内申点や部活動・検定などが大きく評価されるため、対策すべきことが多くあります。
しかし、上位校では学力試験のウエイトがとても高くなっています。
検定を取得したり、学校の定期考査で1位を取るより、理科や社会の入試問題演習をする方がずっと合格に近づきます。
受験生にとって時間と労力は限りある資源です、志望校合格に必要なことは何なのかをよく知り、限りある資源を有効に使ってください。