セルフビルド総括、からの農園編1 | 迷子の大人たち 3

迷子の大人たち 3

~ニワトリノニワ 非公認ブログ~ 
放し飼い有精卵「池田なません」生産農場のブログです。農場ブログの他自宅のセルフビルド、他自給自足っぽい生活も。ま、しょせんテキトー経営者のエー加減農業日記は変わりませんが。ちょっと更生した?

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続編に移る前に。

 

ということで家づくりの総括。まず言いたいのは大工に失望した、ということである。

 

今の大工はなーんにもしない。いやできないのかも知れない。私は家づくりの初めの方で土台を削ったり柱にホゾを切ったりした。それが大工の仕事だと思っていた。

 

今から40年前の話。子供の頃近所の同級生の家が大工の棟梁だったから遊びに行く度にホゾ穴を開ける角ノミとか大工の機械を珍し気に見ていた。それがまさか自分がその機械を買うことになるなんて・・・と感慨深かった。

 

ところが今の大工は角ノミなんて滅多に使わない。ほとんどが木材を注文する際についでに製材所でコンピュータ管理によりCADと連動した機械が穴やら溝やらをプレカットしてもらったものを購入する。

 

もちろんプレカット代が割り増しされるがそんなものは施主に負担させれば良いので気にもしないことだろう。まったくガッカリである。大工を尊敬していたのに。

 

次に屋根は瓦であれば瓦屋、トタン屋根であれば板金屋、と言うんだろうかそれぞれ専門の業者に委託し大工がやることは滅多にないようだ。

 

次、外壁。これも板金屋?或いはサイディング屋?とか名前は良く知らんが大工はまずやらないらしい。それから給排水の配管は水道屋。

 

その次は風呂。今の風呂はほとんどユニットバスでTOTOとかLIXILとかタカラだとかが指定業者を派遣し組み立てるらしい。従ってこれも大工はノータッチ。

 

後は、エコキュートとか住設の電気関係はほぼ電気屋(兼水道屋ってのが多いらしい)に丸投げするのでこれも大工はカンケーネー。それに内装の天井や壁紙も内装屋がやるんだと。

 

こんな感じだ。家が高くなるのも当然である。もし大工(工務店)が全てやるなら一社の利益が載せられるだけで済む。

 

しかし電気屋・水道屋・屋根屋・壁屋・内装屋・外装屋・ユニット屋とか6つも7つもの会社が寄ってたかってそれぞれの利益をフンだくったら幾らでも高くなるに決まっている。

 

おまけにこの人らは自分で腕を磨きセンスを磨き他者との差別化を測ったり営業努力で価格を下げたりなんてしない。更にこの業界は相見積もりというものも行わない。競争のない社会に価格競争は起こらない。

 

工務店が馴染みの業者に投げるだけなので電気工事一つとっても安いのか高いのか分かったものではないのだ。

 

本当は電気工事も資格を取って自分でやりたかったのだが10月の試験には間に合わなかった。仕方なく外注することにし、相見積もりを取ったところ三者三様で倍以上違う見積もりもあった。

 

農家が何でもやるから百姓と言われた時代も終わったが大工が家を建てる時代も終わったらしい。私が協力を仰いだ大工は何にもできないことを薄々悟ったので屋根を自分で調べて作り終えた辺りからはほぼ何も相談していない。

 

従って今の私は大工を超えている、と言えるだろう。

 

そう言えば思い出したが、本当は近所の工務店に相談しようとしていた訳ではなかったのだ。徳島には光洋一一級建築士事務所という有名な設計事務所があり、ここがNPO法人いい家ネットという非営利団体を作っておりボッタクリのない安くて良い家を誰もが買えるように活動しているのだ。

 

この事務所、というかNPOにまずセルフビルドでも対応してくれるか、という相談メールを入れた。忙しくて断られる可能性もあるから保険として近所の工務店でホームページがある所にもメールを入れて置いたのだった。

 

で、例の工務店がたまたま、なのか大体いつもなのかは知らないけど暇だったらしくその日の内に連絡をくれ、近いから見に行くということになってしまったのだった。

 

NPOの方は週が明けてから連絡がありどんな相談でも対応する、ということだったが今更近所の工務店を断るのも悪いので仕方なく第一希望のNPOを断るハメになってしまったのだ。

 

その近所の工務店、A氏は初めこそ暇で3日に一度くらい手掘り井戸を物珍しそうに見学して世間話をして帰って行くのを繰り返していた。

 

が、いざこちらの建築が始まるタイミングで向こうも忙しくなり、木材の注文を約束通りしなかったり納期を守らなかったりと金にならぬ相手ということで酷い扱いを受けた。

 

金にならない仕事でも約束したらきちんと責任を果たすべきである。そうでなければ初めから断ってくれれば念願のNPOの方に相談できたのに・・・

 

という次第。大工に色々教わりながら作る予定だったのにほとんど全部自分で調べながらできちゃったのだから我ながらスゴイもんだと思う。

 

そう言えば電気屋でかつ大工(今はほとんどやってないらしい)の親方が俺もユニットバスを組み立てたことがある、という話になったことがあった。そして大丈夫、君ならできる、と言われてハッと気づいた。

 

私はこれまでどうやって作るんだろう、と考えたことはあったが、これできるだろうか?と考えたことは一度もなかったな。

 

できるかどうかではなく、本気になればどうやってやるんだろうと調べたり考えたりするものだ。できるかできないか、と考えているのは本気でやる気になっていないからだ。

 

ま、そんなことはどうでもいいのだが。

 

余談として、家を建てる際には国(?)の補助金やら助成金やらがたくさんある。よくは知らんが断熱窓とかエコキュートとか浄化槽だとか。

 

しかしいずれも認定業者の施工が条件になっている。ちょっと見積もるとその業者を通すと自分でネットで購入して施工するより3倍とか5倍とかになるのである。

 

補助金貰った方が高くなるってどういうこと?従って私はこれらの補助金を一切貰っていない。

 

こんなの特定の業界を保護することにより票をまとめてもらうという、よくある自民党の汚い政治手法である。いわゆる既得権益というヤツである。農協が良い例である。

 

因みに今回私が建てたのは9坪の平屋の家(屋根裏収納付き)であるが総工費がザックリ450万ほどだった。あ、井戸は別ね。

 

もし大工並みにほとんどの仕事を外注したら倍くらいになったと思う。それに大工(工務店)の利益がのったら1200-1300万とかになるだろうね。

 

そう考えるとセルフビルドは900万くらいの節約になったんじゃないか。8か月で900万だから月収110万の仕事をしたという訳だ。ていうかこの業界の利益やっぱり高過ぎだろ?

 

因みに建築資材はこの10年で1.5倍くらいになってるからもし10年前に建てたら300万程度だったということになるか。これは言うても仕方ない話だが。

 

そもそもこの9坪の家は自宅を建てる練習として遍路宿にするつもりだったから本来使用する住設などのランクを下げる予定だった。そうすればきっと400万以下でできたかも知れない。

 

それにしても200万くらいで3ヶ月もあればできちゃうんじゃね?と思っていたのは甘かった。屋根を作った辺りでこれは遍路宿とか言うてる場合じゃないぞ、という出費になってきたので予定を自宅に変更したのだった。

 

えーと、ちゃんと総括するか。

 

家を建てる、ということに現代人は一生の労働の3-4割を捧げているらしい。これは生活費を除いて生涯の買い物の中で最も高い買い物である。

 

月10万円35年ローン、とか。憂鬱である。

 

マンションならば大手ゼネコン、一戸建てならハウスメーカーの、それぞれ奴隷としてサラリーマンとして人生の大部分を終えるのだ。こんな社会おかしくないか?

 

何故衣食住の中で住だけがこんなにも高いのか。こんな社会で人は幸せになれるだろうか。こんな世の中だからもっと稼げとうるさい。時給を上げろ、やれNISAだ副業だ新卒の初任給が30万だのと。

 

傍から見ている私にはもっと稼いで税金をたんまりと払い無駄に出費して経済を回し企業を発展させれば皆ハッピーだと言っているように見える。

 

疲れないか?どこにも幸せという基準が出てこない。まるで物欲を満たせば人間は幸せになれるというのが暗黙知になっているようだ。食欲と違って物欲は満腹になることがないのである。

 

逆に手に入れればもっと良い物を持っている人と比べアレより更に良い物を欲しくなるのが物欲である。キリがない。一生飢えてそのために稼がねばならない。地獄である。

 

今日も明日も5年後も10年後も金のためにあの嫌な上司の顔を見ながらつまらない仕事を我慢しながら毎日をウォーキングデッドのように過ごさねばならない。そんなのが幸せと言えるのか?

 

もし家を、今の1/3で建てることができるとしたら。月10万のローンが3万円で済むとしたら月に7万円分稼がなくて良いことになる。サラリーマンの時給が2000円程度とすると生涯週休3日でOKということになるのだ。

 

自分で家を建てる、ということはそういうことである。無駄に稼ぐ必要がないのである。

 

それに自分のためにする仕事は楽しい。自分の家を、自分の入る風呂を、キッチンを、作るのはとてつもなく楽しい。仕事というのは本来こうあるべきだと思う。

 

つまり自給自足の農業というのはまさに自分のために全ての仕事を完結することである。自分のために作物を育て自分が卵を食べるためにチキンのエサを栽培する。

 

今回目指している養鶏はエサの自給までを目論んでいる。従って羽数は少ない。全部自分で完結するということはどういうことか、という実験である。とても幸せなんじゃないだろうか。

 

私が考えるセルフビルドとは人が幸せになるための一つの答えである。

 

 

さて、長くなってしまったがようやく続編スタート。

 

1/24。ようやく新居に住むことができたので、チキン達を本来あるべき姿にしてやろうと。

 

 

まずは夏にユンボで掘っといた穴に単管を挿して。

 

 

埋める。

 

 

あ、山になってた土を埋め戻したら直後にジョウビタキのお嬢がやってきた↑。ここら一帯を縄張りにしているらしい。夏からチラホラ見かけた。因みにお嬢という仇名を付けたけど♂である。先住者である。

 

約5m間隔で単管を立てて行く。

 

 

いやぁ、ユンボで掘っといて良かった。寒風吹きすさぶ中またしてもアホみたいな顔でコンコンする羽目になるとこだった(アホみたいな顔は自己責任である)

 

 

君には移動を命じる。

 

 

今までよく番犬してくれた。

 

単管にロープを張る。

 

 

トラロープに防獣ネットを。

 

 

おお、見慣れた景色が戻って来たな。

 


下側をどう止めるか非常に迷ったけど結局上と同じでいいや、ってことになった。そして自宅の屋根に使ったヒノキの木材の切れ端で地面に止める。

 

 

チャラッと完成だな。

 

 

しかし全然出てこない。

 

 

おーい、出てこーい。」と叫んだら上から放射性廃棄物とか落ちてきそうだがチキン達は一向に出て来やしない。あ、星新一のタイトルね。

 

ワンコはヒルズ族に。Awa hills

 

 

折角放し飼いにしたったのにできやしねーと不貞腐れていたら、四万十のT近ばーちゃんから文旦が届いた。

 

 

一箱も。安いハネものでいいと言うたのに。しかし嬉しいな。ありがとなー

 

昼過ぎ近所のMさんがトラクターに乗って現れた。なんでも春にスダチの苗を植えるためにうちの上の畑を耕していたらしい。

 

ついでに、と言ってはなんだがうちの畑耕してもらえませんか?と頼んでみたら快くいいよ、と言ってやってくれた。

 

 

15×30m位はあるだろうか。何年も耕作放棄地だったのでカチカチに固まっていたようで一時間くらいかけて念入りに耕してもらっちゃった。

 

トラクター欲しいけどそんなもの買うほど広くもない。耕すって言うても半年に一回である。無駄なモノは要らないし折角体力をつけるチャンスでもある。ま、また機会があればMさんに頼もーっと。

 

お礼に届いたばかりの土佐文旦をおすそ分けしたら喜んでくれた。助かったー

 

 

さて、家の方は・・・テレビである。とりあえず朝のニュースくらいは観たい。

 

徳島のTV事情は特殊である。ケーブルテレビの普及が早かったため地上波が発達していない。ケーブルテレビで関西圏の番組がほとんど観られるので民放が一局しかないのだ。

 

しかしながら他県から来るとTV観るのに金がかかるとは何事かと思う。バカらしいので例えチャンネルが三つしかなかろうと地デジのアンテナを取り付けることに。

 

場所は今流行り(?)の屋根裏である。

 

 

なんでも最近の家はカッコが悪いという理由から壁面につける平面型やポール型、或いは屋内タイプの洒落た形のヤツを選ぶらしい。

 

しかし電波が良くない地域は昔ながらの八木式アンテナ、或いは八木式が進化したパラスタックアンテナを選ばざるを得ない。それでもやはりカッコ悪いし何より台風で飛ばされたりするので屋根裏に隠す設置方法が流行っているようだ。

 

外にも設置してみたけど屋根裏と変わらない感度だった。ここらは屋根にアンテナ載ってる家なんかほとんどない。もちろんBSのアンテナもだ。だってケーブルテレビだもの。

 

従って電波塔も少ないし数も少ない。うちは丁度山影に隠れた方向なので電波はかなり良くないので持ってたブースターをつけた。BSは後回し。

 

 

さて、秋から放ったらかしてた三段目の畑、プライベート果樹園を久しぶりに覗いてみた。

 

 

冬の強風でめくれあがっている。ここらは北に讃岐山脈を背負っているので冬は吹き下ろしの風がかなり強いのだ。

 

そしてある所に足跡が。

 

 

鹿の足跡だ。どうやらここは放棄地だった10年だか20年だかの間鹿の獣道になっていたようだ。

 

ヤな予感がして果樹の苗を見に行くと・・

 

 

やっぱり食われてる。

 

近くにあんなに青々とした葉っぱが茂っているのに。

 

 

調べてみたら鹿は柔らかい若い葉っぱが好きなんだと。んなこと言ってねーでもっと歯鍛えて固い葉っぱをバリバリ食えっつーの。柔らかいもんばっか食ってると歯槽膿漏なるぞ。

 

しかしこのままではいずれ枯れてしまう。なんとかせねば・・

 

1/29。新居の朝日。

 

 

さて、最後の引っ越しをやっちまうか。

 

アパートに戻り最後に残っていた折り畳みベッドと冷蔵庫を持ってきた。

 

 

これまで3回くらいに分けてちょこちょこ荷物を運んでいたのでこれだけ。そもそも少ししかアパートに置いてなかったし。

 

しかし8か月しか居なかったがこの地域で最も安い家賃だったためか、住人のほとんどがまともに働いてなかった。昼間も車がずらっと並んでいたり。というか、滅多に外出しない人も多々いた。年金暮らしって年寄りなんか居ないのに。

 

恐らくは生活保護もらって生活してる人が何人も居るんだと思う。家賃3万円だけど共益費とかケーブルテレビ代だとか駐車場代だとかボッタくられて3.7万くらいになってた。低所得者に対する悪徳商法みたいだ。

 

良いアパートではなかったな。ま、いいや。

 

それにしても人生で一体何回目の引っ越しになるだろうか。確か四万十で30何回かだったから、そんな感じか。これでもう取りあえずは引っ越しすることはない訳だ。ま、人生何があるか分からないから断定はしないが。

 

さて、遍路宿にする予定だったのでキッチンが狭い。狭いのにケチって吊り棚を買わなかったからキッチン下しか収納がない。

 

 

これでは何ともならんので棚を作ってやることに。

 

 

ちゃんと水平測っちゃってるぞ。

 

取りあえずレンジを置いてもう一段。

 

 

ついでにカウンターテーブルの上にも。

 

 

何載せるんだろう?と疑問を抱えながら洗面台の上にも。

 

 

これでだいぶ収納スペースが増えたな。

 

更に事務所、というか作業部屋というか、に使おうと思ってる部屋にもデスクと棚を数段。

 

 

よし、なんとなく部屋らしくなってきたな。

 

ちょ~長くなったけどまだ2月分入ってない・・・

 

 

 

つづく。

 

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