も う ん た い ん 。

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【Team VIPER JAPAN】Driver's Report File:007

2013-09-15 23:48:50 | Supported by VIPER

◆ レース参戦記 No.4 ◆

2013 JMRCA全日本選手権(EP OFF-ROAD)
‐ YATABE ARENA ‐

 それでは後半、今回は四駆編+αのレポートをお届けします。去年の全日本は完全なプライベータとして、マシンもDB02(レオニス)というチャレンジングな選択で挑みましたが、当初のダブルエントリ予定からシングルエントリになって意気消沈したり、本番は予選1Rでいきなりリタイヤ(センサートラブル)したりと、あまり良い思い出が残っていません。そもそも過去2回の参加では、どちらも1Rのトラブルで出鼻を挫かれ、そのまま力を出せずに終えるという悔しい内容で終えている私。今年こそは予選全ラウンドを走り切り、その上での自分の順位を確認したい、という思いが強くありました。



■ TRF502X + VIPER ■
 マシンは今年3月から使い始めたシャフトドライブのコンペティションモデル、TRF502Xです。

 ベルトドライブマシンのハイエンド、TRF511に比べヨーモーメントの発生が少なく、ニュートラル時のブレーキもシャフトならではの自然な掛かりで扱いやすいのが特徴。アグレッシブなパワードライブを貫くことが結果に繋がることの多い511に対し、502Xは粛々と精密な周回を重ねて好成績を陥れるスタイルです。502Xはコンディションが崩れにくく、メンテナンスサイクルも511より長いことから、私の性に合っているのはこちらと感じています。

 続いてメカ類。ESCは VIPER VTX10R-BE 、モーターは VIPER VST 7.5R と、502Xを走らせ始めた当初から変更ありません。また、冷却ファンには高回転型ながら安価な Zeppin Racing 製を使用しています。各セットアップは7月の練習走行で大方あたりをつけていますので問題無い筈、後は本番で私自身が持てる力を発揮するだけですね。



 四駆予選は土曜日の開催。二駆の時と同じく、練習走行1本、予選公式ラウンドは4本で、そのうち2本が有効となります。各ラウンド、順位の良いドライバー順に高いポイントが与えられ、全4Rで得られたポイントのうち、良かったもの2本の合計値で予選総合成績が弾き出されるという仕組み。タイムの良し悪しがラウンドを跨いで効果を及ぼすことは(基本的に)無いところが、全国で行われている多くの地方レースとの相違点と言えます。

 全日本選手権は二駆、四駆で周回方向が逆転しますので、練習走行は二駆の時と同じく、自分の苦手なところを探り、そしてその処理の仕方を考えながらの周回となります。大多数の人は、先に出ているマシンの走りを食い入るように見つめ、あれこれ考えながら自分の出番を待つのですが、この日、1番手にコースを走行するグループは私の属する第3ヒート(集団)でした。どのヒートから練習走行を開始するかは、各ヒートのゼッケン1番同士でジャンケンをして決めます。で、当日の全11ヒートの代表者中、最後の1人になるまでこのジャンケンに負け続けたのが私… そう、やや不利な1番手集団としての出走を導いたのは、他ならぬ自分自身だったわけです。

 決まったことをウジウジ悔やむ暇もなく、練習走行を開始。とは言え気を取り直してはいましたし、実際走らせてみると意外と早く慣れられた感があり、比較的自信を持った状態で5分間を終えることができました。ただ一つ、ストレートエンドの複合コーナーは最後迄、上手な抜け方が掴めなかったので、このポイントだけは続いて練習走行に入ってゆく各車の動きを参考に、予選の中で修正していくつもりでした。

 そして本番ラウンドに突入、まずは1R。昨日の二駆のような躓きはもうイヤと、気合はかなり入っていました。滑り出しは良かったように思うのですが、2分を迎えるあたり? で、ストレートエンドのコースウォールにマシンをヒットさせた拍子、前輪が異常な方向を向いているのに気付いて思わず悲鳴…。フロントサスアームが折れていました。なんとなんと、3回目の全日本でも、四駆1Rはリタイヤという結果に。

 それでも今年の全日本は、過去の自分に比べ遥かに落ち着いて臨めていると思えていたので、破損箇所を速やかに修復し、次が来るのをひたすら待ちました(結果が出ていない時は、次の自分の出番が待ち遠しくなるものです)。ようやく迎えた2R、取り敢えずここを走り切っておけば、3R、4Rは幾らか攻撃的な走行にシフト出来る筈。ところが… 今度はマシンがコースに入った直後から、ステアが時折操作を受け付けなくなるという、先の1Rより深刻な異常が起こっていることに気付かされます。原因はサーボ? 受信機? よくわかりません。プロポの電源を OFF‐ON してみるも改善せず。的確な対処も行えないままスタートし、そして当然の結果として、幾つかのコーナーを経たところで症状再発… このままコース上でもがくのは他車の迷惑になる為、リタイヤを宣言しました。

 これ以降、私のメンタルは少しの余裕も無い極限状態に陥りました。残り2Rが落とせなくなった上、マシンに起こった問題が何なのか、よく分かっていないのです。症状から考えられる被疑箇所はサーボか受信機になりますので、その両方をストックしておいた同型スペアに載せ替え。他にも出来ることがあれば何でもやっておきたいのですが、これ以上の処置は思いつきませんでした。3R開始前のインターバルで操縦台に上がり、交換したサーボのニュートラル出し。審判員を務める広坂さんからは「トラブルですか?」「直りそうですか?」等とお声掛けを戴きましたが、引きつった笑顔でモヤッとした返答をするのが精一杯でした…。この場の確認では直っているように見えましたので、後は余計なことを考えず次、背水のラウンドに集中するだけ。

 果たして3Rは、この日初めての完走を果たすことが出来ました。タイムは13周の6秒、ラウンド順位も取得ポイントから逆算して63位(108台中)と褒められたものではありませんが、これで4Rも頑張れる状態にはなりました。良かった… とは言え、緊迫モードはこの段階ではまだこれっぽっちも解消されません。

 最終、4Rは方針が難しくなります。ある程度はまともな時計を出さないといけませんが、縮こまってしまえばそれなりの結果しか出ないわけですから、ここは目標を14周突入に据え、不退転の意思で攻めることにしました。結果は… 目論見通り、14周の19秒でゴール。ラウンド順位52位という、これまでの状況からすれば十分と言える位置に滑り込むことに成功しました。この4Rが終わった直後、電光掲示板(ラップボード)を見て、私はようやく張り詰めていた糸を緩めることが出来たわけです。後半の2本は本当、初めて出た時の全日本並の緊張でした。

 結果、予選の総合順位は3R、4Rのポイントがピックされての68位(108台中)となりました。今回は信頼性の高いVIPER製品のサポートを受けていたにもかかわらず、他ブロックのトラブルでここまで追い込まれる展開になってしまったことが悔やまれます。各ラウンドはそれ自体が練習を兼ねる要素を持っており、そういう意味では序盤2本の走行機会を失ったのが大きな痛手でした。思えばこの日の凶運は、朝の練習走行1番手を引き寄せた時から始まっていたような気がしますね。救いがあるとすれば、この流れでも3R、4Rの走りを崩壊させずに纏められた点。自分としてはドライバーとしての成長と思いたい部分です…が、やはりもう少し順調な戦いであれば、と妄想せずにはいられない、そんな1日でした。

 残るは翌日の決勝。予選では周りの動向を楽しむ余裕が皆無でしたので、ここはGメイン、61位~70位集団のファイナルを存分に満喫するつもりでした。8番手スタートの私は、リラックスし過ぎたせいかフライングを犯すミス。ルール上はこの場合、指示を受ける前の自発的なペナルティストップが認められますので、私は早々にストップエリアへ入り、審判員のGOサインを待って再発進しました。当然、この時点では最下位に後退してしまうわけですが、Gメイン決勝ともなると序盤の混乱は必須ですから、まだまだ大丈夫だとは思っていましたね。中盤ではバッドドライブでタミヤチーム選手のマシンを転倒させてしまい、そこでまたセルフペナルティを課していたりもしましたが、終盤には東京勤務だった昔、よく一緒に遊んで頂いた大村選手(トップ写真左のマシン)と一騎打ちが出来るところまで上り詰め、最後はそれも制しての2位ゴールとなりました。2013年の全日本選手権、4WDカテゴリの最終順位は62位という結果でした。



 これで全日本レポートは終了です。今回の四駆編は、予選の苦悩をリアルに伝えるべく、頑張って詳細まで記してみたのですが如何だったでしょうか。途中、思い出すのがイヤになるぐらいの辛い経験でしたが、尻上がりの展開で終わってくれて本当に良かったです。


 さてここからはオマケ。今回の全日本選手権では、私と同じく、サポートドライバーとして活躍する 藺牟田 浩成 (いむた ひろまさ)選手と接触することが出来ました。2名4台と少し寂しいですが、Team VIPER JAPAN マシン集合写真を撮影。
 現場ではVIPER製品に関する情報交換等、色々な話をさせて頂きました。関西のサーキットにも興味は持って頂けているようでしたので、またもう一度、チームメンバー集合の機会があれば良いなぁと思っています。

 そして、今回はTRF(タミヤ)関係者の方々にもお世話になりました。
 VIPERの看板を背負う私にもTシャツを分けて下さる等、何かとお声掛けを頂き嬉しかったです。四駆の予選1R、サスアーム破損でシャフトまで曲がってしまった時は、ピットに泣きついて交換品を譲って頂きました。あの時は本当、助かりましたね。




    


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