4月のゴールデンウィーク前のIPO新規承認が来ています。4月は結局何銘柄になるでしょうか?ゴールデンウィーク前のIPOはそれなりに好結果になることが多いですね。
電力の最適利用系の事業はようやく実ってきて上場する会社が増えていますね。電気は貯めることが出来ない(蓄電池はあるけど需給をうまく使うのが効率的)ので、どうやって発電したものを無駄なく使うかはビジネスチャンスがあります。
想定価格は4,570円。主幹事は大和証券です。
吸収金額が想定価格ベースで96億円で、東証スタンダード上場のやや規模の大きいIPOです。
想定価格が4,000円台は値ガサですね。最近のトレンドは低位株で買いやすいですので値がさ株がどうなるかは気になります。一昔前は逆に値ガサがチャンスだったので、良く見極めていきたいところです。
事業内容は「DGP(デジタルグリッドプラットフォーム)」で社名にもなってますね。様々な電力供給と需要を網の目のようにカスタマイズできる仕組みにすることで、無駄なく電力を利用するという試みですね。
目論見書の見出し項目にDGP概要として図でイメージしやすくなっています。面白いのが、小売電気事業者のライセンスが必要ないということは、小規模・中規模でも一定規模の事業所はこういったところで最適取引が出来るということでしょうか?電力小売サービスが逆に苦しくなってきそうです。
デジタルグリッドの優位性です。東京大学と共同開発でAIモデルを活用、最適管理・全自動化で競争力があります。こういう計算はアルゴリズムは頭脳の高い人が、計算はAIを活用すればかなり最適化が図れそうで、エネルギーを無駄なく利用できることからビジネスとしては伸びてくれたほうが世の中のためにもなりそうで期待したいです。
私も大学研究は電力系だったのですが、AIなんてこれっぽっちもなかった時代に電力最適利用の研究をしていました。とにかくエネルギーで特に電力は「貯められない」から無駄が出やすいというのが難点で、AIによる最適利用は今後の主流になりそうです。
目論見書の見出しの競争優位性と成長戦略は、詳しく分かりやすく載っているので是非読んでおきたいところですが、ふむふむという感じの内容ですので、ここでは抜粋は省略します。個人的には利用者が増えれば、より最適化モデルが賢くなるビジネスだと思うので、上場して大きくなっていくのは良いイメージを持っています。
業績です。グラフを一見しても分かるように高成長の右肩上がりですね。セクターが電気・ガス業となっているので電力卸系として見られて同業種比較される可能性がありますが、それよりはプラットフォーム系なのでテクノロジーサービスに近いかも知れません。また、値ガサなので高いと感じられるかも知れませんが、普通に成長を考えると想定価格でここまで評価が出来ると考えられそうです。個人的には割安感すら感じます。
初値視点で総合すると吸収規模やや大きめ、売出も多く売り出し元はファンドでイグジット感もあります。それでも値ガサながら割高感はなく、ミドルリスク・ミドルリターン系のIPOと感じます。4月下旬の上場なら満足行く結果になりそうというのが第一印象です。
初値予想もお願い致します。