「特殊詐欺」に騙されるな! 絶えない中高年の被害者たち。 | 日刊 鼠小僧

「特殊詐欺」に騙されるな! 絶えない中高年の被害者たち。

 警察庁のまとめによると、昨年1年間(11月末現在)だけで「おれおれ詐欺」や、ウソ話で、儲け話を持ちかける「金融商品取引名目」の被害総額が425億円!その被害者の大半が中高年の人たちである。

 ここではまだ捜査の手は伸びていないが、トラブルが増幅中というこの種の話を2題。

 福岡県福岡市に住むS子さん(67)は実質的には損はしていないものの、「『被害者の会』を結成してでも、被害に会った人たちのために被害金を取り戻してあげたい」と憤るダマされた話とはこうである。

 知人の紹介で、滋賀県草津市にある「A社」の会員になったことが被害のスタートになった。「A社」が制作している「お守りカード・ストラップ1セット(10個)」を、2万5000円で購入し参加した。「1ポジション30万円で打ち切り、配当がある週は1口2500円が入ってくる仕組みで紹介料はなく、配当目当てに自分で自分を紹介する人が多くなり被害額が増えていったのです」(Sさん)

 A社発行のパンフを見ると、霊能者の協力でデザインした「お守りカード」とは、このカードを購入すると、宇宙の最高パワーを受けられ、あらゆる良い方向に向けてくれるというスグレモノ。

 このあたりからもう話はウソ臭い。さらに、知人や友人を勧誘してカードを買わせ、購入者が増えるに連れてA社から10万、20万円と現金がバックされる。これは100万円コースの人に限られ極めて少ない。さらに「ウイクリーボーナス」なるものが自動的に加算されてくるというシステムだ。

 俗に言う「ねずみ講」(無限連鎖講)である。

 会員を増やし続けない限り、“親ネズミ”には現金が入ってこない。Mさんがダマされたと気が付いたときは、みんな(約100名)で総額5千万円程つぎ込んだ後だった。


 A社に解約届と商品の返品をしたが「整理中」とのことで、1年待ったが未だ1銭も返金されていない。しかもA社の怪しげなカード販売事業は、「B社」(京都府京都市)に変更していたのである。被害者数が増えており、今後、社会問題に発展しそうである。

2つ目の「特殊詐欺」は、本社を香港におくファンド会社「C社」(社長は日本人)が舞台である。北海道苫小牧に住むI子さん(75)さんは、知人から、「投資したら、絶対に毎月、配当3割」を出すという話に乗り、総額、700万円出費した。


月々、3割配当のファンド会社などあるわけがない。しかも、出費後、窓口になっていた「C社」(東京・西新橋)は、昨年2月に閉鎖してしまった。

 I子さんはショックを受けて脳梗塞を起こし、現在、療養中である。




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