太田述正コラム#14847(2025.3.28)
<皆さんとディスカッション(続x6209)/映画評論294:ドリーム・シナリオ>

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 <日本は脳死しちまったからムリ。
 それに、そもそも、民主主義国と権威主義国を対置させる発想そのものが間違いだ。↓>
 「・・・欧州とアジアの民主主義国が権威主義国への唯一の防波堤であり、政治的自由を守る責任は過去それを破壊した独・日が負っている。・・・イアン・ブルマ・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/223c931fde4e23c6f16635b3d71ce517311c0f7f
 <日本は米国の属国なんだからムリ。↓>
 Japan, a car-making giant, mulls ‘appropriate’ response to Trump tariffs–A strong U.S. security ally with a large trade surplus, Japan has few options for retaliating against the tariffs. Instead, it is bracing for an economic hit.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2025/03/27/japan-auto-industry-trump-tariffs/

ウクライナ問題/ガザ戦争。↓

 <変わりないようでなにより。↓>
 「「完全に破壊した」ウクライナ軍参謀本部、戦闘機でクルスク州のロシア軍基地を攻撃・・・「クルスク州でウクライナの部隊は包囲された」というトランプ大統領の発言<も>「誤り」・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb560c15baf9ba54c73f0ef445572bf44ddba580
 「不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりに<その右隣の>ベルゴロドに侵攻・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E4%B8%8D%E5%B1%88%E3%81%AE%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A-%E5%A4%B1%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%81%AE%E4%BB%A3%E3%82%8F%E3%82%8A%E3%81%AB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%AD%E3%83%89%E3%81%AB%E4%BE%B5%E6%94%BB-%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%AF%E5%90%A6%E5%AE%9A/ar-AA1BK4W3?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=1c6d5d83967d46b7be59f1ea5d966205&ei=10#

 妄想瘋癲老人米国。↓

 <米国が混乱と無能の国だってことにようやく気付いた欧州。↓>
 「「第2次トランプ政権の大規模な混乱と無能ぶりが露呈した」…米情報漏えい、欧州で批判と懸念・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/376468e504bbe62b305e14e2bdc9947e2943d7aa

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 了解。↓

 「・・・アーベル賞はフィールズ賞と並び称される最も権威のある数学賞だ。2003年に始まった新しい賞だが、受賞者の年齢制限はなく、原則毎年授与され、ノーベル賞級の高額賞金(日本円で約1億円)であることから、より「数学のノーベル賞」の呼称が適していると考える者も多い。 一方、フィールズ賞は1936年に始まり、4年に1度開催される国際数学者会議で40歳以下の優れた業績を挙げた若手数学者に贈与される。賞金も約200万円と、ノーベル賞やアーベル賞と比べると少額だ。これまでに小平邦彦氏(1954年)、広中平祐氏(70年)、森重文氏(90年)の3人の日本人受賞者がいる。フィールズ賞はノーベル賞とはかなり性質が異なる賞であるが、伝統的に「若き天才による顕著な業績」が目立つ数学界では、最も権威のある賞として認識されてきた。 人生100年時代となった現在、数学の世界でも今後は長い間活躍してきたベテラン数学者の業績がますます評価されるようになるだろう。今回のアーベル賞の授賞式は、5月20日にノルウェーのオスロ大学で行われるという。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/6343d2a27af7555d23370545845f96891feae198

 神風が吹いてたまたま再選できたけど、斎藤君、ホント、自分守る能力すらない無能な男で、しかも、非人間主義者なんだよな。↓

 「「元県民局長の処分を撤回して謝罪しましょう!」幹部の説得もスルーした斎藤知事、自らにはおとがめなし…「知事はなにも変わっていない」「もう無理だ」と県職員・・・」
https://news.livedoor.com/article/detail/28430800/
 <無能度、非人間主義者度、においてこそ、斎藤君ほどひどくはない片山元副知事だが、今更斎藤君を擁護するってんだから、やっぱ、無能は無能なんだわねえ。↓>
 「第三者委の報告書に対して片山元副知事がコメント 元県民局長の告発「不正目的ではない」に疑問・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/47192a2b5ef96ca4f817caebef49bcf965a8585b

 ・・・。↓

 People Love Studio Ghibli. But Should They Be Able to Recreate It?–An update to ChatGPT made it easy to simulate Hayao Miyazaki’s style of animation, which has flooded social media with memes.・・・
https://www.nytimes.com/2025/03/27/style/ai-chatgpt-studio-ghibli.html

 なーんにも不思議じゃあないで。
 歴代天皇は、天皇制の永続を最重視したんであって、だからこそ、スペイン/ポルトガル勢力と組んで秀吉の唐入りを失敗させたんだし、だからこそ、昭和天皇は軍隊を廃止し属国化戦略を推進したんだよ。
 そのおかげで、天皇制は日本という国ができてから現在まで存続でけたのさ。↓

 「まさか…「昭和天皇」が「敗戦直前」に心配したのは「三種の神器」だった!・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/8d4c1418247e50814fd0fc610bf20b059ab3d6ae

 んなこと言ったって、牟田口だって、杉山元らの指示でインパール作戦を発動させられただけなんだから、立場はおんなじだよ。
 しかも、「インドのアッサム州まで行け」たんだからねえ。
 そして、作戦目的も達成したんだからねえ。↓

 「・・・第十五軍<は>作戦前の4月20日頃、牟田口中将が烈、弓、祭の三兵団長を集めての会同を開い・・・た・・・。各兵団長はそれぞれの幕僚を伴っていました。牟田口司令官が・・・作戦を示し、各兵団長に進攻作戦準備を指示しました。
 会同のあと、三兵団長は雑談する中で、各々の感想を述べあいます。佐藤中将は「あんな構想でインドのアッサム州まで行けると思っているのは笑止の沙汰」と不満たらたらです。弓兵団長の柳田元三中将も、「全然可能性のない作戦だ」と一笑に付し、他の幕僚の中にも「この作戦は無理です」と具申する佐官もいたようです。
 つまりこの会同は、作戦会議にもなっておらず、軍司令官の通達のみで終わっているのです。前提とされる糧秣や弾薬、資材の補給は、全くもって討議されなかったのです。・・・
 こんな会議で決定された作戦が、行き当たりばったりになるのは当然です。その結果、三兵団の総数10万人のうち、戦死あるいは戦傷病死が四万、ようやくチンドウィン河を渡れたのは6万とされています。その6万人のうち2万人は傷病患者であり、残る4万人も大ていはマラリアか赤痢に冒されていたと思われます。・・・」
https://gendai.media/articles/-/149716?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related

 何言いたいのか分からんぞ。
 乃木が有能な指揮官じゃあなかったとしても、旅順攻略での露軍捕虜数を勘案すりゃ、日露の損害は大差ないし、日露戦争に日本は勝利したんだからね。↓

 「・・・6万人近い損害を出して、1905年1月1日、ようやく旅順のロシア軍が降伏します。 第三軍の軍司令官乃木希典大将の指揮下にはいったのは、関東の第一師団、北海道の第七師団、北陸の第九師団、そして四国の第十一師団です。正馬の弟徳弥がいたのは第十一師団でした。投入されたのは16万人の兵力で、うち6万人の死傷者を出したのですから、これは兵力を無駄使いした戦闘と言えます。そこには司令官としての乃木大将の無策ぶりが反映されていると<言えそう>・・・です。 しかし実際は、優柔不断な軍参謀長に閉口しながらも、第一回総攻撃の失敗に学んで、第二回総攻撃では別の攻撃法を採用、これも失敗すると、第三回の総攻撃の最終段階で、適切な突撃地点に戦力を集中させ、土壇場で戦いを勝利に導いたようです。 つまり乃木司令官は失敗のたびに学び、戦術を柔軟に変え、その間、師団長をうまく統率し、前線の兵士たちの中に足を運び、士気を高めたという点で、名将だったようです。しかし乃木将軍自身は、旅順陥落直後に、親友の寺内正毅(まさたけ)陸相に手紙を出し、この戦いは「無智無策の腕力戦」だったと反省しています。これが本音でしょう。 第三軍を編制する時点で充分な作戦会議が行われていれば、戦闘を仕掛ける上での問題の多くが、作戦開始時に明らかになっていたはずです。例えば、ロシア軍の兵力、永久堡塁の構造、それを取り巻く堡塁の位置を含めた周辺の地理、必要となる大砲の種類、砲弾の数、戦闘地まで砲弾や資材を運ぶための補給路の確保など、論点はいくらでもあったでしょう。戦闘開始後も、有益な作戦会議があれば、幾多の修正点が明らかになっていたはずです。事前の問題点の洗い出しがなかったため、司令官は薄闇の中を歩くようにして、作戦を進めざるを得なかったのでしょう。乃木将軍の「無智無策の腕力戦」はまさしくそれを要約した言葉と言えます。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/2eb1ce66d6b85c1d72d84927f1c5ed6d11d7855e

 日・文カルト問題。↓

 <自分にも責任があるくせに驚くとはこれいかに。↓>
 「対馬の神社でタバコを吸って石を投げた韓国人…徐坰徳教授も驚き・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/331848
 <そんなキャラ知らんがな。↓>
 「韓国発キャラ「ベイビーシャーク」誕生10年記念 日本でイベント開催・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250327001000882?section=entertainment-sports/index

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <邦語媒体より。
 「・・・3月下旬、熊本県上天草市の離島にある湯島小学校で小さな卒業式が行われた。卒業生はたったひとり。6年生の男子児童の近くには3人の在校生と保護者、そして教師たちがいた。男子児童が校長先生から卒業証書を受け取ると、大きな拍手が湧き起こった。この6年生が進学する中学は在校生がいないため休校中だったが、この児童のために再開されるという。
 こうした日本のニュース映像が中国のSNSで流れると、「たったひとりの卒業生のために正式な卒業式を行ってくれるなんて……感激だ」「私たちはこんな日本社会が心底うらやましい」「人に優しいのが日本……」「教育の原点」などのコメントが多数投稿された。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/1e65137451b359213b7fb7c5f7346f524385df8e
 <ここからは、レコードチャイナより。
 総体継受、継続中。↓>
 「「日本人は冷たくない」との・・・中国のSNS・小紅書・・・投稿動画が中国ネットで反響=「本当に感動した」「正直言うと…」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b950725-s25-c30-d0052.html
 <日中交流人士モノ。↓>
 「<卓球>張本智和のトヨタ入社に中国でも注目、以前の発言も話題に・・・中国SNSの微博(ウェイボー)・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b950666-s25-c50-d0190.html
 <台湾はさておき、まともな国じゃあ、日本がイチバンってこと。↓>
 「・・・Numbeoによる・・・2025年の「安全な国ランキング」、・・・1位は欧州の小国・アンドラ。観光業を主な産業としており、経済力が高く、犯罪率が低いため、全体的な安全水準が高いと評価された。2位はアラブ首長国連邦(UAE)、3位はカタールと中東の国が続いた。4位は台湾で、民視新聞網の記事は「暴力犯罪と窃盗の発生率が比較的低いことが評価された」と伝えている。
 5~10位はオマーン、マン島、香港、アルメニア、シンガポール、日本。
 そのほかの主要な国では、15位が中国、17位が韓国、46位がスペイン、50位がタイ、51位がロシア、52位がドイツ、66位がインド、79位がイタリア、82位がオーストラリア、87位が英国、89位が米国、105位が北朝鮮、110位がフランス、132位がブラジルなどとなっている。
 ワースト3はハイチ(145位)、パプアニューギニア(146位)、ベネズエラ(147位)。・・・台湾メディアの民視新聞網・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b950729-s25-c30-d0052.html
 <アハハ。↓>
 「「ウルトラマン」に似た漢代の陶俑がネットで人気―中国・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b950748-s12-c30-d0189.html

<太田>

 –農業安全保障論や米特別視論のナンセンス–

 肥料の原料の天然ガス、りん鉱石、カリ鉱石、のいずれも、日本の自給率はゼロに等しい。
https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_hiryo/attach/pdf/HiryouMegujiR5-5.pdf

 農業機械を動かす石油についても同様だ。(典拠省略)
 だから、石油同様、天然ガス、りん鉱石、カリ鉱石、についても備蓄しなければ、日本に農業安全保障政策があるとは到底言えないにもかかわらず、かかる備蓄はゼロだ。
 (例えば、天然ガスに関しては、そもそも貯蔵が難しいこともあるが、下掲参照。↓
https://www.energy-planner.jp/contents/know/now/now01-007.html )
 つまり、農業自給率確保論は成り立たないし、そもそも、日本は客観的に見れば農業自給対策などとっていない、ということになる。
 また、いずれにせよ、米を特別扱いする日本の農業政策は米が主食でもなんでもなくなった現在、全く意味をなさない。
 このところ、米の小麦に対する相対的価格高騰が問題になっているが、むしろ、米についての特別扱いを一切止めれば、輸入米が増えることで問題は直ちに解消する。↓

 「ベトナムの食品流通大手タンロングループは、ベトナム産ジャポニカ米を日本の大手スーパーチェーン複数社のプライベートブランド(PB)として販売する最終調整に入った。早ければ3月末にも都市部の店舗で販売が始まるとみられる。2025年は前年6倍超の年間2万トン出荷を目標に、3月に収穫が始まった春作からは合計1万5,000トン超を輸出する。タンロンには日本全国のスーパーから「日本水準のコメが欲しい」との問い合わせが続いており、他国向けの在庫を振り向けて供給を拡大することも検討している。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c51bb0d24519ce16c029b8ddeaccbc7de122c092

 私の場合で言えば、カレーとうな丼を食べる時以外には米を必要としておらず、そんな場合にはレトルト米を用いていて、米を炊かなくなって、すなわち、電気炊飯器を使わなくなって、久しい。

 (私が、後、米を食するのは、正月に餅を複数回食べる場合、と、半額になっている場合に限って買う場合がある寿司類ややはり半額になっている場合に限ってたまーに買う場合があるぼたもち/団子、を食べる場合、だけだ。)

      –映画評論294:ドリーム・シナリオ–

 今回の『ドリーム・シナリオ』(Dream Scenario)は、2023年の米映画で、脚本・監督はクリストファー・ボルグリで、「ニコラス・ケイジが主演を務め、平凡な大学教授がなぜか大勢の人々の夢に現れたことから思わぬ事態に陥っていく姿を描いたスリラー映画」
https://eiga.com/movie/101015/
だが、SFにも御伽噺にもなりそこねた失敗作だった。
 ボルグリ(Kristoffer Borgli。1985年~)は、ノルウェー人だというだけで、生い立ち等が全く不明である
https://en.wikipedia.org/wiki/Kristoffer_Borgli
https://fr.wikipedia.org/wiki/Kristoffer_Borgli
上に、彼自身が、この映画について、’The writer-director found inspiration in Hideaki Anno and Shinji Higuchi’s 2016 political thriller “Shin Godzilla,” which looks beyond the legendary monster tearing Tokyo apart to how “the government and bureaucracy fail to respond to it in all of the very banal and satirical ways that the government would fail.” Borgli felt like the movie’s story was straight out of an H.P. Lovecraft novel; but he was most fascinated by the “very real response pattern” it showcased—“how advertising will try to get a bite out of it, or how some sort of fancy tech company will try to commodify it,” he explains. “Anything that’s special about it gets hollowed out by capitalism, which I found was a funny way to look at a kind of surreal movie premise.”’
https://www.backstage.com/magazine/article/dream-scenario-director-interview-kristoffer-borgli-76637/
と語ってくれていても、何せ、私、『シン・ゴジラ』を見てないので、余りピンと来ず、上述程度の感想しか言えることはない。

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太田述正コラム#14848(2025.3.28)
<遠藤誉『毛沢東–日本軍と共謀した男』を読む(その22)>

→非公開