初めてのホストクラブ(3) | 夜光虫の弁明

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…ホスト界隈、地獄極楽、また地獄…

あの清原が、覚醒剤使用の容疑者として、警察に拘留されてしまった。

巨人軍の選手時代に、新婚早々の奥さんや友人と、当時、私が籍を置いていた歌舞伎町のホストクラブへ飲みに来たことが、昨日のことのように思い返される。

清原選手の姿を発見したホスト達が、こぞって色紙にサインを求めてきたのを、嫌なそぶりなど全く見せずに、二十枚近くも、気さくに書いていた姿からは想像できない、まるでヤクザを思わせる異様な雰囲気を醸し出している逮捕時の映像には、心底から胸が痛んでならない。






二十歳を過ぎて間もない私がウェイターとして籍を置くことになった、この赤坂の店は、実際にホストとして勤めることになる深夜ホストと異なり、夕方の6時から深夜11時迄の営業で、当時の流行り言葉で、有閑マダムと呼ばれる客層に占められ、土日を除くと、風俗やホステスなどは殆んど来店しなかった。


後に、青春物のTVドラマで主演を張り、一時代を築いた俳優が、ヘルプホストとして、指名者に気配りをする姿なども垣間見られた。


その店でのウェイターの仕事は、5時に出勤して直ぐスタンバイに入り、6時にはユニフォームへ着替えて、自分が受け持つテーブルの周辺に待機をするところから始まる。


お客の殆どは一人で来店することが多く、黒服に案内された席に座る。黒服がテーブルを離れる姿を確認した担当のウェーターは、よりスピーディーにおしぼりを差し出すと、こんどは数十本の花が活けられた水差しが載っているワゴンをユックリと運び、お客に選んでもらった花を、1輪挿しの花瓶に挿してテーブルに置いたところで一区切りとなる。


簡単そうに見えるが、なぜかこの店の決まりとして、ウェイターがお客様にサービスをする時には、必ず、片膝を床に着けて行わなければならず、その動作に慣れるまでは、実にしんどかった記憶がある。


常連のお客は、入店時に黒服へ指名者を伝え、逆に本番のお客は、黒服がテーブルの上に置いた在籍ホストの写真集の中から、誰か1名を選択して伝える。この写真の中には、なんとか本番客の目に留まるようにと、撮影費に数万円を掛けたものもあったそうだ。






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