鹿児島といえば桜島…ということで、フェリーでもって上陸を果たしたわけですが、最初に立ち寄った烏島展望所が比較的海に近い場所であったのに対して、次は山の中腹へ。湯之平展望所と言われるその場所は、桜島観光ポータルサイト『みんなの桜島』に曰く「標高373m、北岳の4合目に位置し、桜島において一般の人が入ることの出来る最高地点です」ということで。

 

 

山に近づいた分、山肌の荒々しいさまがよぉく見てとることができますですね。桜島は「北岳と南岳という大きな2つの火山が合わさってできた火山」ですけれど、ここから正面に望めるのは北岳であると。

 

 

谷筋が大きく深く刻まれているのが特徴でして、解説板に「山肌が長い年月をかけて雨に削り取られた跡」とありますように、風雨に曝された期間が長いということはそれだけ古い山、古い斜面ということになりますな。ですので、現在上がっている噴煙はもっぱら南岳の火口からで、正面の北岳には気配もありません。

 

ちなみにそばに建てられている展望施設には売店などもありまして、桜島の展望所と言えば指折りの場所が湯之平なのでしょうね。ここでは外国人旅行者も多く見かけましたし。で、その展望施設内にある展示解説を見ておくといたしましょう。

 

桜島は約26,000年前に誕生し、現在までに大規模な噴火を17回も繰り返しています。その中で最大の噴火は、今から約13,000年前の大噴火です。このときの噴火で鹿児島市内で1m以上の火山灰が積もりました。

先に烏島展望所で「大正噴火」による溶岩流が大量であったことを知ったわけですが、そのときの噴火はここでいう大噴火の最後の方ということになりますかね。その後、1946年(昭和21年)に「昭和噴火」と呼ばれる大噴火があったようです。

 

 

噴火によって桜島は大隅半島と地続きになったとは知っておりましたが、これは「大正噴火」のときだったのですなあ。ところで上の「噴火の歴史」解説パネルに、桜島の誕生より3,000年ほど前、今から約29,000年前に「姶良カルデラの超巨大噴火(鹿児島のシラス台地の形成)」という記載がありました。そも姶良カルデラなるものは『ブラタモリ』を通じて知り及ぶこととなったですが、錦江湾(鹿児島湾)の深奥部全体が巨大なカルデラであったとは俄かには信じがたい規模でありますねえ。

 

 

湯之平展望所から見晴るかす海がそっくり陥没したできたカルデラだというのですものねえ。差し当たり、噴煙を上げ続ける桜島はともかくも、見渡す限りでは実におだやかな海が広がっているようにしか見えないですな。とはいえ、つい先ごろにもインドネシアの火山が噴火したと伝えられたりもしているわけで、地球の活動は今でもヒトに計り知れないほどのパワーで続いているとなりましょうか…。

 

 

てな思い巡らしをしたところで、今度は桜島を時計周り(北~東~南~西)に一周することに。西へと向かった溶岩流が烏島を飲み込んだ一方で、南東側にも広く被害の及んだ大正噴火の名残が目の当たりにできるという場所があるようですので、それを目指して移動していくのでありました。