現在の軽自動車市場最激戦区である「背が高いスライドドア車」を一番最初に生み出した「タント」のお話です。
今回のタントは、「普通の背が高い軽自動車」に「SUVルック」の架装を施した車両になります。
立派なルーフレール付きです。
後席シートをスライドさせられるのが、この手の軽自動車の最大の武器なのですが・・・
SUVルックゆえなのか、だいぶ荷室面までの地上高が高いです。Hondaの軽自動車との最大の違いになると思います。
逆に「他の誰も真似ができない(普通乗用車でも結局・・・存在しなくなりました。この構造)タントだけの武器」は、このボディ構造。
助手席側にセンターピラーがないので、ものすごく大きく開口します。実際、布団の持ち運びでだいぶ便利に使わせてもらいました。今、流行りの「キャンプ」でもこの大きな開口部に簡易テントを張る感じで便利に活用できる機能なんじゃないかと思います。
細かい配慮がそこここにある車両で・・・
前席後方には、こんな感じに「小さな机」が装備されているだけでなく、荷物室も・・・・
フックが装着されています。別売品なのでしょうが、ネットを張れば、大きなドアを開けた時に荷物がこぼれ落ちないようになると思います。
それにテールゲート構造も・・・
左右両端にグリップが設けられている車両、普通車も含めて初めて体験しました。(車幅狭い車なのに)
まあ・・・なんていうか・・・少々暗めの内装もあって、どことなく「ビジネスカー」感が漂うような・・・(実際、立体駐車場に入れることを躊躇する以外は、かなり便利に使えるビジネスカーになると思います。)
足元も床がほぼフルフラット(この写真、わかりますか?向こう側(助手席側)まで、非常に段差が少ないことが)なので、背の高さも相まって、ものすごく乗り降りが楽です。
特徴あるボディ構造と引き換えに少々面倒なことになっているのが、助手席側のシートベルト肩部。
体のだいぶ低い位置にシートベルトを通すことになります。
まあ・・・大人の男性以外は、気にならな・・・い・・・かなあ・・・
ついに軽自動車にも「電動パーキングブレーキ」の時代です。女性はものすごく助かっているでしょうね。なにしろ「よっこいしょ」ってハンドブレーキ装置を引いたり、思いっきりペダルを踏みつける必要がなくなったんですから。
ここ数年の軽自動車は、「ビルみたいな縦長構造のインパネデザイン」の車両ばっかりだったのですが、この車両は、「足元に何もない」デザインにしてくれたおかげで、圧迫感がありません。
操作しやすいステアリングホイールを動かして走り始めると・・・
歴代タントは、その特殊なボディ構造ゆえなのか、旋回時に「頭の上の方に重い構造物がある。」感覚がついてまわりました。
代替わりするごとにだいぶその感覚も薄れてきて・・・このタントファンクロスも旋回がより楽になっています。
どうしても感じてしまうのは、「車幅が狭いが故の路面状況の伝わりやすさ」
軽自動車の宿命なんですけどね。ヤリスやフィットと比べるとどうしても「乗り心地が悪い」と思わされてしまいます。
車重も・・・できる限り軽量化を進めてきているのだと思いますが、やはりどうしても「信号待ちからの発信加速時にグイッとアクセルを踏まないといけない。」忙しさがあります。
この辺りは、ヤリスのような大きさの車両にハイブリッド機構が組み込まれるようになってきて、なおさら差がついたな。と・・・
それでもこの車両のデザインを普通乗用車サイズに拡大したトール/ルーミーよりはまだマシかな?
と思いながら、一日走らせていました。
トール/ルーミーで高速道路を走るととにかく「空気を運んでいる。」感がすごくて・・・
車重だけでなく、空気抵抗をすごく感じるデザインになります。普通乗用車サイズにこのスタイルを拡大すると。
「通勤のために軽自動車を使う。」選択肢をする方々がいっぱいいるが故に、今や新車登録台数の4割を超える軽自動車が出荷される状況が常態化しているのでしょうが・・・どうなのかなあ・・・と思いながら過ごしました。
だって、このタントファンクロスって、きっと「お高い軽自動車」ですよ。
ものすごく便利に作られていて。
ただ、燃費と長期維持費を考えた場合に本当に軽自動車が普通乗用車と比較してお得なのか・・・
「税金類が安いじゃないか」って言われるんでしょうけど、街を走っている軽自動車がみんな綺麗(新しい)なのがね。
なんか・・・あまり信じられないんですよ。「常に新しい軽自動車を買い続けなければいけない。」状況が何かあるのか・・・と。
「あれだけの装備をてんこ盛りして、この価格って・・・(お高い軽自動車なんだけど)何かと引き換え・・・なんでしょ?」と。
例えば、交差点での衝突時に必ず転倒しちゃうとかね。軽自動車。