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桃の節句に「子ども・子育て応援都市」を宣言

  • 文 保坂展人
  • 2015年3月10日
     

 桃の節句の3月3日、世田谷区は「子ども・子育て応援都市」を宣言しました。上町児童館に乳幼児の親子が50組ほど集まり、子どもたちと地域の大人たちが一緒に宣言を読み上げました。

 子どもは、ひとりの人間としてかけがえのない存在です。
 うれしいときには笑い、悲しいときには涙を流します。感情を素直にあらわすのは、子どもの成長のあかしです。子どもは、思いっきり遊び、失敗しながら学び、育ちます。子どもには、自分らしく、尊重されて育つ権利があります。

 子どもは、地域の宝です。
 大人は、子どもをしっかり見守り、励まし、支えます。地域は、子育て家庭が楽しく子育てできるように応援します。子どもは、成長に応じて社会に参加し、自分のできることと役割、みんなで支えあう大切さを学んでいきます。

 子どもは、未来の希望です。今をきらめく宝です。
 大人は、子どもにとっていちばんよいことを選び、のびのびと安心して育つ環境をつくります。

 世田谷区は、区民と力をあわせて、子どもと子育てにあたたかい地域社会を築きます。ここに、「子ども・子育て応援都市」を宣言します。

 この宣言を作成するにあたって、「子ども・子育て応援都市宣言 区民ワークショップ」を開催し、原案をもとに、50人に七つのグループに分かれて議論してもらいました。その中から「失敗してもいい」「子どもは失敗し、迷惑をかけながら育つ」という声がいくつも上がり、文案に追加しました。ほかにも、宣言の歌やダンスをつくったり、転入者に手渡したり、母子手帳に記載したりしてはどうかというアイデアも出ました。

 また、区民から意見を募集したところ、「宣言文の内容はいいが、どこにも世田谷の文字が入っていない。どこかに入れるべき」との指摘を受け、本文に「世田谷区は」と明記しました。

 世田谷区では、5歳以下の未就学児童の人口が6年続けて約千人増え、明確に「子ども増」のトレンドを描きつつあります。人口減少・少子化に悩む全国的な傾向が進む中、こうした特異な状況のもと、「子どもが歓迎され、大切にされるまち」をめざしたいという思いを込めての宣言です。

 現在、保育園も30園を開園するための準備を進めています。2015年度予算案では、子ども・子育てと教育費は700億円(26.3%)となっています。10年前から倍増しているのです。

 このところ議論になってきた「子どもの声は騒音か」というテーマがあります。「子どもの声がどこからも聞こえない生活」があたりまえという時期が長く続いただけに、保育園などが近隣にできることに対して、ところによっては反対の声があがる状況が生まれています。それだけに、宣言には、子どもたちを、子育てを、地域全体であたたかく見守り、支える社会をめざすという社会的合意を紡ぎだしたいという思いも込めています。

 子どもたちへ、子育て中の親たちへ、保育園・幼稚園・学校などで子どもに関わる方々へ、そしてすべての地域の大人たちへどのように伝えていくか、これから発信を始めていきたいと思います。

「桃の節句に『子ども・子育て応援都市宣言』」(「太陽のまちから」2015年3月10日)



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