河上忠晶高弟 ~「道体大意」(10)~ | 心イキイキまること通信

河上忠晶高弟 ~「道体大意」(10)~

 本日も「河上風」です。 河上忠晶高弟が著された「道体大意」が昭和18年の黒住教の機関誌「日新」に載っていましたので紹介します。 但し、原文そのままの転載ではなくて、私なりに河上高弟が述べられている本質はできるだけ変えないように心掛け、表現と言葉づかいを一部読みやすく変えています。 ご了承下さい。  

 

 (十)  平日には耕作に励み心を尽くして、衣食住に過度な出費はせず、公事訴訟の起こらないように、若い者には良縁を求め、早くお嫁さんを迎えられるように、そして子供や孫を安心して育てられる環境を整えて、倹約を守り、五節句、盆、正月、嫁とり、婿とり、幟、雛、その他、諸祝儀ごとは手軽になされませ。 

 

 また、神祭は随分賑々しく執り行うがよろしいでしょう。 人の心が和らぎ喜ぶことを第一と心して、喧嘩口論が無いようにして下さい。 但し賑やかでいることはよしとして、無駄にお金を使わないように。 そして、亡くなった人がいたなら葬式には念を入れ、懇ろに弔いをして、哀しみの誠を尽くしなさい。

 

 ご近所隣のことに対して世話をされる方は、飲食その他にお金の入りが増えないように心を向けなさい。 先祖がお世話になっているお寺などへは粗相がないように、お布施、供え物などは仕来りの通りにするべきです。

 

 さて、村の中でも年長の者は、他人の子供でも自分の子供のように思って、義(よ)い方に諭し導いて、善人が多く育つように、その村の風儀(習わし)を良く(原文では“美く(よく)”)なるように心掛けて下さい。

 

 善い人はそれぞれの家を繁昌させます。 ですから、善い人が多くなるということは、その村が繁昌していくことなのです。 村が繁昌するということは、即ち君(国)の御繁昌ですから、上の方々もお歓びなされるでしょう。 家が繁昌すれば、その親先祖もきっと草葉の陰から喜ばれます。  もし、そうしたように人の子供をも善い方に導いたなら、その功徳は最も大きいといえるもので、神も天もその功徳を決して無駄にはなされず、大いなる幸せ(福)をその人にもたらすことでしょう。  有り難いことです。

 

 これは、農家ばかりの事ではありません。 どなたの身の上にもおし通る大義なのです。

 

(つづく)

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