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1 フォロー講義
いよいよ、公法系のトップバッターである憲法が始まりました。
「ヨコ」の関係である私法系(民法・商法)では、利害関係人間の利害調整という
「視点」が重要になってきます。
これに対して、「タテ」の関係である公法系では、国家権力を制限して、国民の権
利・自由を保障するという「視点」が重要になってきます。
これから、しばらくは、公法系になりますので、まずは、「アタマ」の使い方を少
し変えてみてください!
憲法は、民法と異なり、近現代史の理解が、とても重要にな
ってくる科目です。
憲法というのは、そもそも、ロックなどの社会契約論の契約が文書化されたもので
すし、法の支配、権力分立、国民主権という基本原理も、すべて歴史的なものです。
この社会契約論については、平成20年度に一般知識で出題
されています。
「憲法学読本」にも、一般知識で出題される近現代史の流れがきちんと書かれて
いますので、受講生の皆さんは、是非、こういう部分もきちんと読んでほしいと
思います。
憲法を「基本」から理解する!
近現代史のフレームワークを「アタマ」に入れるためには、パワーポイント(第
4章人権総論①②)のフレームワークが役立ちます。
小さな政府(国家からの自由)消極国家
↓
大きな政府(国家による自由)積極国家
憲法、そして、行政法や一般知識を理解するためにも、まずは、こういう基本と
なるフレームワークを「アタマ」の中に入れてみてください!
森から木、木から枝、枝から葉へ
2 復習のポイント
① 近代立憲主義の歴史
まずは、憲法学読本p4、パワーポイント(第1章総論・憲法史③)で、ロック
の社会契約論を、もう一度、ざっくりと理解してみてください。
近代立憲主義を支える政治思想などについては、一般知識でも出題されているテ
ーマですので、一般知識とも関連させながら知識を整理してみてください。
ちなみに、令和2年は、フランス人権宣言が、一般知識で
出題されています。
憲法は、抽象的な概念が沢山登場しますから、憲法が得意な方は、おそらく、文
章理解も得意な方が多いのではないかと思います。
憲法と文章理解の「相関関係」
文章理解は、主に、社会科学系の文章から出題されていますので、憲法学読本を、
ロジックを追いながら読むことは、文章読解力の養成にもつながります。
最近は、
皆さんもご存じのように、憲法でも、文章理解型の問題が出ていますので、書か
れている文章の内容を短時間で理解する読解力が必要となっています。
次に、憲法学読本p5以下で、社会契約論から導かれる憲法の「特質」について、
憲法と法律の違いを意識しながら、もう一度理解してみてください。
憲法は、
この社会契約論とその時代背景(近代市民革命)という、その「基本」から理解
していくと、よく理解することができるのではないかと思います。
憲法を「基本」から理解する!
憲法学読本には、こういう「基本」が物語り風に書かれていますので、復習をす
るときに、是非、通しで読んでみてください。
最後に、憲法学読本p58以下、パワーポイント(第4章人権総論①②)で、「国
家からの自由」と「国家による自由」の相違点を、国家の役割の「視点」から理
解しておいてください。
近代と現代の比較
パワーポイント(第4章人権総論①②)は、憲法の他、行政法、一般知識でも登
場する、いわば、公法系の科目を学習する際の「森」に該当する部分です。
また、憲法学読本p63以下で、不作為請求権と作為請求権の違いについて、国家
機関の権限分配の視点から、よく理解しておいてください。
この点については、
令和5年の国務請求権の問題でダイレクトに出題されていますので、やはり、基
本をしっかりと理解しておくことが、得点に結びつきますね。
② 「憲法上の権利」の主体
まずは、外国人に「憲法上の権利」が認められるかについて、憲法学読本及び総
整理ノートの判例の項目をアタマに入れておいてください。
また、総整理ノートp12以下、パワーポイント(第4章人権総論⑦)で、最高裁
が、外国人に、地方参政権を保障しないロジックを理解しておいてください。
外国人の「憲法上の権利」については、
平成19年度、平成23年度、平成27年度に出題されています。
最近の本試験では、単に判例のサビの部分と結論だけでなく、判例の理由付けや
ロジックを問う問題が出題されるため、受験生の得点率もかなり低くなっていま
す。
したがって、外国人の憲法上の権利の主体性に関する判例についても、各判例の
理由付けやロジックをきちんと理解しておいてください。
総整理ノートは、
各判例の理由付けやロジックが理解しやすいように、少し長めに判旨を引いてい
ますので、判例の解説本である憲法学読本とリンクさせながら、判例のポイント
を理解してみてください。
総整理ノート+憲法学読本
次に、憲法学読本p69以下、パワーポイント(第4章人権総論⑧)で、法人の「憲
法上の権利」が問題となる類型と代表的な判例を整理しておいてください。
憲法というものの「本質」が掴めていれば、八幡製鉄事件が、法人の人権享有主体
性のリーディングケースとして不適切であることがわかると思います。
総整理ノートp14以下、パワーポイント(第4章人権総論⑩)で、法人の「憲法上
の権利」に関する各判例を、ヨコに比しながら、各判例の結論の違いを整理してお
いてください。
判例を、ヨコに比較しながら整理していくと、今までは気がつかなかった点につい
ても、新たな「気づき」を発見することができるのではないでしょうか。
判例と判例の比較の視点!
③ 私人間適用
まずは、憲法学読本p73、パワーポイント(第4章人権保障⑪」)で、私人間適用
の憲法における位置づけを、もう一度確認してみてください。
フレームワーク思考☆
私人間適用については、 試験委員(林先生)の指導教官でもある高橋先生が、新
無適用説を唱えていますので、ひとつの考え方として「アタマ」の中に入れてお
いてください。
令和5年の本試験でも、
〇〇という見解を取ると、××という結論なるかどうかという、学説・見解の帰結
型の問題が出ていますので、講義の中で触れていく、学説・見解については、その
帰結をよく理解しておいてください。
令和5年は、
この学説・見解型の選択肢が正解となっている問題が多かったため、憲法の出口調
査の得点率が、最近では、過去最低の約35%になっています。
ちなみに、例年は、憲法の得点率は60%前後ですから、憲法で5問中0問又は1問し
か得点できなかった方も多いのではないかと思います。
今年も、
昨年のような問題が出題されるのであれば、憲法の勉強法も、少し変えていく必要
があるかもしれませんね。
もちろん、過去問を〇×で何回も繰り返し解いても、ほんとんど得点できないので
はないかと思います。
私人間適用については、
本試験では、直近では、平成30年、平成27年、平成25年に出題されていますが、
なぜか百里基地事件の判例が頻出しています。
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