自宅に着くと美味しそうな夕食の匂いが食欲をそそりますナイフとフォーク




もちろん隣の家の・・・





ウチは!?と言いますと・・・ 夢子嬢、ソファーでくつろいでおりますガーン




テッ、テメー!! 先に帰宅しておきながら


夕飯の支度は愚か、米も研いでねぇじゃねぇ~か!?

( ゚Д゚)ゴルァむかっ



『あのさっ、先に帰宅した時は米を研ぐ約束・・・』

『あたし別にお腹へってないもん』


『あぁそうっすか...』



料理の出来ない夢子嬢徹底抗戦です。







だいたいこれがいつもの夕食前の風景。


今は共働きだから仕方ないとしても


10年後、20年後もこんなことが続きそうで


怖くなった俺はひとつの提案をした。






それは《ウチの母から料理を教わる》というもの。


と言うのは、彼女の家は超偏食一家で


カレーとハンバーグとナポリタンしか食べられない長男


魚が食べられない長女


生ものが食べられない次男


その恩恵を受けてきた末っ子 夢子嬢

まさに偏食オールスターズです。

お義母さん、さぞ大変だっただろうな...



そんな変わった4兄弟の末っ子は俺と付き合うまで


セロリはおろか、茄子も


『生まれて初めて食べた』


というツワモノ。




しかも不幸なことに彼女の母親は数年前に他界しており


《ママの味》を学ぶ機会を失ってしまったのです。





試しに一度彼女にナポリタンを作ってもらったことが


ありますが、これは・・・夢子君・・・スパゲティーに


ケチャップを和えただけでは・・・!? しかも具なし。


せめてベーコンくらい入れろよ。ケチャップの味しかしねぇ~し。




というわけで、俺の母親の了承ももらい、彼女の


料理修行は始まった。俺の実家は二人の住まいから


歩いて1分の距離にあるので便利だし


おまけに食費も浮かせられるという一石二鳥なわけだ。






俺の母親と夢子が並んで台所に立って料理をする姿は


仲の良い嫁姑というよりも実の親子のようで実に微笑ましかった。




そして この時ばかりは俺も


『早く夢子と結婚してーな』と思うのであった。



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