12.タフティメソッドを試す - 「意識のスクリーンを変えれば現実が変わる」 | ロジウラブックス営業雑感

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12.タフティメソッドを試す - 「意識のスクリーンを変えれば現実が変わる」

「あの老人、一体何者なんだ……」

俺は商店街のベンチに座りながら、さっきの出来事を反芻していた。

「人生を再編集しろ」
「自分の未来をハッキリと決めろ」
「意識のスクリーンに成功した自分を映し続けろ」

これまでの俺なら、そんな言葉を聞いても「スピリチュアルな戯言」と笑い飛ばしていたはずだ。

でも、タフティメソッドの本を読んで以来、俺の周りではシンクロニシティのような出来事が増えている。

昔の同僚と再会し、仕事を持ちかけられたり、望んでいたことが現実になったり。

 

「……もしかすると、本当に人生を変えられるのかもしれない」

俺はタフティの本を開き、該当のページを探した。

「世界はあなたのスクリーンである」
「過去や現在の状況に囚われず、望む未来を意識のスクリーンに映すことで、それは現実となる」
「自分の現実を選べ」

これが、タフティメソッドの基本的な考え方だった。

今の俺のスクリーンには何が映っている?

──無職の57歳。
──実家暮らし。
──両親の介護問題。
──彼女とも別れ、孤独。

これが「俺のスクリーン」に映っている映像だ。

この映像を映し続けている限り、俺の人生はずっとこのままなんだろう。

 

「……なら、映像を変えればいいのか?」

もしタフティメソッドが本当に機能するなら、俺は「成功した未来」をスクリーンに映す必要がある。

問題は、どんな未来を映すのか、だ。

俺は目を閉じ、ゆっくりと呼吸を整えた。

57歳、実家暮らし、無職──この現実は変えられる。

そう信じて、新しい映像を意識のスクリーンに映す。

成功した未来を描く

俺は目を閉じたまま、リアルに想像することにした。

──俺は、充実した仕事をしている。
──人に感謝され、楽しみながら働いている。
──自由な時間とお金がある。
──両親の健康も安定している。
──新しい人間関係が生まれ、支え合って生きている。

この未来を、ただ「願う」のではなく、「すでに叶っているかのように感じる」 ことが重要らしい。

俺は深く息を吸い、笑顔になってみる。

「俺は順調だ」「人生は思い通りになっている」

言葉に出すと、少しだけ気分が良くなった。

──これでいいのか?

そう思いながら、目を開けた。

当然のことだが、周囲の景色は何も変わっていなかった。

「……まぁ、こんなもんか」

すぐに効果が出るとは思っていないが、何か違う手応えを感じた。

 

タフティメソッドの本にはこうも書かれていた。

「現実が変わるのは、映像を変え続けた先にある」

「スクリーンの映像を固定すれば、それに応じた出来事がやってくる」

つまり、俺はこれを継続する必要があるのだろう。

最初の変化

俺はその日から、毎朝と夜に「成功した未来を映す」という作業を続けた。

最初は違和感しかなかった。

でも、「57歳、無職、実家暮らし」という現実をスクリーンに映し続けるよりはマシだった。

そして、数日後。

ちょっとした変化が起きた。

その日、俺は商店街の喫茶店でコーヒーを飲んでいた。

すると、偶然隣の席に座ったサラリーマン風の男が、こんな会話をしていた。

「……いや、マジで人手が足りないんだよ。店長が辞めるとか言い出してさ」

「それヤバくない?」

「ヤバいよ。来月には営業できなくなるかも」

「どんな店だっけ?」

「レストラン。カジュアルなとこだけど、料理人がいなくなると完全にアウト」

俺は、気づけばその会話に耳を傾けていた。

「……料理人?」

まさか、こんな形で俺の過去のスキルが関係してくるとは思っていなかった。

興味を引かれながらも、特に話しかけるわけでもなく、ただ黙って聞いていた。

 

すると、何の偶然か、俺の視線と男の視線がバチッと合った。

「……あれ?」

男の表情が変わる。

「もしかして、ユウスケさん?」

俺は驚いた。

「え……?」

「ほら、昔一緒に働いてた、ナオキです!」

……ナオキ?

あのナオキ?

昔の飲食業仲間のひとりで、俺より数歳年下の料理人だったナオキだ。

「久しぶりすぎて気づかなかった! ユウスケさん、今何してるんですか?」

「いや、まぁ、いろいろあって……」

「今、飲食の仕事してないんですか?」

「……まぁな」

「マジか、それならウチの店、手伝ってもらえません? ちょうど人手が足りなくて」

 

俺は驚いた。

数日前、俺が「意識のスクリーン」に映した未来は、「仕事をして、楽しみながら生きている自分」 だった。

そして、今こうして仕事の話が舞い込んできた。

偶然? いや、ここ最近の流れを見る限り、これはただの偶然じゃない。

 

「……話、聞かせてくれるか?」

俺は、久しぶりに未来に対する期待を感じていた。

意識のスクリーンを変えれば、現実が変わる。

──本当に、そんなことが起こるのかもしれない。

 

タフティ・ザ・プリーステス 世界が変わる現実創造のメソッド