『畑で使えば栄養豊富な肥料が出来上がる』
『生ゴミ』と聞くと良いイメージがないですね。
食べ残しや、廃棄品のようなネガティブなイメージがあります。
今回は、野菜クズやお肉、魚の骨、お茶のガラなど調理した後にでた生ゴミの再利用について考えていきます。
最近の食材の高騰を考えれば、ただ食べるから先を考えたい。
有機質の肥料を自分で作りたい方、エコな生き方をしたい方向けの内容です。
- 畑に還元すると栄養帰化が高い食べ物
- 活用の仕方
リユースすべき食べ物のおすすめ
食材の値上げが止まりませんね。
「節約」するのが一番ですが、節約できるものと、できないものがでてきますよね。
特に食べるという行為は節約がなかなか難しいところにはなります。

経費がかかるのは仕方ない。
ただ、これをもっと使い道ないかな…。
っていうのが、今回の内容です。
調理の際には、流しに置いた三角コーナーにポイポイ捨ててくのが一般的ですよね。



ちょっと待って‼
ほぼ全部使えます‼
なんですが…。
三角コーナーにポイする中で特に野菜作りにメリットのあるものを見ていきましょう。



三角コーナーの生ゴミは堆肥になります。


これっ、我が家の三角コーナーの中身です。
卵の殻からみかんの皮、野菜の切れ端など。
ゴミの収集日に回収してもらう時もあれば、畑やキエーロ、コンポストを使って肥料にしていくように再利用していきます。
- 野菜クズ → 漬物にして畑で再利用
- 茶ガラ → キエーロやコンポストにて再利用、卵焼きなどに入れても良い
- 魚の骨 → キエーロやコンポストにて再利用、魚かすという肥料もあるように肥料成分◎
- みかんの皮→ キエーロやコンポストにて再利用
すべての食べ物が使えるわけではありませんが…。
使えない食べ物については、生ゴミキエーロで堆肥を作る方法を紹介する際に詳しくお伝えしていきます。



個人的にこれが三角コーナーにあると、気分がぶち上げの生ゴミを紹介していきます。
では、野菜作りに役立つ生ゴミを見ていきましょう。
すでに聞いたことがある方も多いかもしれませんね。
コーヒーかすは豆からひいたもので、タマゴの殻や貝殻は食べずに捨てざるをえないものになります。
ひとつづつ詳しくみていきましょう。
コーヒーかすの魅力
肥料の種類 | 配合比(%) | 効き方 | ||
---|---|---|---|---|
チッソ(N) | リン(P) | カリ(K) | ||
コーヒーかす | 2.0 | 0.2 | 0.3 | 緩効性 |


注意点



コーヒーかすを使うに際して必ずしてほしいことです。
発酵させてから使う


そのままコーヒーかすを入れた状態で使うデメリットは以下の通りです。
- カビが生える
- 植物が肥料として吸収できず、逆にチッソ飢餓になる可能性がある
- 植物の生長を阻害する
コーヒーかすを乾燥させずにそのまま撒いた場合、水分量が多くカビが発生しやすい。
含まれる肥料成分は、溶けづらく、微生物に分解されづらい構造となっています。
そのまま使っても植物が肥料として吸収できず、逆に土中で発酵を起こし、土中内のチッソを消費し、チッソ飢餓になる可能性があります。
さらに、コーヒーかすには、カフェイン、タンニン、クロロゲン酸が少量ではありますが含まれており、植物の生長を阻害、発酵過程で高温になり根を痛めてしまう。
これらの問題は、発酵させ堆肥化させることで、解決することができます。
クロロゲン酸などは熱に弱く、乾燥させることで、カフェイン、タンニン含め分解することができ、植物が肥料成分を吸収しやすくなります。



注意点がわかったところで使い道を見てみましょう‼
使い方
使い方① 有機肥料にする




コーヒーかすはもともと、有機物であるコーヒーの木から収穫されたマメ。
チッソ成分を含んだ有機物をそのまま廃棄はもったいない。
油かすや米ぬかなどの有機物と併せて混ぜ合わせる「ぼかし肥料」の一部として使用していく。
生ゴミとコーヒーかすを土に埋め込み、肥料をつくっていきます。



手間はかかりますが自分の好みの肥料成分で作れるため「ぼかし肥」がおすすめです。


使い方② 防虫、虫よけ



逆に嫌う虫は?
- ヨトウムシ
- ナメクジ
- ネキリムシ
これらの虫はコーヒーの臭いやカフェインを嫌い近づかなくなります。
害虫名 | 食害 | 発生時期 | 防止方法 |
ヨトウムシ | 葉、茎、実、花 | 春~秋 | 土にすき込む |
ナメクジ | 葉などの柔らかい部位 | 梅雨時期 | 畑に撒く |
ネキリムシ | 生え際の茎 | 春~秋 | 土にすき込む |
ヨトウムシ、ネキリムシは土の中で越冬し、翌年に再び畑に現れます。
コーヒーかすを土に撒いて、鋤きこむことで忌避効果が期待できます。
ナメクジはコーヒーの臭いを嫌い、畑に撒くことで遠ざけることができます。
畑に撒く場合は十分に乾燥させたうえで使う。
チッソ飢餓が起きないように、少しづつ撒いていきましょう。


使い方③ 土壌改良剤として


コーヒーかすは土壌改良剤としても使用が出来ます。
土壌の物理性の改善が期待できます。
通気性、排水性、保水性を向上させることができる。
多孔質(細かい穴の開いた構造になっている)で土壌の空気層を増やし、水はけを良くする効果があります。
注意点は2点…。
- 発酵済みのコーヒーかすを使用する
- コーヒーかすは酸性気質
コーヒーかすは酸性気質の為、pHを酸性に振り向ける可能性がある。
pHに注意が必要になります。





その他にも…
雑草予防効果もありますが、コーヒーかすを絶えず補充する必要がありますので、畑には不向きかなと…。
タマゴの殻の魅力
肥料の種類 | 配合比(%) | 効き方 | ||
---|---|---|---|---|
チッソ(N) | リン(P) | カリ(K) | ||
タマゴの殻 | 0.74 | 0.26 | 0.08 | 緩効性 |


タマゴの殻の主力成分は、カルシウムが88%となります。
その他、マグネシウム、微量要素の鉄が含まれています。
単独で戦うというよりは色々なものと協力して効果を発揮するサポータータイプです。
他の生ゴミと併せて肥料にしていくのがベターな使い方です。
注意点



タマゴの殻を使うに際して必ずしてほしいことです。
キレイに洗浄し乾燥させてから使用する


そのままタマゴの殻を使うデメリットは以下の通りです。
- カビや腐敗の原因になる
- タマゴの殻の病原菌が付着していた場合、肥料の品質が下がる
- 大きすぎて分解されない
タマゴの殻の内側の薄皮もキレイにとり、しっかり洗い、よく乾燥させることが必要です。
この作業をしっかり行うことで、カビや腐敗を防ぎ、植物への悪影響を起こさないようにしていきます。
乾燥は天日干しで、2,3日程度。
お急ぎの方は、フライパンで加熱、電子レンジで低温加熱のいずれか。
使用時には細かく砕いた殻を使用します。
砕くことで、分解を早め、植物の吸収を早くするようにしていきます。
使い方
使い方① 他の有機物と肥料を作る


タマゴの殻はカルシウムを多く含んでおり、ナス科のトマトやナス、ピーマンなどにおすすめです。
カルシウム不足による病気として、トマトの尻腐れ病やキャベツなどの芯腐れなどが起きる可能性があり、野菜にとって必要な要素となります。
その他の要素も野菜には必要となりますので、肥料として与えるのであれば、先に紹介したコーヒーかすなどと併せて肥料化することがおすすめです。



単独で使用する場合は…
タマゴの殻は、湿気やすい。
乾燥させ次第、土に混ぜるようにしていきましょう。
土の表面においても、土に混ぜ合せても同じ効果があります。
使い方② 液肥を作る


タマゴの殻とお酢を使って液肥を作るのもありです。
酢酸カルシウムという液肥で、タマゴの殻に比べて速効性の肥料となります。
トマトやナスの葉面や土に軽く吹きかけるなどの使用をしていきます。
作り方は、お酢に砕いたタマゴに殻を数日間漬けおきします。
タマゴの殻のカルシウムがお酢に溶かしだし、植物に吸収されやすい形に変化させます。
お酢200CCに対しタマゴの殻2個。
これを原液にして、300~500倍に薄めて使用します。
酢酸自体は除草効果がある為、土に撒く場合は撒き過ぎに注意です。
野菜を傷める可能性があります。



私は観葉植物の葉のほこりをとる時にも酢酸カルシウムを使用してます。
使い方③ 有機石灰や土壌改良効果


タマゴの殻は土壌改良剤としても使用が出来ます。
土壌の物理性の改善が期待できます。
通気性、排水性、保水性を向上させることができる。
中にいる雛が呼吸しやすいように、空気が通りやすい構造になっています。
軽石をまくのと同じように多孔質(細かい穴の開いた構造になっている)で土壌の空気層を増やし、水はけを良くする効果があります。
タマゴの殻に含まれているカルシウムとマグネシウムは土壌pHをアルカリ性に振り向ける効果があります。
少ないスペースなら石灰としても使用ができます。
ミキサーなどで粉状にすれば効果はいくらか早くなり、殻の原型を細かく砕く程度なら粉状より遅くなります。
苦土石灰や有機石灰は撒いた後、2週間ほど時間を置いて定植しますが、タマゴの殻は効き目は遅いですがすぐに定植は可能です。



pH調整をしたくない場合はコーヒーかすと同時に使用するようにしていきます。
石灰肥料とする場合は、代表的なもので牡蠣殻などがありますが、今、あさりを含めた貝もなかなか高額、タマゴの殻を集めて石灰をつくるのも面白いですよね。
使い方④ 防虫、虫よけ


タマゴの殻を根本に配置
タマゴの殻も虫よけに役立つツールです。
ただ、虫の立場からすればえぐいです。
写真のようにタマゴの殻を株元にまくだけで、地を這う害虫は近づけなくなります。
コーヒーの場合は、臭いやカフェインを嫌い近づかなくなります。
香りがなくなれば改めて撒き直す必要があります。
タマゴの殻は持続性が高くコーヒーかすよりも長持ちします。
- ヨトウムシ
- ナメクジ
- ネキリムシ
忍者の地面に撒く「まきびし」と同じです。



ちょっと痛そうです…。
日本特有文化、「もったいない」精神でこれらを活かしてみるのも視野が広がりますね。
米騒動にもあるように、食材が手元にあるかないかは紙一重だと思います。
備蓄米解放で、今年、米の生産が不作の場合、さらなる窮地に落ちる可能性があります。
今、与えられたものを無駄にせず、自分の食べるものをいくらか準備できれば、素敵なことですし、心配事が楽しみに変わっていくように思います。
参考にしてみてください。
捨てないで‼生ゴミの再利用 まとめ
今回は、三角コーナーに捨ててしまう生ゴミについてお得感のあるもの。
コーヒーかすとタマゴの殻の使い道について詳しく説明しました。
私の家は田舎にあり、砂場=畑で遊んでいました。
畑を掘ればタマゴの殻が出てきたりしたものです。
当時、なぜタマゴの殻を出てくるのか謎でしたが、昔ながらの知恵ですね。
これからのご時世、肥料がさらに高騰し、野菜を作るのがさらに大変になるかもしれません。
コスパを考えても、必要な知識であると考えています。
今回、以上です。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
コーヒーかすを使ったぼかし肥料の使い方はこちら‼


農薬と肥料を使用しない農法、菌ちゃん農法を実践中。
有機で野菜を作りたい方にはおすすめ‼


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