『コンポスト』、『キエーロ』
お聞きしたことはありますか？
言葉はわからずとも、コンポストの装置はみたことがあるのではないでしょうか？
畑に常備しているお宅が多いですが…。
この装置が『コンポスター』。
これに生ゴミや落ち葉など入れて堆肥を作るのです。
今回は、家庭菜園サイズ、衣装ケースを使ったコンポストの作り方と使い方を解説します。
生ゴミの処理を斬新にしたい方や生ゴミから堆肥を作ってみたい方向けの内容です。
- 衣装ケースを使ったコンポストの作り方
- キエーロとの違い
- 堆肥の作り方、好気性発酵
コンポストとキエーロの違い
コンポストとキエーロのこと、教えてほしいんだけど…
コンポストもキエーロも自宅で出た生ゴミをリサイクルないし処理する方法になります。
近年の環境問題やSDGsの普及で食品ロス、環境問題への個人の意識が高くなっています。
コンポストは肥料を作る。
キエーロは生ゴミを家庭で処理する手段。
コンポストから詳しく見ていきましょ‼
コンポストとは？
コンポストは、落ち葉や枯草、育てた野菜の残渣や生ゴミを、微生物の働きで分解、発酵させて作る堆肥のことです。
コンポスト＝Compost＝堆肥のことです。
容器を使用し堆肥を作る過程で、色々な有機物を入れていきます。
堆肥作成の過程で異臭や虫の発生などのトラブルを防ぐための写真の容器が「コンポスター」といいます。
「コンポスト」のメリット
- 家庭内の生ゴミを捨てる必要がなくなり、ビニール袋の経費が減る
- コンポスターの設置で補助金を出す自治体もある
- 焼却する生ゴミが減る為、CO₂の削減につながる
- 家庭菜園や園芸の肥料を自作できる
「コンポスター」の種類
- 1. 設置型
-
土中に容器の下部を埋め込ませる
生ゴミや落ち葉、雑草に対応
- 2. 回転型
-
容器ごと回転させて効率よく発酵させる
生ゴミや落ち葉に対応
- 3. 密閉型
-
密閉容器で発酵させるため異臭対策になる
容器に生ゴミとボカシ（EMボカシなど）を入れる。
- 4. ダンボール型
-
ダンボールに生ゴミや資材を入れる
- 5. バック型
-
専用バックに資材と生ゴミを入れファスナーで密封する。
生ゴミと腐葉土や米ぬか、燻炭などの機材を混ぜ合わせる
- 6. 電動型
-
電気の力で生ゴミを乾燥、炭素化させる
室内での設置ができ、電源ひとつで簡単
- 7. ミミズ型
-
ミミズが生ゴミを食べて分解、堆肥化させていく仕組み
ミミズと土などの資材を入れた容器に生ゴミを入れ、ミミズに頑張ってもらう
家庭菜園で、現実的なものと人気のスタイルは、３～５の密閉型、バック型、ダンボール型です。
あとは、ある程度の畑の広さがあれば設置型。
設置型は臭いが漏れる可能性があります。
我が家の設置型のコンポスターは臭いがだだ洩れし、イノシシなどの獣被害を何度も受けてこの方法を断念。
大惨事になった苦い過去があります。
庭の一部やベランダなどを使用する場合は上記の３つの方法がおすすめです。
今回、紹介する「衣装ケース」は密閉型になります。
「コンポスト」の中身
コンポストに使う土は、基本なんでも良いです。
発酵を急ぎたい場合は？
生ゴミの中身は？
家庭の生ゴミの他にも、落ち葉や病気になっていない残渣なども対象になります。
発酵の時間は物によりまちまちですが、防腐剤などをしてある食品は発酵しづらいため除去していきます。
魚の骨やタマゴの殻は発酵に時間が掛かるため、細かく砕くと少しは早く発酵していきます。
タマゴの殻は薄膜をはがした上で、砕いた状態で入れていきましょう。
入れてはまずいわけではないですが、梅干しの種などの種や切株から芽がでるようなものは発酵過程で取り除くようにしていきましょう。
異臭の原因になるものや微生物の苦手なものがあります。
肉などは分解されにくく異臭の原因になりやすい。
また塩分の多い食品は微生物の活動を鈍くする、死滅する恐れがあります。
そのほかにも、病害虫に侵された残渣、犬猫、人の糞尿は特に注意。
病害虫に侵された残渣は植物が感染する恐れがあり、犬猫や人の糞尿は伝染病の原因になる可能性がありますので使用はやめましょう。
その他…
貝殻や草木の灰は単体で利用するようにしましょう。
キエーロとの違い
コンポストはキエーロというものと混同されることが多いです。
コンポストは堆肥を作る目的に対して、キエーロは生ゴミ処理を目的としています。
キエーロの場合は、黒土のみを使用します。
黒土の中に、もともといるバクテリアが生ゴミを分解してくれます。
黒土の中に生ゴミをいれるだけで、二酸化炭素と水に分解されるため、土の量は変わらず、処理に困ることはありません。
また、生ゴミを扱いますが、正しく利用をすれば悪臭がすることもなく安全に使用ができます。
コンポストだけでは、処理に時間が掛かると感じるなら、このキエーロとの併用を考えるのもありではないでしょうか？
簡単に使用方法を下記に記載します。
「キエーロ」の使い方
①容器に黒土を入れ穴を掘る
②穴に生ゴミを入れる
③土を被せる
生ゴミは細かく刻んでおきます。
量が多くなれば、分解に時間がかかりますので、少量づつ試していきます。
生ゴミを入れたら乾いた土を被せることで異臭を防止します。
置場所は、日当たり、風通しが良い場所がよく、蓋は透明なもので雨が入らないように設置しましょう。
分解は量にもよりますが、夏場では数日程度、冬場は2週間程度かかります。
分解が済んでから新しい生ゴミを入れていきます。
諸説ありますが、キエーロはあくまで生ゴミの処理を目的。
堆肥にはなりませんので、くれぐれもご注意を…。
土が増えないのでこのままでいいですが、堆肥になると思って畑に投入してもただ、黒土を投入するだけで肥料成分はない為注意‼
衣装ケースコンポストを作ってみる
コンポスト作ってみましょう。
準備するもの
- いらない箱（衣装ケース）
- 土
- 生ゴミや落ち葉、残滓など
今回は黒土 ２ ： 赤玉土 １ をスタートで衣装ケースにいれました。
黒土14ℓと赤玉土7ℓ程度です。
流れ
設置予定場所で準備するようにしましょう。
設置理想場所：風通しが良く、雨が当たらない場所、半日陰。
土は底が隠れる位入れていきます。
コンポストは水加減が大事。
特に衣装箱は水が逃げないため、腐葉土などの機材を使用して水分調整をしていきます。
貯めた生ゴミを土の上に置く
コーヒーかすは乾燥したものを少量入れる
生ゴミは出来る限り細かくするのがおすすめ。
乾燥させてから入れるようにしていきましょう。
水気が残っていると、良い菌が繁殖しづらくなります。
土はしっとりが理想です。
乾燥しすぎていると発酵が進まず、水気が多いと悪臭の原因となります。
コーヒーかすは、多孔質の為、水はけを良くしますが、酸性気質の為、入れすぎに注意してください。
土を被せます。
生ゴミが隠れる程度でOKです。
異臭対策。
水分が多い時は土を多めに入れて水分調整をしましょう。
土を被せたら１週間～２週間程度休ませます。
土を被せていますが、念のため不織布シートを被せて、雨の当たらない場所に保管します。
好気性発酵させていくため、土を混ぜていきます。
タマゴの殻は時間がかかりますので大きいもがあれば細かく砕き、入れてはまずいものが見つかるようなら除去しておきましょう。
白カビは発酵の手助けをしてくれます。
失敗ではないので大丈夫です。
衣装ケースが満タンになるまで落ち葉や生ゴミを補充し土を被せて、かき混ぜる作業を繰り返します。
落ち葉を入れるタイミングで土の乾き具合を確認し落ち葉を水に濡らして補充しています。
米ぬかを混ぜる
雨水を補充
落ち葉を入れる前に米ぬかを混ぜる。
土の乾き具合を確認し、乾いていたら水に濡らして袋の中でかき混ぜてからコンポストに補充します。
満タンになったらその状態で熟成させる段階になります。
熟成期間中もやることは変わらず、２週間おきに空気を入れるため、コンポストの中身をかき混ぜましょう。
かき混ぜることで、発酵効率があがります。
熟成期間：夏で20日程度 冬で１～２ヶ月程度
コンポストで作った堆肥は、土壌改良効果に加え、肥料成分が高くなります。
野菜づくり初期の土づくりで行う、堆肥を与える作業と元肥をする作業を同時に行う感覚です。
ただし、作物により施肥量を不足する可能性もあります。
特にリン酸の補充は元肥時点でその野菜の必要量を補充したいため、注意が必要。
生ゴミ堆肥の肥料成分（参考）
| 肥料の種類 | 配合比（％） | 効き方 | ||
|---|---|---|---|---|
| チッソ（N） | リン（P） | カリ（K） | ||
| 生ゴミ堆肥 | 約３.0 | 約0.9～1.5 | 約1.0 | 速効性 |
生ゴミ堆肥は入れるものにより配合比は変わってきますが、おおよそ、この範囲内に入ってくるようです。
ほぼ、肥料です。
土壌改良剤として使いつつ、肥料としても使用が出来ます。
元肥のみでなく、追肥でもいけますが、作付け前に使用したほうが土壌改良も含めてできるため、おすすめです。
コンポストの注意点
堆肥づくりの注意点はなんですか
悪臭と虫の対策
コンポストで堆肥づくりは悪臭の予防につきます。
堆肥づくりの過程で悪臭がするようになると、コバエが寄ってくるようになります。
土を混ぜる時にすっぱい臭いがしますが土を被せることで嫌気性発酵状態となっているためです。
この状態は正常で、かき混ぜることで解消されていきます。
悪臭は水分過多が原因となることが多く、水分の調整は注意が必要。
- 触ってみて湿り気が強いようなら、土や腐葉土を多めに投入
- 水分が少ないようなら、落ち葉などを湿らせて投入
- 生ゴミは乾燥させてから投入する
- 臭いが気になるようならコーヒーかすを投入
- コバエが侵入しないように防虫シートや不織布を被せる
衣装ケースは水はけが当然悪いです。
水浸しになる危険性があることを念頭においてください。
雨に濡れない場所に設置してください。
衣装ケースでコンポスト 生ゴミから土づくり まとめ
今回は、衣装ケースを使って生ゴミを堆肥化させるコンポストについて解説しました。
如何でしたか？
結構簡単に取り組めます。
全ての生ゴミを処理したいとなると、1つの衣装ケースでは不足するため、複数個必要になります。
私は、使用済みのプランターの土をベースに、コンポストを作って土の再生を行うことがスタンダードです。
プランターで使用した土は行き場がない為、有効活用することができます。
生ゴミやコーヒーかすなどもったいないという気持ちが少しでも共感できれば実践してみては…。
今回は以上です。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
その他、コーヒーかすからぼかし肥料を作る方法はこちらを参考にしてください。
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