『ぼかし肥料』
今はyoutubeを検索しても家庭菜園や野菜づくりで一番ヒットしやすい内容ではないでしょうか?
個人的にも、動画でアップしてみたい内容ではあります。
毎日、消費する「コーヒーかす」と市販の「ヨーグルトの残り汁」を使用したぼかし肥料を作ってみました。
これから、有機野菜を作ってみたい方、残飯をうまく利用したい方、ぼかし肥料を作ってみたい方向けです。
- ぼかし肥料、嫌気性の作り方
ぼかし肥料って何?


ぼかし肥料について簡単に説明します。
ぼかし肥料とは?
ぼかし肥料は、油かす、米ぬか、骨粉などの植物質や動物質の有機質肥料を混ぜ合わせ発酵させた肥料のことを言います。
有機質肥料のほかにも、もみ殻などの土壌改良資材をや土を混合する方法もあります。
土やもみ殻に肥料を混ぜてぼかす(薄める)からきた用語になります。



昔ならではの作り方は土と有機質肥料をサンドイッチしながら積み上げていく方法です。
有機質肥料は化学肥料に比べて、効用がゆっくりで、効き目が現れるまで時間がかかります。
油かすや米ぬかなどは未発酵品です。
発酵過程に高温になるため、熱で根を痛めてしまう恐れがあるため、苗の植え付けまで時間を置く必要があります。
未発酵品の有機質肥料は追肥には不向きとされます。



この問題を解決するのが、「ぼかし肥」です。
ぼかし肥料は、いろいろな有機質肥料を混ぜて、発酵させてあるため、効果が早くなります。
おすすめの使い方は追肥で使用するのがおすすめです。
好気性発酵と嫌気性発酵
あらかじめ人為的に発酵を促し、肥料をつくるぼかし肥料ですが、発酵のさせ方が2種類あります。
「好気性発酵」と「嫌気性発酵」です。



好気性発酵です。
空気が大好きで、空気がある場所なら頑張れます。



嫌気性発酵です。
空気が苦手で、空気をなるべくいれないようにしてほしいです。



無理あるな笑。
発酵に協力してくれる微生物が違うってことです。
好気性発酵 … 空気を入れるために定期的に混ぜ合わせながら発酵させる方法
嫌気性発酵 … 空気を入れないように、袋に入れて放置する方法
今回のコーヒーかすを使ったぼかしは嫌気性発酵、残飯キエーロは好気性発酵でつくっていきます。
では、それぞれの特徴をみていきます。
好気性発酵


好気性発酵は空気を好むため、有機物を空気を触れさせてあげることが必要になります。
定期的に混ぜ合わせたり、攪拌することが必要になります。
好気性発酵は多少の水分が必要となるため、通水性、通気性の良い容器を使うのがベストです。
発酵させたい有機物の含水量が50~60%程度が発酵に適しています。
様子を見ながら給水し、発酵をさせていきます。
発酵時は高温になりますが、過程30℃くらいまで温度が上がってくると一気に発酵が進んでいきます。
この間は、空気を入れる為かき混ぜすぎると、温度が下がる恐れがあります。
また、外気温が低ければ発酵が進みづらくなります。
布をまいたり、場所を移動したりして発酵環境を整える必要があります。
作成時期は、暖かくなる時期がおすすめです。
梅雨時期などでは、湿気により水分量が多くなります。
腐敗に傾きやすくなるため、腐葉土などをいれて調整しましょう。
完成目安は夏場で2,3日、冬場で1週間以上かかります。
嫌気性発酵


嫌気性発酵は、発酵させたい有機物に空気が触れないようにしていきます。
なるべく酸素に触れさせないために、袋に入れて密封させます。
好気性発酵のように有機物を入れるたびに、攪拌する必要がないため、メンテナンスが容易です。



酸素が入ると?
酸素が入り過ぎると、腐敗に傾きやすくなります。
袋に穴が開いていない、しっかり密閉することに注意してください。
好気性発酵に比べて、発酵時の発熱が少なく、熱で死滅する微生物も少なくなり栄養が豊富な肥料が出来上がります。
完成目安は夏場で1ヶ月程度、冬場の場合はもう少しかかります。



では、嫌気性発酵でコーヒーぼかし肥を作ってみましょう。
コーヒーぼかし肥の作り方


- 米ぬか … 1.2㎏(バケツメモリ:3.0ℓ)
- コーヒーかす … 120g(ホットコーヒー120㏄/杯 10杯分)
- 水(雨水) … 適当量
- ヨーグルト … 食べ残し ヨーグルト汁とかすを貯めたもの



肥料としては大分少量です。
慣れたら量を増やしていきましょう。
手順


コーヒーかすはあらかじめ乾燥させておきます。
発酵を目的としていますので、乾燥すれば投入します。
長期間の乾燥は不要です。
米ぬかの1/10程度を入れ、米ぬかと混ぜ合わせます。


好みに合った肥料づくり
ぼかし肥料の楽しみ方は自分なりに肥料のバランスを整えて作ること。
葉の栄養を多めにしたい場合はチッソ成分の多い油かす。
元肥として使用したい場合はリン多め、骨粉を入れる。
など組合せは無限大。




ヨーグルトを入れて再び混ぜ合わせます。
ヨーグルトの固形部分が見えなくなるまでしっかり混ぜ合わせます。
納豆でも代替できます。
納豆を水の中に入れかき混ぜたとぎ汁を使用します。
『飲むヨーグルト』でもOK‼


ヨーグルトだけでは水分が足りないため水を少しづつ補充し、かき混ぜます。
こだわりも少し入りますが、水道水を使用するにしてもしばらく日光にあてたものを使用します。
カルキ抜きが目的です。


水の入れすぎに注意してください。
握ってみて、写真のように握れる位の湿り気です。
握った有機物を親指でおせばパラパラと崩れる位の含水量が理想です。
全体がこのような状態になるようにバケツの縁の部分もまんべんなく行います。


肥料袋に入れる


空気が入らないように縛る
有機物を袋にいれていきます。
肥料袋や気密性の高い袋がおすすめです。



1㎏程度なら食パン用の袋もおすすめです。
パンが傷まないように気密度が高いそうです。


日が当たらず、雨に濡れないところで1ヶ月程度保管します。
倉庫内が理想ですが、冬場に作っているのでなるべく暖かくしたいため、バケツを被せて保管しています。





あとは菌ちゃんに頑張ってもらいます。
しばらく人間さんはお休みです。
ここから寝かし期間となります。
外気温により菌の働きも変わります。
寒い時期などは暖かくなってから開封していきます。
順調なら好気性、嫌気性とも白カビが発生します。
コーヒーぼかし肥の作り方 まとめ
今回は、ぼかし肥料の序盤、肥料の混ぜ合わせるまでをまとめてみました。
畑の規模にもより、10㎏、20㎏と規模が大きくなりますが、使用期間がおおよそ1年以内に使い切るようにしています。
まだ不慣れな場合は少しづつ作っていき徐々に量を増やすようにしていきましょう。
続ければ楽しい作業です。
発酵が済んだら再びリライトしていきます。
今回、以上です。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
農薬と肥料を使用しない農法、菌ちゃん農法を実践中。
有機で野菜を作りたい方にはおすすめ‼


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