物売り系の人におススメの本『売れるコピーライティング単語帖 増補改訂版 探しているフレーズが必ず見つかる言葉のアイデア2400』を電子書籍で購入しました。
読了しましたので、感想を書いてみたいと思います。
どんな本?
概要
国際的マーケティング賞である「ECHO賞」の国際審査員にも選ばれた神田昌典さんが主著者の、”セールスコピーライティング”に焦点を当てた単語帳です。
単語やフレーズの紹介がメインですが、使いどころや似た表現との差などの解説もあります。
ブロガーはもちろん、メルマガや広報など「売る」ための文章を書く仕事をしている方全般におススメです。
単語帳と言いつつ、コピーライティングの重要性や効果なども学べる一冊。
私の感想を端的に言えば…
- 物販系の販促に使える単語・フレーズが例文つきで満載!
- 800単語+2400フレーズの充実ボリューム!
- 技術や経験を売っているジャンルで参考になる単語はやや少なめ…
- あくまで単語帳。ちょっと調べれば出てくる情報をまとめた感は否めない…
この本を選んだ理由は?
私は複数サイトを運営して、月に数千~数万円の稼ぎがあります。
収益は広告表示によるものですが、内訳の9割は「表示報酬型」「クリック報酬型」で単価が低く、複数サイトの合計でも月300~800円程度です。
残る1割は高単価の「成果報酬型」で、これが基本的に月1,000~20,000円ほどですが、過去最低額は月0円、過去最高額は月9万円と安定しません。

成果報酬型広告の成約率を上げたい!
私のサイトは、「この商品がおススメです!」というような広告の商品・サービスを販促する物販記事スタイルではありません。
知識・技術・経験など無形に近い内容を記事にしています。
記事に関係する商品・サービスの広告をただ貼っているだけで、広告の商品について説明したり、メリット・デメリットを掲載することはほぼありません。(だから売れないのは重々承知)
ただ全くないわけではなく、数記事ですが商品を売るための記事を作っているので、そこでの成約率を安定して微増させられないか?と考えていたところ、偶然この本を発見したので購入しました。
心に響いた箇所は?
根底のマインドを覆された
売ることは、とても誇り高い行為だ。
『売れるコピーライティング単語帖 増補改訂版 探しているフレーズが必ず見つかる言葉のアイデア2400』P30
なぜなら、その本質は……
自分の「才能」を役立てながら、他人の「問題」を解決することだからだ。
私は、企業ではなく個人(ブロガーやSNSインフルエンサーなど)が商品紹介をしているのが凄く苦手でした。
企業は良いのです。製造、営業、販売など部門ごとに役割があるので。
営業や販売部門が宣伝している商品は、決して自分たちが作ったものではありませんが、「所属企業」として考えれば自分たちが作ったものに当たります。
一方で個人の商品紹介…
自分が作ったわけではない商品やサービスを、我が物顔で宣伝して利益を得ている…
お前何もしてないだろ!と今までは思っていました。
しかし、上記の言葉を見て改めて考えると気づいたのです。
商品レビューや相手の購買意欲をそそる話術なんかも”才能”だなぁ、と。
商品を作った企業としても、自社の営業・販売部門とはまた違った視点、第三者からの評価は有益ですからね。



ただし個人の商品紹介は、内容が適切で信頼性が無いとダメですが…
当たり前だが大事なこと
つまり、大事なのは、ロジックよりも、好き嫌い。
『売れるコピーライティング単語帖 増補改訂版 探しているフレーズが必ず見つかる言葉のアイデア2400』P83
印象が良くなければ、あなたの提案がどんなに素晴らしくても、聞く耳を持たない。
即座に、別サイトや別チャンネルへ移ってしまうのだ。
「最初の印象が大事」は、ブロガーなら分かっている人、当たり前だと思う人は多いはず。
だからこそ、記事の冒頭で自己紹介を入れたり、サイトのファーストビューにこだわっているわけで。
私もそんなことは分かってましたよ。
ただ、「ロジックより好き嫌い」と言われて、自分の中で”印象”という抽象的なものを少し具体化できた気がします。
好き嫌いと印象
多くのブロガーが、記事の最初に自己紹介を書いていますが、私は大嫌いです。
「先に結論話してくれ、その信憑性は後から評価するから。」「お前のことを知りたいんじゃない、記事タイトルの内容を知りたいのだ。」と思ってしまうのです。
さっさと本文に入って、最後に「この記事を書いた人」があれば十分だと感じています。
もちろんこれは、私の好き嫌いです。
一般的には最初に自己紹介がある方が、記事をどの程度信頼できるのか図りやすいので印象は良いでしょう。
その記事を重視するのか、その後を見据えるのか
ただ私は、「実績ある人の記事だなぁと」思って読んだ結果、「全然参考にならなかったり間違っている(or 根拠が薄い)からこの人の記事はもう読まない!」と思ったブログが何個もあります。
読んだ時間が無駄でした。詐欺にあった気分で印象が悪くなりました。
その結果、他の検索時にその人の別記事がヒットしても、あの人のブログだからという理由だけで読んでいません。
もし先に記事内容を読んでいたら、その時点で著者を確認せず離脱していたので、後で別の検索でそのブログがヒットしたら見てると思います。
先に自己紹介することで、その記事への滞在時間は伸びますが、記事内容が悪いと印象は大きくマイナスになるような気がしますね…



本書の著者が言いたいこととは違うけど、この一文で”印象”と”好き嫌い”って似てるけど微妙に違うよね。ということに気づいた。
本全体について何を感じた?
単なる単語帳ではない!
先述した”心に響いた箇所”の引用部分の通り、単語や例文以外にマーケティング戦略なども書かれています。
もちろん本題は単語帳なので、マーケティングに関する記述は多くないですが、それでも有益だと思える内容は多々ありました。



単語帳だと思った人は待って欲しい!
『コピーライティング基礎』みたいなイメージの本です。
調べれば分かるなぁ…
本書のメインはコピーライティングの単語・フレーズ集。
その単語・フレーズの意図や使いどころなども説明されていて分かりやすいです。
そういう書き方もあるかぁ、と参考になった部分もありました。
…が全体的には、ちょっと調べれば分かることをまとめた感は否めません。
著者の経験や研究結果はもちろん入っていますが、それほど多くはない印象…
特にCMや広告、看板などで見たことあるフレーズが多々あるものの、それらはネット検索すれば「どうしてこのフレーズがヒットしたか」のような記事はいくつも見つかるので、本書の内容がこの販売金額に見合うかと言われると…



面倒・大変なことをまとめてくれた労力に対価を払える人ならOK。
それなら自分で調べるわ!というタイプの人には向かない…
技術・経験を売るジャンルでは効果が薄まるかも…
「人の心を動かす」系の単語・フレーズは全ジャンル共通で使用できると思います。
少々過剰ですが嘘は言ってない、という表現で人の心は動くという説もあるので、その心理を使った良い表現がたくさん紹介されています。
ただ、技術や経験を売るジャンルは事実と信頼性が特に重要になるので、過剰表現は逆にマイナスの印象になりかねません。
そうなると、本書の内容は7割くらいしか実用性はないかなと思います。
ただ、自分になかった視点・発想を得たり、ボキャブラリーを増やすという意味では有益な情報ばかりなので、決して損はないです。
最後に一言
大きく以下の観点で章立てられて、単語・フレーズが紹介されています。
それ以外にコピーライティングの基礎知識や、各単語の使いどころなど細かい解説も満載で、非常に有益な本です。
本情報
2024.02.01 発売
『売れるコピーライティング単語帖 増補改訂版 探しているフレーズが必ず見つかる言葉のアイデア2400』
著者:神田昌典、衣田順一
出版社:SBクリエイティブ
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