右半身麻痺からの回復を目指しリハビリを進めて約2か月。残る課題の右脚について集中的に時間を割いている。特につま先については中々回復の兆しを見せず、現在でも自己評価で10点未満だろうか。
つま先を上げる筋肉(脛部分)のリハビリメニューでは、業務用低周波治療器のイメージであるアイビスプラスを用いて強制的に電気で動かしている。
※アイビスプラスについては以下記事を参照ください。
tsureduregusa2023.hatenablog.com
「今日は別のメニューを試してみましょう。」
理学療法担当の眼光ニキはそう言うとアイビスのボタンをポチポチと操作し始めた。
時間にしてわずか15秒ほど、設定を終えた眼光ニキがアイビスの本体を僕に手渡した。
(たいして変わってないんじゃないか・・!?)と感じた僕の中で、もう一人の切れ者吉田が反論した。
(バ・・バカめ・・!潜在パワーをさぐってみろ・・・!!さっきまでとはまた別物だぞ・・・!!)
どうやらアイビスプラスの別モードでは一方的に電気を出して筋肉を動かすのではなく、患者の筋肉の微妙な動きを感知し、その強さに応じて電気を増幅して返す「パワーアシストモード」とやらがあるらしい。
自らつま先を動かそうとする意志をアイビス側がアンプのように増幅して動きをサポートしてくれるのだ。
上記のようなモードなので前回のように電撃の合間にBGMを脳内再生して痛みをごまかす「ボンジョビ作戦」が通用しない。
「よしわかった。自分の力でつま先を動かしてやろうじゃないか」(あたりまえだが)
「ぬぅうう・・・、ぐおぉ・・・」
「余計なところに力を入れないでください。」
眼光ニキが冷静に言い放つ。眼光ニキ、実にサディスティックである。
とはいえ脳梗塞は、自分の身体をあやつり人形に例えるならば、各パーツを動かす糸を見つけづらいという特性がある。またその糸も色々な筋肉パーツの糸が束になっている印象だ。つま先だけを動かそうとしても股関節や体幹に余計な力が入ってしまう。
うっすら全身に汗をかきながら、つま先を動かす糸を探っていく・・・
(力を入れるのはここか・・?ここなのか・・?)
試行錯誤を繰り返していると、うっすらとアイビスが反応し始めた。
「・・おっ、反応してきっ!・・ギャーー!!」
「言い忘れてましたが、マイクがハウリングするみたいにアイビスの増幅が暴走することもありますので、痛かったら言ってくださいね。」
眼光ニキ、実にサディスティックである。
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次回、「アイビス:変身をあと1回残している・・・その意味がわかるな?」ぜってえ読んでくれよな!
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