犬たちの歴史 イヌの歴史

「犬たちはみずから人間の友人となる選択をしたという研究があります」


人類は少なくとも3万年前から犬と親密に暮らしてきました



誇り高い野生のオオカミがぷるぷる震えるチワワになったきっかけについては、いくつかの仮説があります



一つは、『残飯あさりで人間にオオカミが近づいた説』



二つめは、『人懐っこいオオカミが自ら人間のそばで暮らすようになった説』



「過去1万5000年間については、人類のあらゆる文化圏で犬の人為的な選択が行われていたことを示す確かな証拠があります」と、


論文の最終著者で米ジェームズ・マディソン大学の理論生態学者のアレックス・キャパルディ氏は語ります



つまり、「この間の人類は、自然な進化に任せることなく、犬の性質を人為的に選択していた」



しかし、「3万年前から1万5000年前までの間に何が起こっていたのかは誰も知らない」



もしかすると古代人たちは、人に慣れやすい性質を持つオオカミに狩猟を手伝わせるために、オオカミの交配を行っていたのかもしれない



米ウィスコンシン大学ラクロス校の数理生態学者の「デビッド・エルジンガ氏とキャパルディ氏らは、数理モデルを用いて、人間の残飯をあさっていた古代のオオカミの群れの中から、犬という独立した種が新たに誕生するまでにどのくらいの時間がかかるかシミュレーションを行った」



研究チームは、人に慣れたオオカミが、同じく人に慣れたオオカミと交配するモデルと交配しないモデルを、1万5000年分にわたって実行しました



また、「人間が出す残飯の量が一定の場合(人口が少ないまま安定している状態)と、増加する場合(人口の増加に伴って残飯も増加する状態)で、どのように種が分わかれるかも検証した」



彼らがモデルを繰り返し実行したところ、古代のオオカミが37%の割合で初期の犬に進化しました



また、「人に慣れたオオカミが、同じように人に慣れたオオカミと交配することを好む場合、74%が初期の犬に進化する」



『約8000年でオオカミから犬が分岐し、この変化はしばしばモデルを実行する時間が終わるまで持続しました』



さらにこの変化は、残飯の量が一定でもこの犬のモデルは増えました



一方、人に慣れたオオカミが野生に近いオオカミと交配した場合には、種分化は決して起こらなかったのです



『人に慣れたオオカミが同じく人に慣れたオオカミと交配するのは、おそらく近くにいたからだろう』と言います



「人間を怖がらないオオカミが、人間のそばで暮らし、これにより恩恵を受けているなら、この現象は自然選択の一部です」



これは「残飯あさり説を裏付ける証拠の1つにはなります」と研究チームは言います



残飯に引かれ、人間から残飯をもらうようになったオオカミは、他の個体よりも人に慣れ、攻撃性と引き換えに労せず食事を手に入れられる身分を手に入れた



人間と接点をもったオオカミは、群れの他の個体から孤立し、同じように人に慣れた個体と勝手に交配して、やがて人間に尾を振るようになったのかもしれない




『イヌたちは人と暮らすようになった』
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