遠州掛川 観音山砦

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観音山砦は掛川の町から北に10km弱、吉行淳之介文学館や桜木池のある谷の南西側にそびえる小ピーク上にある。

規模はごく小さく、曲輪は山頂と東隣の2つあるようで、北隣にあるあかなぎ山砦と同じか若干大きいぐらいのようす。

2009年、あかなぎ山砦とともに発見され、歴史なども不明との由。


この日は朝から本降りの雨で、弱まったところを見計らって少し東の美人ヶ谷城へ登り、首尾よく制覇して時間が少し残ったので、前日に登れなかったこの砦へ。

 

現在位置(Googleマップで)

登城口になるのは、公衆トイレの前から左に分かれて南西の切通しに向かってウネウネと登ってゆく道路の左側、何段かに分かれた広場になる。

少し奥の右側から手前向きに登ってゆく山道へ入ってゆく。


これを登ると、同じような広場が広がる。

その左側の斜面を登って植林地へと入ってゆく小径が登城道。


植林地に入ると、かなり急な尾根を一気に登り始める。


少し登ると、斜面を南に向かって斜めに登るようになり、斜度は落ちてくる。

そして、しばらく登ると尾根を横切って南側へ。

そしてすぐ、切通しで北側へ。

いかにも堀切に見えるが、道を通した時に掘ったものらしいとか…


いったん尾根の東側に出た道が、斜面を登りつつまた西へ…


その先に、ちっこい堀切状💕

ここでふたたび南へ…


ここで振り返ると、登ってくる道がハッキリとS字を描いているのが見える。

ここから、道はつづら折れで尾根の上へ。

尾根の上、なかなか急傾斜😨


さっきの堀切が、すぐ下に開口している

俯瞰すると、なかなか見事じゃんか😮


さて、主郭へ向けてさらに道を進む。

すぐ上で電線を渡しているな😮

ぶつけたり壊したりしないよう注意⚠


ここからしばらく、主郭の下をトラバースしてゆく。

ちょうど、ばっさいされススキ野原になったところのすぐ上を進んで行き、やがて尾根に向かってカーブしながら登ると、主郭の東側直下に出る。

左側に副郭が見える。


この副郭、覗き込んでみると東のほうへ細長く続いているようだ😮


この曲輪は、東側の端までちゃんと平坦だった。


下から見ても、切岸や盛り土などを施して、末端まで平坦な空間を造り出していたようす。


ここからは、一段下がってから南に尾根が続いている。

カラスザンショウの大きな木が生える尾根だが、トゲは抜けて跡だけになっているようす…

いや何本かのトゲはしっかり残ってたわな😨

しばらくすると、灌木のヤブを抜けて森の中に入る。

隣のあかなぎ山砦の主郭から東へ伸びる尾根も、植林の中だったが似たような感じだったっけ…


しばらくすると尾根が下りながら分岐している。

全体に南へ傾いていて、曲輪には出来なそうな空間だが、周りをよく見ないと分岐しているようには見えないところが怖い。

こういう所に下山中に出くわすと迷いやすいので注意だな…


ここは右前方へ。

下って少し進むと、下が段になって落ち込んでいる…


慎重に降りたが、その下はなだらかになった尾根が続いているだけで、堀切などは無かった…


そこからさらに100メートルちかく尾根を進み、行く手が盛り上がってきた裾に…

 

深さ1メートルにも満たない、ちっこい堀切があった😮


ホントに砦の遺構かは分からないが、もし砦のものだとしたら、ずいぶん離れた場所に堀切を入れたもんだ…


あかなぎ山砦から南東へ伸びる尾根上にも、かなり先の方に堀切が入ってたな…

あちらは、尾根の高度が上がる段の裾に刻み込んでたけど…

 

さて、ここから先は隣の山になってしまうので、引き返して主郭へ💨

尾根がけっこう大きく下っていたので、登り返すのがキツイったら…💦

主郭直下からの高低差は40メートルぐらい…😅

 

春の嵐の後を追う強風が吹く中で尾根上を戻り、主郭の前へ。


大木の根元のこれ、石祠だった?


道のように見えるが意外と急な斜面を登って、いよいよ主郭へ。

広さはバドミントンコートぐらいで、意外と小ぢんまり…

TVアンテナが立っていて、電線が吊られているので壊さないように。


登ってきたところ以外の斜面は一面ヤブのようだが、北側はツバキの梢の向こうに入ると視界が開けていた。

切岸加工が入っているかどうかは微妙なところか…?

それでも、かなりの急傾斜で下に落ちている😨


西の端には、三角点が…

「観音山」という四等三角点だそうだ。


この奥も主郭は続いているが、すっかり灌木のヤブ😂


それでも、こちら側の尾根にも踏跡らしいものが続いている😮

 

しばらくヤブで狭苦しい斜面を降りてゆくと、わずかに平坦でヤブのない部分があった。

この先に、ごく小さなピークがある。


この小ピークの向こう側はかなり急な下りになっているが、ハッキリと段々が刻まれている😮


一段下って振り返る。

奥に見える小ピークの裾に、露岩で小さな段が入っている様子が見える。


尾根に細かく刻まれた段々は時々見るが、こんなハッキリ見えるのは久しぶりかも知れん…

 

それで、その下…

 

立派な堀切入ってるやん🤯

ちょっと浅いか…

向こう側の尾根が盛り上がる下の鞍部が、えぐり取られて堀切になっているようだ。

底に降りてみると、両側がそれほど傾斜がなく、幅が広いようだ。


外側の尾根にも、何となく段々…いや、ピークに向かってなだらかに登っているようす。


主郭側の斜面は、あちこちに露岩が顔を出していて、表土のすぐ下が岩盤なことを教えてくれる。


北尾根や西尾根の大きな堀切や、明らかに2つの曲輪を持っているところなど、あかなぎ山砦よりは大きくシッカリ普請されたようにも見えるが、やっぱり規模は似たりよったりか…

それでも、より山奥の高盛山城に関係するらしい砦が2つ並んで南側を守っているのは、この地にそれだけの緊張感が襲ってきた時期があったのか…


★観音山砦

静岡県掛川市上垂木

ねむの木学園前バス停横に駐車場があり少なくとも休日は利用可能らしい。

山城

 

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(2025年3月24日 記)