カタルーニャ讃歌

カタルーニャ讃歌

スペインとフランスに跨ったカタルーニャ。住む多くの人々はスペインでもなく、フランスでもない国だと思っている。バルセロナを中心としたスペイン側は経済活動が活発で独立したがっているが、フランス側はカニグー山を臨むのどかな地域になっている。

NEW !

トータヴェルのブドウ畑

 

AOP Côte du Roussillon Village は、北側の丘陵地帯とテット川とテック川の間(Les Aspres)に位置している。

 

土壌 - テット川の北側は、花崗岩、片麻岩、アグリ川渓谷は変成岩、北東部は、粘土性石灰岩と石灰岩、それに小石の多いテラス、テット川の南は、砂の混じった粘土。海抜100~400 m。

 

苗木 - グルナッシュ、カリニャン、シラー、ムーヴェドル、ジェドネール・プルト。

 

色とスタイル - 力強く、複雑な味わい。長期保存可能。

 

 

AD

Côte du Roussillon (Lansac村)

 

土壌 - 北西部は、花崗岩、片麻岩、変成岩、北東部は、粘土性石灰岩と石灰岩、テット川の南は砂の混じった粘土、流域は小石の混じった土壌、南東部は、片麻岩、ケイ質粘土。海抜0~650 m。

 

苗木 - ロゼ・赤 / グルナッシュ、カリニャン、シラー、ムーヴェドル、ジェドネール・プルト(カタルーニャ産、グルナッシュに近い)、サンソー、マカブー、グルナッシュ・グリ(ロゼのみ)。

/ グルナッシュ・ブラン、マカブー、マルヴォアジー、グルナッシュ・グリ、ルーサンヌ、マルサンヌ、ヴェルメンティーノ、ヴィオニエ、カリニャン・ブラン(2017年収穫以降)。

 

色とスタイル - 赤 / 厚みのある(charnu)、フルーティ(fruité)、香辛料の味(épicé)。

ロゼ / 赤いフルーツと花の微かな匂いのフレッシュな香り。

/ 繊細でデリケートで微かな柑橘類、白い果肉、花の香り。

 

 

 

AOPは以前のAOCと同じで産地品質保証を意味する。ルシヨン地方ではほとんどがCôte du RoussillonとCôte du Roussion Villageになっている。気候は気温が高く乾燥した地中海性気候。土地は一部山側の丘陵地帯があるが、大部分は平原。赤は厚みのあって濃く、白とロゼはフレッシュな軽いものが多い。

 

またAOP以外のワイン(IGP)、天然甘味(AOP)があり、ひとつの農家でつくって販売している。従って地域区分が重なっている。

 

C のみにつくセディーユ(C cédille)は、フランス語、カタルーニャ語、ポルトガル語、オック語などで使われるが、C に続く母音がa, o, u の場合、C の発音が「ス」にする記号。スペイン語では存在しない。

(例)

  • français (フランス語)
  • façon (方法)
  • reçu (受け取った)

カタルーニャ語では一番最後のCにセディーユが使われ、「ス」と発音する。

(例) feliç (しあわせな)

 

アクサンは全部で3種類ある。

  1. é = accent aigu (アクサンテギュ) - é のみ
  2. è = accent grave (アクサングラーブ) - 他にàとù
  3. ê = accent circonflexe (アクサンシルコンフレクス) - 他にâ, î, ô, û の4つ

記号のついた eの発音の区別が難しいが、1と3は同じ。1は閉じた「エ」、2は開いた「エ」と説明されているが、2の「エ」にはいわゆるアクセントがあるような気がする。

 

3は綴りで1字が消えた時(しばしば s)に使う。

(例)

  • hôpital (病院) <--- hospital (英語、スペイン語)
  • forêt (森) <--- forest (英語) 

また3は、中世フランス語の変化形(近代化?)としても使われている。

(例)

  • deu ---> dû (devoirの過去分詞)
  • seur ---> sûr (確かな)
  • meur ---> mûr (熟れた)

 

 

 

フランス語は日本人にするとかなり難しい言語だ。特に発音と文法が難しい。発音は文字に記号がつくし、母音が続く時の発音が特殊だ。文法では他のヨーロッパ語でも大体同じであろうが、過去形だけで10個ある。従ってフランス語はしゃべるのも書くのも難しい。この言語を駆使できる人物はそれだけで素晴らしい。

 

Noëサンタ

 

フランス語のトレマは、母音が続く時、前の母音と区別して発音するのに使う。トレマのつく母音は、e、u、 i、 y の4つ。

(例)

ë = canoë (カノエ、カヌー)

ï  = maïs (マイス、トウモロコシ)

ü = aiguë (エギュ、鋭いの女性形)

ÿ = Aÿ-Champagne (アイ・シャンパーニュ、町の名) 普通名詞は存在せず、固有名詞のみ。

 

 

アルベール山塊から見たアルジェレス

 

Argelès-sur-Mer(人口10 779人、2022年)は、アルベール山塊(ピレネー山脈の一番東)の麓、テック川の河口に位置する。

 

この町の周りにはアルベール山塊、テック川河口など4か所の自然保護地区がある。

 

スペイン内戦の後、カネ・アン・ルシヨン、サン・シプリアンなどと同様スペインから避難者たちの強制収容所がこの町にもあった。延べで250 000人以上の人たちが収容された。市内に収容所記念館がある。

写真で遠くに見える山はピレネー山脈の一番東側

 

Saint Cyprien(人口11 995人、2022年)にはローマ時代港があって3,5 km離れたエーヌ(Elne)の町まで道路があったと言われている。町の名前が915年にはじめて文献に現れる。

 

スペイン内戦の後1939年に避難民(共和制主義者、ユダヤ人、家各国のスペイン居住者など)のための強制収容所が建設される。

 

1960年代の海岸観光整備計画では7つの都市に数えらえる。

カネ・アン・ルシヨンの潟が近いため自然保護地区になっている。

Canet-en-Roussillon

 

Canet-en-Roussillon(人口13 005人、2022年)は、海岸線の町の中で一番大きい(県で2番目)。ペルピニャンから近いためバス路線もペルピニャン市内から海水浴に行ける。

 

町の近くに潟があり、その周りは自然保護地区になっており、自然環境、動物、植物が保護されている。潟から遠くに見えるカニグー山は素晴らしい。

 

市庁舎、教会のある古い町は、やや内陸に位置し、人口は海岸沿いの夏の避暑地に集中している。

 

古い町はやや内陸にあるSainte-Marie-la-Mer(人口4749人、2022年)は、海側に広がり、大衆的なヴァカンスの町。海岸近くには小さなレストランや売店が立ち並んでいる。

 

毎年5月1日にはアーティチョーク(朝鮮アザミ)祭りが開催される。