心はいつもどまんなか。by tadashian

健康のためノルディックウォーキングに励むシニア、世界情勢や日常を考える日々

トランプの不都合な真実? - 情報空間の歪みを読み解く

 

# トランプの不都合な真実? - 情報空間の歪みを読み解く

皆さん、こんにちは。今日はちょっと立ち止まって考えてみたい話題があります。私たちが日々接している情報、本当に「真実」なのでしょうか?

## 二極化する情報空間の罠

日本の情報空間は今、深刻な分断状態にあります。テレビや新聞といった既存メディアは「米英が絶対善」という前提で情報を発信している一方、それに疑問を持った人々は別の「真実」を求めてネットの世界に飛び込んでいます。

マスゴミ」「情弱」—そんな言葉が飛び交う世界では、プーチンやトランプが「悪のグローバリストと戦う善のナショナリスト」「真の英雄」として称えられています。確かに彼らがナショナリストであることは間違いないでしょう。でも、本当に彼らは「絶対善」なのでしょうか?

## プーチン統治下のロシアの現実

プーチン政権下のロシアでは、「戦争反対」とSNSに投稿するだけで逮捕されます。街頭での反戦デモはもちろん、ある少女が学校で「戦争反対」の絵を描いただけで父親が逮捕された事例もあります。

さらに驚くべきことに、黄色と青色の花飾りをバッグにつけていただけの女性が「ウクライナ支持者」として拘束されたり、「Peace(平和)」と書かれたTシャツを着ると逮捕されるという状況です。

日本に観光に来たあるロシア人女性とその娘のエピソードが印象的です。ショッピング中に娘が欲しがったTシャツを母親が制止しました。理由は?そのTシャツには単に「Peace(平和)」と書かれていただけだったのです。ロシアでそれを着て歩けば逮捕される—これが「英雄」プーチンが統治する国の現実です。

## トランプの強硬外交と不可解なプーチン例外

一方、もう一人の「英雄」とされるトランプ大統領は、国際社会に対して前例のない強硬姿勢を見せています。

* カナダに「アメリカの51番目の州になれ」と提案
* メキシコ湾を「アメリカ湾」と一方的に命名
* デンマークに「グリーンランドを売れ」と要求
* パナマに「パナマ運河を返せ」と主張
* ガザ地区の「アメリカによる支配」を宣言
* NATO加盟国にGDP比5%の防衛費を要求
* 同盟国にも高関税を課す強硬策

歴代大統領の中でもこれほど強気な姿勢を貫く人物はいなかったでしょう。しかし、興味深いことに、彼が唯一反論しない相手がいます。それがプーチン大統領なのです。

## ウクライナ停戦とトランプの謎

トランプ氏が「交渉の達人」であることは広く知られています。通常彼は、相手が驚くような強硬条件を最初に示し、そこから徐々に条件を緩和しながら最終的に望むものを獲得するという交渉術を駆使します。

しかし、ウクライナ問題に関しては、交渉を始める前から:
* ロシアが2022年9月に一方的に併合した4州(ルガンスク、ドネツクザポリージャ、ヘルソン)のロシア支配継続を容認
* ウクライナNATO加盟拒否

というプーチン側の要求をそのまま受け入れる姿勢を示しています。これはまるで、交渉ではなく、怖い上司に従う新入社員のような態度ではないでしょうか。

## 三つの仮説

この不可解な関係性について、三つの説が考えられます:

1. **戦略的同盟説**: トランプはプーチンを自陣営に引き入れて中国に対抗したいという戦略。リアリズム的には理解できる発想ですが、なぜNATOという最大の軍事的資産との関係を犠牲にするのでしょうか?

2. **経済合理主義説**: トランプは真のビジネスマンとして、ウクライナ支援をムダな出費と考え、何としても早期終結させたいという考え。この視点は確かに彼の言動と一致しています。

3. **同盟戦略不全説**: トランプには効果的な同盟戦略を構築する能力が欠如しているという見方。

## 情報の海で自分の「違和感」を大切に

もし既存メディアに疑問を持ちつつも、プーチンやトランプを「英雄」と思えない違和感をお持ちなら、それは健全な感覚です。現在の日本の情報空間では、「米英情報ピラミッド」と「クレムリン情報ピラミッド」という二つの情報操作システムが競合しているからです。

「マスコミは嘘ばかり」と思ってネットで「真実」を探し求めた結果、別の情報操作システムの中に入り込んでしまうというのは、まさに救われない状況です。

私たちに必要なのは、どちらか一方の「絶対正義」に飛びつくのではなく、複数の情報源を批判的に読み解き、自分自身の頭で考え、自分の「違和感」を大切にする姿勢なのではないでしょうか。

情報過多の時代だからこそ、メディアリテラシーと自分自身の判断力が何より重要です。情報の海を泳ぐ羅針盤として、この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。