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学派的倫理療法論(精神分析・ユング心理学・認知行動療法・人間性心理学・家族療法等)と現場的心理療法論(ふつうの相談)の違いはどこにあるのか、相関関係は、立ち位置は?このような話が展開されてる。 以下、一部抜粋 “もしかしたら専門知には学派知と現場知以外の知も含まれるのかもしれないが、とりあえずこの二つに限定するのは、少なくとも現地点の臨床心理学がそのように構成されているからである。すなわち、臨床心理士と公認心理師という二つの資格に内在した二つのパラダイムの共存を私は念頭に置いている。 臨床心理士は学派知を中核として編成されている。教科書では学派の説明が列挙され、訓練では学派知を純粋に実践しやすい個人臨床が基礎とされる。だから、臨床心理士たちは自らのアイデンティティを「精神分析のトレーニングを受けてきました」「認知行動療法を学んできました」と語る傾向にあった。 これに対して公認心理師は現場知を原理として編成されている。教科書は医療、教育など領域ごとに書き分けられ、それぞれの現場をめぐる法律や制度が最初に学ばれる。訓練ではいくつかの現場に入る実習が重視され、密室の臨床よりも、多職種連携によるチーム支援が期待されている。そのために不可欠なのが現場知である。したがって、公認心理師たちのアイデンティティは「医療心理師」「スクールカウンセラー」などの現場単位で形成されていくだろう。 これらは異質な思想であり、統合されていない。それゆえに互いを「臨床的でない」と非難し合ってきたし、国家資格をめぐる臨床心理学コミュニティの分断と混乱を生んできた。このような事態に対する応答として、本論はある。学派知と現場知は専門知の二側面なのである。そして専門知はあくまで世間知を補うものである。それを熟知しているのが専門家である。この見取り図こそが百花繚乱のメンタルヘルスケアの世界を整理して、健全な議論をなすための土台となるものだと思うのである。” 相関 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.03.23 14:35:28
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