キラキラネームの現状と問題点
キラキラネームとは、一般的な読み方や意味から大きく外れた名前のことを指します。
当て字や海外風の発音、アニメやゲームキャラクターに由来するものなどが多く、「個性的」と評価される一方で、社会生活において苦労するケースも少なくありません。
① キラキラネームとは?
キラキラネームは、1990年代後半から2000年代にかけて急増しました。
名付けに対する自由度が高まる一方で、以下のような特徴が問題視されています。
- 読み方が分かりにくい
- 意味が分かりにくい、またはネガティブな意味を持つ
- 社会的な信用に影響することがある
- 就職活動や結婚などの人生の重要な場面で不利になる可能性がある
近年では、2025年に施行される改正戸籍法によって、戸籍の読み仮名が「一般に認められるもの」に制限される見通しです。
② 実際に起こったキラキラネームによる苦労
実際にキラキラネームを持つ人々は、以下のような経験を語っています。
いじめの対象になった:「お前、本当に”ハッピー”なの?」と名前をからかわれる
就職活動で不利になった:「ふざけた名前」として書類審査を通過できないことも
病院や公的機関で困る:難読のため、正しく読んでもらえず手続きがスムーズに進まない
結婚の際に問題が発生:相手の家族から「改名できないの?」と言われることも
寺内はっぴぃさん(27)は、幼少期から自身の名前に悩み続けてきた。
小学校では名簿にひらがなで書かれた自分の名前に違和感を覚え、中学ではイジメの標的になった。
入学式では名前を呼ばれるたびに注目を浴び、就職活動ではふざけていると誤解されることもあった。
母親が「出産後の幸せな気持ち」を込めて命名したが、小中学生時代には「“ハッピーバースデー”や“ハッピーバレンタイン”など、ハッピーが付くイベント全ていじられた」。
一方で、営業先ではポジティブに受け取られ、社会人になってやっと認められたと感じることも。
しかし、結婚を考えた際には名前を理由に相手の家族に反対され、改めてキラキラネームの厳しさを実感したという。
③ キラキラネームをつける親の心境とは?
キラキラネームをつける親の多くは、「特別な名前で個性を持たせたい」「唯一無二の存在になってほしい」という思いを抱いています。
また、「幸せになってほしい」「明るく前向きな人生を送ってほしい」といった願いを込めて、ポジティブな意味を持つ言葉や響きを選ぶこともあります。
海外風の名前やアニメ・ゲームの影響を受けた名前をつける親も多く、「おしゃれでかっこいい」「時代に合った名前にしたい」と考えているケースもあるようです。
しかし、一方で周囲からの認識や子どもの将来について深く考えず、「響きがかわいいから」「インパクトがあるから」と安易につけてしまうこともあり、結果的に子どもが苦労することも少なくないです。
実在する「ひどい」と言われるキラキラネーム30選
ここでは、実際に報道されたものやSNSなどで話題になった名前をカテゴリ別に紹介します。
① 漢字の読み方が独特すぎる名前
- 皇帝(しいざあ)
- 光宙(ぴかちゅう)
- 今鹿(なうしか)
- 泡姫(ありえる)
- 天使(えんじぇる)
② アニメ・ゲームキャラクター由来の名前
- 悟空(ごくう)
- 瑠璃亜(るりあ)(FFシリーズのルリアから)
- 鬼舞辻(きぶつじ)(鬼滅の刃より)
- 月(るな)(セーラームーンより)
- 神威(かむい)(銀魂より)
③ 外国語風の珍しい名前
- 愛保(らぶほ)
- 愛翔(らぶは)
- 星凛(すたーりん)
- 黄熊(ぷう)
- 珈琲(かふぇ)
④ 言葉の意味が不自然な名前
- 七音(どれみ)
- 大賀寿(たいがーす)
- 海月(くらげ)
- 地球(あーす)
- 未來(みらい)(「未」は「まだない」という意味を含む)
⑤ 画数が多すぎるor読めない名前
- 龍翔凰(りゅうしょん)
- 夢々叶(むむか)
- 皇雅帝(こうがてぃ)
- 鳳麗翔(ほうれいしょう)
- 耀輝翔(ようきしょう)
⑥ 親の願いが強すぎる名前
- 一番星(ぴかる)
- 絶対叶(ぜったいなる)
- 奇跡(きせき)
- 幸永愛(しぇりあ)
- 無敵(むてき)
キラキラネームの未来と法改正の影響
① 2025年の改正戸籍法と影響
改正戸籍法では、読み仮名を「一般に認められるもの」に制限することが決まっています。
これにより、極端な当て字や奇抜な名前が今後は認められなくなる可能性があります。
高(ヒクシ):「高」を「ヒクシ」と読むように、漢字の反対の意味になるもの。
太郎(ジロウ):「太郎」を「ジロウ」と読むように、書き違いかどうか判然としないもの。
太郎(ジョージ):「太郎」を「ジョージ」と読むように、漢字との関連性がないもの。
② 社会での受け入れられ方の変化
近年では、キラキラネームに対する風当たりが強くなりつつあります。
SNSやメディアでも「名前で人生が左右されるのはおかしい」という議論が増えています。
また、名付けに対する責任を再認識する風潮も高まっています。
③ 子どもの人生に与える影響
キラキラネームは、子どものアイデンティティや社会的信用に大きな影響を与える可能性があります。
名付けの際には、一時的な流行ではなく、長期的な視点を持つことが重要です。
名づけにおすすめの本3冊
キラキラネームを避け、素敵な名前を考えるための本を3冊紹介します。
- 『たまひよ赤ちゃんのしあわせ名前事典2025~2026年版』(ベネッセコーポレーション)
- 伝統的な名前から現代風の名前まで幅広く掲載。

- 『名前で人生は9割決まる』( なかやま うんすい)
- 「自分のキラキラネームが嫌だ」10万人の運命を変えた著者による「開運姓名学」の集大成。
- 『ぜ~んぶ吉名! 未来輝く 男の子・女の子ハッピー名前事典』(西東社)
- 掲載名前はすべて吉名!。

まとめ
キラキラネームは、個性を重視する一方で、社会生活においてさまざまな問題を引き起こす可能性があります。
2025年の改正戸籍法の影響もあり、今後はより慎重な名付けが求められるでしょう。
大切なのは、「親の思い」だけでなく、「子どもの将来」を考えた名前をつけることです。
もし名付けに悩んでいるなら、専門書を参考にしながら、じっくり考えてみることをおすすめします!