「賃貸物件がゴミ屋敷になってしまった…」
「親が住んでいる物件がゴミ屋敷になっているわ。。」
そんな不安を抱えていませんか?
ゴミが増える原因やリスクを理解して、正しい対応、片付け方法を知ることで、現状を改善できます。
この記事では、ゴミ屋敷化の対策、業者選びのポイント、費用相場まで詳しく解説。
問題解決への一歩やスムーズに片付けを進めるための具体策をお伝えします。
適切な対応で快適な生活を取り戻して、賃貸トラブルを未然に防ぐようにしましょう!
ゴミ屋敷とは?ゴミ屋敷の定義と特徴
ゴミ屋敷の定義と特徴
ゴミ屋敷とは、家屋内や敷地内に大量のゴミや不要物が蓄積され、生活空間が著しく侵害された状態の住居を指し、これは単に片付けが苦手な状態とは異なり、社会生活や健康に深刻な影響を及ぼす可能性がある点が特徴です。
ゴミ屋敷の特徴
- 生活空間の喪失
家中にゴミが積まれ、生活に必要な空間がほとんど残っていない状態。 - 衛生環境の悪化
ゴミの蓄積により、悪臭や害虫(主にゴキブリを中心としハエ、コバエ)の発生が見られる。 - 社会的孤立
ゴミ屋敷の住人は、近隣住民との関係が希薄であることが多い。
精神的な問題や認知症など、個人の健康状態が関与している場合がほとんどで、若い方の場合ほぼ精神的な問題が原因です。
実例
日本では、多くのゴミ屋敷が社会問題として報道されています。
東京都内のある住宅では、家主が長年にわたりゴミを溜め込み、近隣住民からの苦情が相次いだケースがあります。最終的には行政が介入し、強制的にゴミを撤去する事態となりました。
先述したようにゴミ屋敷は、個人の生活習慣や精神的な問題、社会的孤立など、複数の要因が絡み合って発生します。
この問題を解決するためには、早期の発見と適切な支援がとても大事になります。
ゴミ屋敷になりやすい賃貸物件の条件
賃貸物件におけるゴミ屋敷とは、居住者がゴミや不用品を過剰に溜め込み、その状態が他の居住者や物件の管理に悪影響を及ぼす状態を指します。
ゴミ屋敷になりやすい賃貸物件の特徴
- 築年数がかなり古い物件
高齢者が多く居住している場合がある。 - 単身者向け物件
孤独を感じやすい居住者が多い場合がある。 - 家賃が安い物件
周辺の家賃相場より安い物件。 - 管理会社の巡回頻度が低い物件
ゴミ屋敷化の初期段階での発見が遅れる可能性がある。 - ゴミ捨て場が遠い、または不便な物件
ゴミ出しが億劫になり、部屋に溜め込みやすくなる。
賃貸物件におけるゴミ屋敷問題は、物件の管理状況、居住者の孤立、高齢化、心理的要因など、様々な要因が複合的に絡み合って発生します。
ゴミ屋敷化しやすい条件を持つ賃貸物件では、早期発見と適切な対応が不可欠になります。
賃貸でゴミ屋敷が問題視される理由
賃貸物件におけるゴミ屋敷は、単に個人の生活の問題として片付けられず社会的な問題として認識されています。
賃貸物件は、一棟の大家さんとは限らず区分所有者が複数存在する集合住宅であることもあり、一つの部屋の状況が他の居住者や物件全体の価値に影響を与える可能性があります。そのため、ゴミ屋敷化は、下記のような問題を引き起こし、問題視されます。
- 衛生環境の悪化
ゴミの腐敗による悪臭、害虫・害獣の発生は、他の居住者の生活環境を著しく悪化させる。 - 健康被害のリスク
アレルギー、感染症、呼吸器疾患など、居住者の健康に悪影響を及ぼす可能性がある。 - 火災のリスク
ゴミが電気配線や暖房器具に接触し、火災の原因となる可能性がある。集合住宅では、火災が発生した場合、被害が拡大するリスクが高い。 - 建物への損害
ゴミの湿気や害虫により、建物の構造が腐食し、損害が発生する可能性がある。 - 資産価値の低下
ゴミ屋敷の存在は、物件全体のイメージを損ない、資産価値を低下させる。 - 法的責任
大家や管理会社は、居住者の安全や快適な生活環境を提供する義務があり、ゴミ屋敷を放置した場合、法的責任を問われる可能性がある。 - 近隣トラブル
悪臭や害虫の発生により、近隣住民とのトラブルに発展する可能性がある。
あわせてゴミ屋敷に関する関連法規、ガイドラインは以下のようなものがあります。
民法
賃貸借契約における善管注意義務(民法400条)に基づき、賃借人は賃貸物件を適切に管理する義務を負う。
建築基準法
建物の衛生環境や防災に関する基準が定められており、ゴミ屋敷はこれらの基準に抵触する可能性がある。
各自治体の条例
生活環境の保全に関する条例を制定し、ゴミ屋敷問題に対応している。
ゴミ屋敷問題は、単にゴミ屋敷に住む個人の問題にとどまらず、他の居住者、大家、管理会社、そして地域社会全体に影響を及ぼします。
なぜ賃貸物件がゴミ屋敷になるのか?
精神的な病気・認知症などの健康上の問題
賃貸物件がゴミ屋敷化する背景には、精神的な病気や認知症といった健康上の問題が深く関与している場合が多く、筆者が不動産会社時代の退室立会時に見たゴミ屋敷の過半数は精神的なものが原因でした。
この手の健康問題は、判断力や意欲の低下、認知機能の障害などを引き起こしてしまい、結果としてゴミを溜め込んでしまう行動に繋がることがあります。
またそれは本人の意思とは関係なく片付けられない状況を生み出し、周囲に理解されにくい場合が多く、解決へは背景にある健康問題への理解と適切な支援が不可欠です。
特に、これになると一人暮らしのみではなく、シングルマザーで子供がいてもこのような状況に陥ってしまうこともあります。
精神疾患との関連性
- うつ病
意欲低下や無気力により、片付けを行うエネルギーが湧かなくなる。 - 統合失調症
思考の混乱や現実検討能力の低下により、ゴミの認識が歪んだり、片付けの必要性を感じにくくなる。 - 強迫性障害(ため込み症)
必要のない物でも捨てることができず、溜め込んでしまう。これは、不安を軽減するための強迫行為であると考えられています。アメリカ精神医学会の診断基準DSM-5では、「ため込み症」は独立した精神障害として分類されています。 - ADHD(注意欠陥・多動性障害)
注意力や集中力の低下、衝動性などにより、整理整頓が苦手で、結果的に部屋が散らかってしまう。
認知症との関連性
- 記憶障害
物をどこにしまったか忘れたり、何がゴミであるかを認識できなくなる。 - 実行機能障害
計画を立てて実行する能力が低下し、片付けの手順がわからなくなる。 - 判断力の定価
ゴミを溜め込むことが不衛生であるという認識が薄れる。
片付ける時間がない・生活リズムが不規則
次に、「片付ける時間がない」ことと「生活リズムが不規則」であることは、特に大きな要因となります。
この手の要因は、ゴミの蓄積を加速させ、悪循環を生み出す可能性があります。
現代社会において、多くの人が仕事や学業に忙殺され、十分な睡眠時間や休息時間を確保することが難しい状況である人も多い中、特に下記のような状況にある人は、片付けに時間を割くことが難しく、ゴミ屋敷化のリスクが高まります。
- 長時間労働
労働時間が長く、帰宅時間が遅い人は、疲労により片付けをする気力が湧かないことが多い。 - シフトワーク
シフト制勤務者は、生活リズムが不規則になりやすく、ゴミ出しのタイミングを逃してしまうことがある。 - 子育て中の親
子育てに追われる親は、自分の時間を確保することが難しく、片付けがおろそかになりやすい。 - 介護をしている人
家族の介護をしている人は、介護に時間を費やし、自分の生活空間を整える余裕がないことがある。
生活リズムが不規則な人は、食事の時間や睡眠時間が一定せず、自律神経が乱れやすい傾向があり、自律神経の乱れは、精神的な不調を引き起こし、片付けをする意欲を低下させる原因にもなります。
1日15分でも良いのでその時間を片づけに使って習慣化することで、ゴミ屋敷になる確率が大幅に減少します。
知人・近隣との関係が希薄で注意されない
この問題は高齢者に多く、賃貸物件がゴミ屋敷化する要因の一つとして、近隣住民との関係が希薄で、注意や指摘を受けにくい状況が挙げられます。
かつての地域社会では、互いに助け合い、注意し合う関係性が存在しましたが、現代社会においては、プライバシーの尊重や個人主義の浸透により、近隣住民との交流が減少し、ゴミ屋敷化を抑制する力が弱まっていると考えられます。
現代社会における人間関係の変化を示すデータとして、内閣府「社会意識に関する世論調査」があります。この調査によれば、「近所付き合いは必要ない」と考える人の割合が増加傾向にあり、地域社会における連帯意識の低下が示唆されています。
都市部においては、単身世帯の増加や転勤族の増加により、地域への帰属意識が低い人が多く、近隣住民との交流が希薄になりやすい傾向があります。
このような状況下では、ゴミ屋敷化が進んでいることに気づいても、近隣住民は「余計なことに首を突っ込みたくない」「トラブルに巻き込まれたくない」という心理から、見て見ぬふりをしてしまうことがあります。
また本人も社会的に孤立している場合が多く、誰にも相談できずに問題を抱え込んでしまうことがあります。
近隣関係の希薄化は、賃貸物件のゴミ屋敷化を促進する要因の一つとなります。かつての地域社会のような互いに助け合い、注意し合う関係性を築くことは難しいかもしれませんが、管理会社や大家さんが積極的に入居者とのコミュニケーションを図りつつ、早期発見・早期対応に努めることが大切といえるでしょう。
物を捨てられない・買いすぎてしまう
また、一つの要因として、物を「捨てられない」心理的な要因と、物を「買いすぎてしまう」行動的な要因が挙げられます。
これらの要因は、単独で作用するだけでなく、相互に影響しあい、ゴミの蓄積を加速させる悪循環を生み出すことがあります。
物を捨てられない心理的な要因
- もったいない
まだ使えるかもしれない、いつか使うかもしれない、という思いから、物を捨てることができない。これは、日本人の「もったいない」という価値観が強く影響していると考えられます。 - 愛着
物に思い出や感情が結びついており、手放すことが辛い。特に、故人の遺品やプレゼントされた物などは、捨てにくい傾向があります。 - 不安
将来に対する不安から、物を溜め込んでしまう。食料品や日用品などを大量に買い込み、安心感を得ようとする行動が見られます。 - 完璧主義
全てを完璧に片付けようとするあまり、どこから手をつければ良いかわからなくなり、結局何もできなくなってしまう。 - 情報過多
現代社会は情報過多であり、物を手放すことへの情報も多く、何が正しいか分からず、決断を先延ばしにしてしまう。
物を買いすぎてしまう行動的な要因
- ストレス
ストレスを買い物で発散しようとする。特に、衝動買いやセール品を買い漁る傾向があります。 - 寂しさ
孤独感を紛らわせるために、物を買い集める。ペットの代わりにぬいぐるみを集めたり、コレクション癖がある人に多いです。 - 広告宣伝
テレビCMやインターネット広告など、購買意欲を刺激する情報に溢れており、必要のない物まで買ってしまう。 - 所有欲
新しい物を手に入れることに喜びを感じ、次々と物を買い集める。 - SNSの影響
インスタグラムやSNSで魅力的な商品が紹介されると、つい購入してしまう。
物を溜め込む行動は、ホーディング(ためこみ症)と呼ばれる精神疾患の一つの症状である可能性も指摘されており、ホーディングは、強迫性障害(OCD)と関連があると考えられており、専門的な治療が必要となる場合もあります。
物を「捨てられない」心理的な要因と、物を「買いすぎてしまう」行動的な要因は、賃貸物件がゴミ屋敷化する大きな原因となります。
これらの要因に気づき、意識的に改善に取り組むことが、ゴミ屋敷化を防ぐ第一歩となります。ホーディング治療が必要であれば、専門家の助けを借りることも検討しましょう。
ゴミ出しルールが守れない・理解できない
ゴミ屋敷になる要因の一つに、居住者が地域のゴミ出しルールを「守れない」または「理解できない」という問題があります。
複雑な分別ルールや、曜日・時間指定のあるゴミ出し方法が、ゴミ出しを困難にして、結果として部屋にゴミを溜め込んでしまう原因となることがあります。
日本の多くの自治体では、資源の有効活用や環境保護のため、ゴミの分別を細かく定めています。
しかし、この分別ルールは地域によって大きく異なり、また、変更されることもあります。そのため、転居してきたばかりの人や、高齢者、外国人などにとっては、ルールを理解し、守ることが難しい場合があります。
また、ゴミ出しの曜日や時間が指定されている場合、仕事や家事などで忙しい人は、指定された時間帯にゴミ出しをすることが難しい場合があります。特に、夜勤がある人や、早朝から仕事に出かける人などは、ゴミ出しのタイミングを逃しやすく、部屋にゴミを溜め込んでしまうことがあります。
ゴミ出しルールが守れない・理解できない要因
- ルールの複雑さ
分別区分が細かく、覚えるのが難しい。 - ルールの変更
頻繁にルールが変更され、最新情報を把握するのが難しい。 - 情報伝達の不足
ルールに関する情報が十分に伝わっていない。特に、外国人居住者に対しては、多言語での情報提供が必要。 - 高齢者の理解力低下
高齢者は、認知機能の低下により、新しいルールを理解したり、覚えることが難しくなる場合がある。 - 生活リズムの不規則さ
仕事や家庭の事情で、指定された時間帯にゴミ出しができない。 - 障害による困難
身体的な障害や精神的な障害により、ゴミ出し作業が困難な場合がある。
特に、高齢者や外国人の方は一度苦情や注意を受けるとゴミ出しが億劫になってしまい、ゴミが捨てづらい心境になってしまう方が多くいます。
それを防ぐためにもルールをわかりやすく伝え、誰もがゴミ出ししやすい環境を整備することが、ゴミ屋敷化を防ぐために重要な課題と言えるでしょう。
ゴミ屋敷のリスクとデメリット
害虫・害獣の発生による健康被害
ゴミ屋敷は、当たり前のように害虫や害獣の温床となりやすく、それらが媒介する病気やアレルギー反応によって、居住者の健康を著しく損なう可能性があります。
ゴミ屋敷に発生する害虫・害獣は、居住者だけでなく、近隣住民の生活環境にも悪影響を及ぼすため、社会的な問題として認識されています。
それには食品残渣、生ゴミ、汚れた衣類、紙くずなど、様々な種類のゴミが堆積しています。これらのゴミは、害虫や害獣にとって格好の餌場や繁殖場所となり、大量発生を招きます。
害虫・害獣による健康被害
害虫・害獣 | 健康被害 |
---|---|
ゴキブリ | 食中毒、アレルギー、喘息 |
ハエ | 食中毒、赤痢、腸チフス |
蚊 | デング熱、日本脳炎、マラリア |
ダニ | アレルギー性皮膚炎、喘息 |
ノミ | 皮膚炎、瓜実条虫症 |
ネズミ | レプトスピラ症、サルモネラ症、ペスト、鼠咬症、E型肝炎、食中毒 |
ハクビシン | 皮膚糸状菌症、アレルギー、喘息 |
イタチ | レプトスピラ症、サルモネラ症、狂犬病(海外) |
ゴミ屋敷では、これらを駆除したくても、ゴミが大量に堆積しているため、駆除作業が困難であり、再発のリスクも高くなります。まずはゴミの処分が先となります。
悪臭問題と近隣トラブル
腐敗したゴミから発生する悪臭が深刻な問題となり、近隣住民の生活環境を著しく悪化させ、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
悪臭は、居住者自身の健康にも悪影響を及ぼし、精神的な苦痛を与えるだけでなく、社会生活を困難にする要因となります。
ゴミ屋敷に堆積した生ゴミ、汚れた衣類、排泄物などは、時間の経過とともに腐敗し、悪臭を発生させます。特に、夏季などの高温多湿な環境下では、腐敗が加速し、悪臭がより強烈になります。
悪臭が及ぼす影響
- 生活環境の悪化
悪臭によって、窓を開けられなくなったり、洗濯物を外に干せなくなったりするなど、日常生活に支障をきたす。 - 健康被害
悪臭に含まれる有害物質によって、吐き気、頭痛、めまい、呼吸器疾患などを引き起こす可能性がある。 - 精神的な苦痛
悪臭が常に漂っている状態は、精神的なストレスとなり、不眠やうつ病などを引き起こす可能性が高まる。 - 不動産価値の低下
ゴミ屋敷の存在は、近隣の不動産価値を低下させる。
悪臭防止法に基づき、各自治体は悪臭規制地域を指定し、悪臭物質の排出基準を設けています。
これは工場や河川や港湾だけではなくゴミ屋敷も該当し、ゴミ屋敷から発生する悪臭が、この基準を超える場合、行政指導や改善命令の対象となることもあります。また、悪臭が原因で近隣住民に損害を与えた場合、損害賠償請求訴訟に発展する可能性もあります。
火災リスク
ゴミ屋敷は、火災発生のリスクが非常に高く、居住者の生命や財産を脅かすだけでなく、いざ発生すると近隣住民にも甚大な被害をもたらします。特に、トラッキング現象と放火は、ゴミ屋敷における火災の主要な原因であり、注意が必要です。
トラッキング現象
トラッキング現象とは、コンセントと電源プラグの隙間にホコリが溜まり、湿気を吸収することで発火する現象です。電気火災の原因となる可能性があります。
ゴミ屋敷には、可燃性の高いゴミ(紙類、衣類、プラスチックなど)が大量に堆積しており、一度火災が発生すると、瞬く間に燃え広がる可能性が高く、また、ゴミが電気配線やコンセントを覆い隠している場合、下記のような原因で火災が発生するリスクが高まります。
- トラッキング現象
コンセントとプラグの間にホコリが溜まり、湿気を帯びることで、微量の電流が流れ、発熱・発火する現象。 - 放火
ゴミ屋敷は、人目につきにくく、管理が行き届いていないため、放火犯に狙われやすい。 - 電気製品のショート
古くなった電気製品の配線が劣化し、ショートして発火する。 - タバコの不始末
タバコの火種がゴミに引火し、火災が発生する。 - 暖房器具の不適切な使用
ストーブやヒーターなどの暖房器具がゴミに接触し、火災が発生する。
火災発生時のリスク
ゴミが大量に堆積しているため、火災が急速に燃え広がり、近隣の建物にも延焼する可能性が高く、さらにはゴミが通路を塞いでいるため、避難するのが困難になります。
その結果、一酸化炭素中毒を発症することから死者数の発症率が高いことが分かっています。
さらには、ゴミが大量にあることから消防隊員が消火活動を行うのが困難という結果にも繋がります。
建物の強度低下と資産価値の下落
ゴミ屋敷は、建物の構造的な強度を低下させ、資産価値を著しく下落させるというリスクを抱えています。
ゴミや湿気、害虫などによって建物が徐々に蝕まれていき、修繕費用がかさむだけでなく、最悪の場合は建て替えが必要になることもあります。
特にフローリングや畳などはものすごい勢いで劣化し、床が抜け落ちることは多数です。
ゴミが及ぼす影響
- 湿気
ゴミに含まれる水分や湿気が、壁や床、天井などに染み込み、カビや腐食を発生させる。 - 害虫
ゴキブリ、ネズミ、シロアリなどが繁殖し、建材を食い荒らす。特に、シロアリは木造住宅の強度を著しく低下させる。 - 重さ
大量のゴミが床に集中して負荷をかけ、床の歪みや沈下を引き起こす。 - 換気不良
ゴミが窓や換気口を塞ぎ、換気が悪くなることで、湿気がこもりやすくなり、カビや腐食を促進する。
ゴミ屋敷の存在は、建物全体のイメージを損ない、資産価値を著しく下落させます。
特に、賃貸物件の場合は、入居希望者が減少し、空室率が上昇する可能性があります。また、売却を検討する場合でも、買い手が見つかりにくく、大幅な値下げを余儀なくされ、結果として建物の資産価値が下落します。
入居者自身も善管注意義務に違反するので、相応の損害賠償請求をされることにもなります。
契約解除や強制退去の可能性
賃貸物件をゴミ屋敷にしてしまうと、賃貸借契約の内容によっては、契約解除や強制退去を命じられる可能性があります。
これは、ゴミ屋敷の状態が、賃貸借契約における「善管注意義務違反」や「迷惑行為」に該当すると判断されるためです。
賃貸借契約において、賃借人(入居者)は、賃貸物件を善良な管理者の注意をもって使用する義務(善管注意義務)を負いますが、ゴミ屋敷の状態であれば、この善管注意義務に違反するとみなされることが大半です。
さらに、多くの賃貸借契約には、近隣住民に迷惑をかける行為を禁止する条項が含まれています。
ゴミ屋敷から発生する悪臭、害虫、火災のリスクなどは、近隣住民の生活環境を悪化させるため、迷惑行為と判断されるのが普通です。
民法第400条
「債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。」
要は、損害発生した部分において、入居者は原状回復義務を負うので、その修繕費は入居者が全部負担することになりますよー。という話です。
空室リスクの増加と賃貸経営への悪影響
賃貸物件内でゴミ屋敷が発生すると、その物件全体の評判が低下し、空室リスクが増加するだけではなく、賃料収入の減少、修繕費用の増加、近隣トラブルの発生など、賃貸経営に様々な悪影響を及ぼしかねません。
ゴミ屋敷は、物件の魅力度を著しく低下させ、入居希望者に敬遠される要因となります。
特に、不動産仲介会社が物件案内時にベランダなどからゴミ屋敷を発見すれば、内見希望者は「この物件はやめておきます。」になります。
賃貸経営への悪影響
- 空室率の増加
入居希望者が減少し、空室率が上昇する。 - 家賃収入の減少
空室率の上昇により、家賃収入が減少する。 - 修繕費用の増加
ゴミ屋敷による建物の損傷を修繕するための費用が増加する。 - 原状回復費用の増加
ゴミ屋敷の退去後の原状回復費用が高額になる。
※どうしても家主負担となる部分が多い。 - 訴訟リスク
ゴミ屋敷が原因で、近隣住民から損害賠償請求訴訟を起こされる可能性がある。 - 管理業務の増加
ゴミ屋敷に関する対応に、管理会社の業務時間が増加する。
ゴミ屋敷があることによって家賃収入の低下は最悪な機会損失であり、それを防ぐためにも定期的な巡回、入居者とのこまめなコミュニケーションなどを通じて、早期発見・早期対応に努めることが必要になってきます。
ゴミ屋敷化した賃貸物件の片付け・清掃方法
ここから先はやる気を出した健常者の方や、応援の方、もしくは大家さん、管理会社さん向けです。
精神的に滅入っている状態や、認知症の方は一人ではまず出来ません!
清掃方法:まず何から手をつければいい?
ゴミ屋敷化した部屋の片付け・清掃は、かなりの困難を伴う作業ですが、まず最初に取り組むべきは、現状の把握と計画の立案、そして安全確保です。
ゴミ屋敷の状態は、ゴミの量、種類、害虫・害獣の発生状況、悪臭の程度などによって大きく異なります。そのため、まずは現状を詳細に把握して適切な計画を立てることが必要です。また、ゴミ屋敷には、様々な危険が潜んでいるため、安全を確保した上で作業を行う必要があります。
片づけ・政争の初期段階でやるべきこと
現状の把握
- ゴミの量を把握する(床が見えない、天井まで積み上がっているなど)
- ゴミの種類を把握する(生ゴミ、可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミなど)
- 害虫・害獣の発生状況を確認する(ゴキブリ、ネズミなど)
- 悪臭の程度を確認する(強烈な腐敗臭、カビ臭など)
- 建物の損傷状況を確認する(床の腐食、壁のシミなど)
計画の立案
- 作業期間を設定する
- 作業人数を決定する
- 必要な道具や資材をリストアップする
- ゴミの分別方法や処分方法を確認する(自治体のルールに従う)
- 害虫駆除の方法を検討する
- 清掃方法を検討する
- 予算を立てる(業者に依頼する場合の見積もりも含む)
安全確保
- 保護具を着用する(マスク、ゴーグル、手袋、防護服など)
- 換気を十分に行う
- 殺虫剤や消毒剤を使用する際は、使用方法をよく確認し、換気を十分に行う
- 感電防止のため、電気製品のプラグを抜く、もしくはブレーカーを落としておく
- 怪我防止のため、不用意にゴミに触れない
- 体調が悪くなったら、無理せず休憩する
自力で片付ける場合のポイント
ゴミ屋敷化した賃貸物件を自力で片付ける場合、時間と労力がかかることを覚悟する必要があります。
とはいえ適切な準備と手順を踏むことで、費用を抑えながら、安全かつ効率的に片付けを進めることが可能です。
決して一気にやろうとはせず、少しづつでも進めて行ってみましょう。
1.計画的に進めること
まずは1日ごとの目標(例:今日はキッチンだけ片付ける、など)を設定しながら、無理のない範囲で進めるようにしましょう。
一先ずはゴミの処分からスタートするのが基本だと思いますが、その中でもゴミが多い部分から行っていきます。
そこからさらに特に汚れている場所や危険な場所(台所、ふろ場、電気配線廻り)から優先的に片づけると良いでしょう。
あとは作業時間を決めて、集中力が途切れないように、燃え尽きないように心がけながら行うようにしましょう。
2.ごみ処分においては分別を徹底する
住んでいる自治体のゴミ分別ルールを事前に確認しておきましょう。
ゴミ袋を分け、段ボール、ガムテープなども準備してください。
新聞や雑誌、不要な段ボールは資源ごみとして回収してもらうのが良いです。
家庭ごみの直接搬入先
車は必須になりますが、その地域に住んでいる方が捨てられる家庭ごみの処分場が大体の場合20km圏内にあると思います。
「家庭ごみ 処分場」と検索すると近隣の処分場がヒットすると思いますので、そちらに直接搬入することで値段の高い指定ゴミ袋を使わずとも安価で処分出来るのでおすすめです。
可燃ゴミ処理場に持ち込む場合には、袋の指定もない上にプラスチックトレーやペットボトルなど一般的に燃えるものであれば混載しても基本的には問題ありません。
ただし、明らかに燃えないカン、ビン、乾電池、小型破砕ゴミなどは一緒に入れないようにしましょう。
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3.不用品処分の工夫
中にはまだ使えるものもあるケースもあり、ひょっとしたらお金に変えられるものもあるかもしれません。
価値のあるものはリサイクルショップに持ち込んだり、メルカリなどのフリマアプリで販売して少しでも処分代を浮かすなど検討しましょう。
ただし、粗大ごみはほとんどどうしようもないものが多いため、自治体のルールに従って処分するようにしましょう。
4.清掃を徹底する
汚れの種類に応じて洗剤を使い分けます。例えば油汚れにはアルカリ性洗剤、カビには塩素系漂白剤などが有効です。
キッチン廻りは、ホコリや油汚れが溜まりやすいので、丁寧に清掃しましょう。
ゴミを捨てても、これらを残すとそれを好物とする衛生害虫がなかなか減りません。
清掃後は消毒用アルコールなどでしっかり除菌してください。
5.休憩をはさむ
ゴミ屋敷の空気は大変汚いです。
体調が悪くなったら無理せず休憩して、こまめに水分を取りながら作業を行うようにしてください。
休憩時には、外に出て新鮮な空気を吸うようにしてください。
専門業者に依頼するメリットと費用相場
ゴミ屋敷化した賃貸物件の片付け・清掃は、自力で行うことも可能ですが、ゴミの量や状態によっては、専門業者に依頼する方が、時間、労力、安全性の面でメリットが大きい場合があります。
専門業者に依頼することで、確実にゴミを撤去し、清掃・消毒を行うことができ、原状回復をスムーズに進めることが出来でしょう。
専門業者に依頼するメリット
- 時間と労力の節約
大量のゴミを分別・搬出する作業は、時間と労力がかかりますが、専門業者に依頼すれば、短時間で作業を完了させることができます。 - 安全性の確保
ゴミ屋敷には、感染症のリスクや、害虫・害獣の危険が潜んでいます。専門業者は、適切な保護具や知識、道具を持っており、安全に作業を行います。 - 適切な分別・処理
専門業者は、ゴミの分別ルールに精通しており、適切な方法でゴミを処理します。 - 徹底的な清掃・消毒
専門業者は、特殊な洗剤や機材を用いて、徹底的に清掃・消毒を行い、早い段階で悪臭や害虫の発生を抑えます。 - 原状回復のサポート
必要に応じて、リフォームや修繕などの原状回復作業も行うところもあります。 - 近隣への配慮
専門業者は、近隣住民に配慮しながら、騒音や臭いを最小限に抑えて作業を行います。 - 精神的な負担の軽減
ゴミ屋敷の片付けは、精神的な負担が大きい作業ですが、専門業者に依頼することで、精神的な負担を軽減できます。
費用相場
部屋の広さ | ゴミの量(目安) | 費用相場 |
---|---|---|
1K | 1~2t | 5~20万円 |
1DK | 2~4t | 10~30万円 |
2K | 4~6t | 20~40万円 |
2DK | 6~8t | 30~50万円 |
3K | 8t以上 | 50万円以上(要見積) |
費用の内訳 | 基本料金: 人件費、車両費、養生費など ゴミ処理費用: ゴミの処分費用(種類や量によって異なる) 清掃・消毒費用: 清掃、消毒、消臭作業にかかる費用 オプション料金: 特殊清掃、害虫駆除、リフォームなど |
※ 上記の費用相場はあくまで目安なので、実際の費用は、見積もりを取って確認するようにしてください。
業者選びで失敗しないためのチェックポイント
清掃業者は数多く存在しますが、残念ながら質の低い業者が多いのは事実です。
不十分な作業や法外に高額な請求など、様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
業者選びで失敗しないためには、以下のチェックポイントをしっかりと確認するようにしましょう。
訪問見積もりを依頼する
電話やメールだけの見積もりでは、業者自体が実際のゴミの量や状況を正確に把握できず、後から見積もり金額が大幅に変わる可能性が高いです。
確認ポイント
必ず実際に自宅に来てもらい、見積もりを出してもらいましょう。その際、業者の対応や説明の丁寧さも確認できます。
複数の業者から見積をとる
費用やサービス内容をよく比較検討しましょう。そうすることで適正な価格で質の高い業者を見つけられる可能性がアップします。
確認ポイント
最低3社以上から見積もりを取り、内訳(基本料金、ゴミ処理費用、清掃費用など)を詳しく確認しましょう。
不明な点があれば必ず質問するようにすることも大切なポイントです。
実績と評判を確認する
過去の作業実績や利用者の評判は、業者の信頼性や技術力を判断する上で必要な指標となります。
確認ポイント
業者のホームページ、口コミサイト、レビューサイトなどを確認しましょう。具体的な事例写真や利用者の声に注目しましょう。
見積もり内容を細かく確認する
見積もり内容が曖昧な場合、後から追加料金が発生する可能性が高いです。
不明な点、疑問があればこの時にでも必ず質問、相談しておくようにしましょう。
確認ポイント
見積もり書に作業範囲、作業時間、人員、ゴミの分別・搬出・処分方法、清掃範囲、消毒方法などが具体的に記載されているか確認しましょう。
損害賠償保険への加入状況を確認する
作業中に家屋や家財を破損した場合に、適切な補償を受けるためには、業者が損害賠償保険に加入している必要があります。
時には第三者(例えば横隣り家など)へ損害を与えてしまうことがあります。それを補償するには請負業者賠償責任保険に加入している必要があります。
確認ポイント
契約前に、損害賠償保険の加入状況と合わせて、請負業者賠償責任保険に加入しているか、そしてその保険内容について確認しましょう。
契約内容を十分に理解する
契約書は、業者との約束事を明確にするための重要な書類です。
確認ポイント
契約書を隅々まで読み、疑問点や不明な点があれば、契約前に必ず業者に確認しましょう。
解約に関する条項や、トラブル発生時の対応についても確認しておくとなお安心でしょう。
一般廃棄物収集運搬業許可証の有無は?
よく勘違いされていますが、ゴミ屋敷から出るゴミは、家庭ごみになるので本来であれば一般廃棄物収集運搬業許可証が必要と思いますが、実際には不要です。
なくても違法ではありません。
ゴミ屋敷清掃業者は、決して回収して運搬しているわけではなく、片付けをしているだけだからです。
しかし、だからこそ変な業者が多いのも事実です。
古物商許可証(不用品の買取が出来る)は最低限、遺品整理士の資格を持っている人がいる業者であれば少し安心できるかもしれません。
賃貸物件におけるゴミ屋敷問題のまとめ
今回の記事では、賃貸物件におけるゴミ屋敷問題について、その解決策をまとめました。
ゴミ屋敷は、単に部屋が汚いというだけでなく、放置すると様々なリスクを伴い、社会生活や健康に深刻な影響を及ぼす可能性がある点が特徴です。
まず、ゴミ屋敷化の原因は多岐にわたります。精神的なことが原因の場合、片付けられない、物を捨てられないといった心理的な要因、生活リズムの乱れ、近隣との関係希薄化、そしてゴミ出しルールの不理解などが複合的に絡み合って発生します。これらの要因を理解し、早期に気づき、対応することが必要になってきます。
ゴミ屋敷のリスクは甚大です。
害虫・害獣の発生による健康被害、悪臭による近隣トラブル、火災のリスク増加、建物の強度低下、そして何より物件の資産価値を著しく下落させます。
最悪の場合、入居者との契約解除や強制退去、損害賠償請求訴訟に発展する可能性もあります。
解決するためのアプローチ
- 現状把握
ゴミの量、種類、悪臭の程度、害虫の発生状況、建物の損傷状況などを詳細に把握します。 - 片付け・清掃
徹底的な分別、搬出、清掃、消毒、消臭を行います。自力での作業も可能ですが、安全面や衛生面を考慮すると、本来であれば専門業者への依頼がおすすめです。 - 再発防止策
目線が前後しますが、定期的な巡回、入居者とのコミュニケーション、ゴミ出しルールの周知徹底など、再発防止策を講じることが必要になるでしょう。
ああ
退去費用は、ゴミの量、部屋の広さ、汚れの程度、修繕の必要性などによって大きく異なります。一般的に、ゴミの撤去費用、清掃費用、消毒費用、修繕費用などが含まれます。
- ゴミの撤去費用
ゴミの量によって異なりますが、軽トラック1台あたり数万円から数十万円かかる場合があります。 - 清掃費用
部屋の広さや汚れの程度によって異なりますが、数万円から数十万円かかる場合があります。 - 消毒費用
ゴキブリやネズミなどの害虫駆除、カビの除去などが必要な場合、数万円から数十万円かかる場合があります。 - 修繕費用
床や壁の損傷、設備の故障などがある場合、数十万円から数百万円かかる場合があります。
正確な費用を知るためには、複数の業者に見積もりを依頼し、内訳を詳しく確認するようにしましょう。原状回復義務の範囲については、国土交通省のガイドラインを参考に、不動産管理会社、もしくは大家さんと話し合って決定が必要となるでしょう。
まずは、アパートの管理会社や大家さんに相談してください。管理会社や大家さんは、ゴミ屋敷の住人に改善を促す義務があります。
管理会社や大家さんが対応してくれない場合は、以下の機関に相談することも検討しましょう。
- 自治体の相談窓口
生活環境課や保健所などに相談し、状況を説明してください。自治体によっては、ゴミ屋敷対策に関する条例を定めている場合があります。 - 弁護士
悪臭や害虫によって損害を受けている場合は、損害賠償請求を検討することも可能です。
いずれの場合も証拠となる写真や動画を撮影して、相談内容や対応履歴を記録しておくようにしましょう。
ゴミ屋敷に住む人は、物を捨てられない、片付けられないといった心理的な問題を抱えている場合があります。
まずは、親御さんの気持ちに寄り添い、なぜゴミを溜め込んでしまったのか、ため込んでしまうのかを理解することが大切です。
その上で、以下のステップで支援を進めていきましょう。
- 話し合い
親御さんとじっくり話し合い、片付けの必要性を理解してもらう。 - 協力
一緒に片付けをしたり、業者に依頼するなど、具体的な行動を支援する。 - 専門機関への相談
精神的な問題が疑われる場合は、専門機関(精神科医、カウンセラーなど)への相談を促す。 - 地域の支援サービス
自治体やNPO法人などが提供する、高齢者向けの生活支援サービスなどを活用する。
焦らず、根気強くサポートすることが大切です。また、地域の民生委員や社会福祉協議会などに相談することも有効です。