レウリー、ディアマンディ、ケモノビト達が暮らす山の集落から、
人の足で3千歩ほどの森の中で…
白ガラスクレイバーは眼を丸くして驚いている。
(この人達は何をしている)
レウリーめがけ、妖剣スナイキルを振るディアマンディ。
空を斬るスナイキルが木々を伐採するようになぎ倒すが、
レウリーには、かすりもしない。
「どんなに優れた剣も当たらなければ役に立たない」
あっさり交わしたレウリーが鼻で笑っている。
「絶対に斬る」
ディアマンディがムキになってスナイキルを振るうが、
レウリーは、しなやかに身をかわす。
そして、レウリーの左手の短剣がディアマンディの眼前に突き付けられた。
「これで何回死んだ?もう数えるのもウンザリだ」
レウリーが笑いながら言った。
ディアマンディ、が頬を膨らませた。
「レウリー以外の相手なら負けないのに」
レウリーがディアマンディの頭を撫でた。
「今のディアマンディには、俺の弟でも勝てないかもな」
ディアマンディが瞳を輝かせた。
「ホントに?ホントにそう思う? 」
レウリーが微笑んだ。
「ホントにだ。俺でさえ油断したら斬られそうだ」
クレイバーは震えていた。
(この人達… 本気で斬りあっていた)
「クレイバー!そこに居るのは解っている。随分と長かったな。
何かおかしな事でもあったか?お前が見てきた世界の事を教えろ」
言われてクレイバーがレウリーの元へ舞い降りた。
次々に白いカラスが集まり人型に姿を変えると、クレイバーが見てきた世界の事を伝えた。
小城で兵士の帰りを待つガプーは焦れていた。
退屈でどうしようもない。
ふと思い出す。
(そういえば… ここに封印の壺があるか?探してなかったな)
思いつきで場内を散策すると、地下室への入り口を見つけた。
(これは何だ?もしかしたら)
地下室への階段を進み辿り着いた部屋で壺を見つけた。
封印の壺。
「こ、ここ、、これだあ!み、見つけたぞ」
ガプーは嬉々として壺を割った。
すると、煙の中から暗黒魔道衆の2匹目の小人が現れた。
「よう、相棒。久しぶりだな」