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夜中2時の中途覚醒を睡眠中点で解決。なぜ同じ時間に目が覚めるのか?

「いつも夜中2時に目が覚めてしまう。」
そんな風に毎日、同じ時間に目が覚める経験をしていませんか?

一言で中途覚醒といっても、2つの中途覚醒があります。
睡眠が深くなっていくときに目覚める中途覚醒と、睡眠が浅くなっていくときに目覚める中途覚醒です。

本来であれば、夜中2時は多くの人にとって、睡眠が深くなっていく時刻です。
そのため、夜中2時の目覚めは「睡眠が深くなるのを邪魔する原因」がある可能性があります。
今回は、2つの中途覚醒を見抜く「睡眠中点」と、「深部体温を使った眠る方法」をお伝えします。

この仕組みと方法を知るだけで、夜中の目覚めを減らし、ぐっすり眠れる可能性が高まります。

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執筆者:メンタルコーチしもん
・メンタルと睡眠の専門家 / 作家 / 講師
YouTube登録者数1.4万達成
・5年以上の双極性障害とうつを克服
・29年間の睡眠障害を克服
・IQ上位0.1%『GIFTED EYES』メンバー
・上級睡眠健康指導士
著書
眠れない理由を知って眠れる方法を知れば安眠
脱・中途覚醒 “夜中に目覚める”悩みが消える
12歳になるまでに読みたい 「子どもの睡眠」

1.2つの中途覚醒を見抜く「睡眠中点」とは?

睡眠中点を知ることで、夜中2時の目覚めを減らすカギが見えてきます。

睡眠中点とは、普段の就寝時間と起床時間の真ん中にあたる時刻です。
個人差はありますが、睡眠中点あたりまで深部体温が下がっていき、睡眠が深まります。
睡眠中点を1時間ぐらい過ぎてくると、深部体温が高まっていき、体は目覚めに向かっていきます。

例えば、23時に眠り、7時に目覚めるなら、分かれるポイントは午前4時ごろです。
つまり、午前2時の目覚めは、深部体温がうまく下がらず、深い睡眠に入りきらないことが原因かもしれません。

解決①:寝室を21度にする

寝室を18~22度に設定すると、深くぐっすり眠りやすくなります。
深部体温を下げることで、睡眠が深まるからです。
室温については、アメリカの総合病院メイヨークリニックの記事では約15.6~21.1度。 ハーバード大学の2023年の研究では高齢者は20~25度が理想的と伝えています。
年齢にあわせて、室温を意識することで、深い睡眠に入りやすくなり、中途覚醒を防ぐことができます。

僕の場合は、20~22度でぐっすり眠りやすいです。
慣れない内はひんやりして「眠れるかな?」と思っていたんですが、すとんと眠りやすくなりました。
冬の季節は寝る前にエアコンの暖房をそのままにしてしまい、夜中目覚めて少し眠りにくくなる失敗をすることがあります。

温かい室温はリラックスにつながり、寝つきがよくなることはあります。でも、睡眠が深まらないため、中途覚醒をしやすくなり、再入眠しにくくなるんですね。
そういう意味では、仕組みは違えど、お酒と同じですね。
服装や寝具などによっても室温は上下しますが、16~26度の範囲の中、涼しいことが大切です。

解決②:就寝の1時間前までに41度のお風呂に入る

テキサス大学の2019年のお風呂と睡眠に関する分析では、以下の結果が出ています。
・温度:40~42.5度
・時間:就寝の 1~2時間前10分間
・結果:入眠時間が短縮されて、睡眠の質や睡眠効率が向上する。

お風呂で体をいったん温めると、就寝に向かって深部体温が下がり、眠りやすくなります。
これは、体温を保とうとする仕組みで、体が熱くなると、冷やす機能が働くためです。
リラックス効果もあり、深い睡眠に入りやすくなります。

ただ、お風呂の熱で気持ちが高ぶると、寝つきが悪くなることもあるので、41度をポイントとして温度や時間を調整することをおすすめします。
また、就寝前近くにお風呂に入ると夜間のトイレが増えることがあります。

これはお風呂上がりの水分補給と、血行がよくなることで体液がまわって、就寝後に尿が作られやすくなるためです。
夜間のトイレに悩まされていない方は気にしなくて良いですが、悩まされている方は早めにお風呂に入ると、解決するかもしれません。

2.無意識に条件付けされた「夜中の目覚め」

毎日同じ時間に中途覚醒をする場合は、その時刻に目覚めることが条件付けされている可能性があります。
例えば、「午前2時になったら、目が覚める」という無意識な中途覚醒条件ですね。

人は無意識に行動を条件付けしていることがあります。
睡眠に関わるものだと、ベッドで睡眠以外の活動をすると、ベッドで眠りにくくなる条件付け不眠症があります。

他にも、毎日同じ時刻に起きている人は、目覚まし時計が鳴る前に目覚める。
いつも同じ時刻に食事をしている人は、その時刻が近づくと、お腹が空く。
外出して自宅に近づいてきたら、トイレに行きたくなる、などがあります。

この場合は、条件付けを緩める必要があります。

解決③:時計を見ないなど、「記憶に残るもの」を控える。

夜中目覚めたときに、時計を見ないことで無意識に目覚める働きをやわらげることができます。
「また、午前2時に目覚めてしまった…」という記憶が薄れるためです。
中途覚醒時は時計を見ず、リラックスして、再入眠することが大切です。

眠ろうとすると眠りにくいことがあるので、このときは呼吸や体に意識を向けるなど、リラックスにつながるものに注意を向けるのがおすすめです。

スタンフォード大学グロス博士の感情調整モデル「注意選択」
ネガティブな状況に直面したときでも、ポジティブな側面に目を向けることで、感情の強さや影響をやわらげることができる。
今回であれば中途覚醒のストレスから、リラックスに「注意する先を選んでいる」。

解決④:ピンクノイズアプリを使う

ただ、反射的にスマホをさわってしまう癖が付いている方もいると思うんですね。
そのときはスマホで時刻を見てしまうと思いますが、気にせずにピンクノイズアプリで音を流して眠るのがおすすめです。
ピンクノイズは小雨のような、やわらかい雑音です。

ピンクノイズの音によって、思考や感覚や外部の音が、ゆるやかになり、眠りやすくなります。
これは、喫茶店などでBGMが流れていると、まわりの人の声が気にならなくなる効果と同じです。

2022年の聴覚刺激と睡眠の分析では、11件のピンクノイズ研究の内9件で睡眠改善効果が確認されています。
睡眠改善効果は、寝つき、深い睡眠、睡眠の持続時間であり、中途覚醒にも有効です。

僕は普段、中途覚醒したときは呼吸やリラックス感覚に注意を向けて眠っていますが、最近はピンクノイズも愛用しています。
喉が弱いため、冬は乾燥と冷気で咳き込みやすくなり、呼吸法にストレスがかかることがあるためです。
iPhoneのアプリで「ホワイトノイズHQ:サウンドマシン」の「ピンクノイズ」を使っています。
ご興味がある方はご利用ください。

【リンク】ホワイトノイズHQ:サウンドマシン:AppStore

解決⑤:空腹で目が覚めたら、白湯を飲む。

夜中に目覚める条件付けになるものとして、夜中の食事があります。
中途覚醒時にカロリーがあるものをとる習慣をつくると、お腹が空いて目覚めやすくなるからです。
もしも、空腹で目が覚めてしまう場合は、水や白湯でお腹を少し満たして眠るのがおすすめです。
カロリーをとる習慣をやめることで、胃腸の習慣的なリズムをなくしていくためです。

どうしても、カロリーがあるものをとりたい場合は、少しずつカロリーを減らしていきましょう。
「夜中は食事時ではないよ」と、脳と体に教えてあげることが大切です。

解決⑥:就寝後の尿をつくらない

夜間のトイレも、夜中に目覚める条件付けになることがあります。
今日からできる対策としては、寝る前の水分を控えめにすることと、夕方から夜にかけて血行をよくしておくことです。水分を控えめにすることで、就寝後の尿がつくられにくくなります。

また、夕方から夜にかけて血行をよくすることで、むくみなどの体液がまわって尿が作られ、起きている間に排尿ができるようになります。

あとは、寝る前にリラックスしながら排尿して、膀胱を空にしましょう。急いで排尿する、トイレでスマホを触るなど、体が活動的なままだと排尿がうまくいきません。交感神経が優位だと、排尿ではなく、尿をためる方向に体が働くからです。

リラックスして排尿することで、しっかり膀胱を空にできます。排尿前に深呼吸をするのも1つの手ですね。
日中からリラックスして排尿をしていない方は、リラックスして排尿の習慣を作っていきましょう。

3.厄介な中途覚醒のネガティブ記憶

中途覚醒にネガティブなイメージがあると、目が覚めたときに「うわ、嫌だな」とストレスを感じやすくなります。
この感情の動きが「夜中目覚めた記憶」として、さらにネガティブなイメージとなり、悪循環につながります。
再入眠に時間がかかると、なおさらです。

これはノーベル賞の心理学者ダニエル・カーネマンが見つけた「記憶は感情のピークとエンドが強く残る」という法則です。
今回であれば「中途覚醒の強いストレスがピーク」となり、「再入眠できないストレスがエンド」となります。こうなると、中途覚醒を「気にしない」は難しくなってきます。

中途覚醒のネガティブイメージが減るだけでも、夜中目が覚めたときのストレスが減り、再入眠がしやすくなります。

解決⑦:完璧主義的な睡眠情報を見ない。

「朝まで目がさめずにぐっすり眠れる」という情報をたくさん見ると、中途覚醒そのものにネガティブなイメージがつきやすいです。「夜中に目が覚める=悪い睡眠」と考えやすくなるためです。
人の興味を集める情報は刺激的なことが多く、睡眠テクニックもサプリも「睡眠の完璧主義」につながるものがあふれています。

中途覚醒は、夜中に目が覚めることよりも、ネガティブなイメージからくるストレスが問題です。実際には多くの人が、夜中に目覚めていますが、記憶が残っていないだけということが多いです。これはそもそもの睡眠の仕組みが関係しています。

人の睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠を約90分の睡眠周期として繰り返します。睡眠周期は、ステージ1のノンレム睡眠、ステージ2のノンレム睡眠、ステージ3のノンレム睡眠と段階的に深まっていき、レム睡眠(睡眠の役割が違う)となっています。このレム睡眠からステージ2のノンレム睡眠(2周目以降はレベル2のノンレム睡眠から始まる)に切り替わっていく中で、目が覚めやすくなります。

つまり、約90分ごとに夜中に目覚めやすいタイミングが訪れるんです。
中途覚醒をするのは、睡眠の仕組みとして自然なことと知っておくと、ストレスがやわらいでいきます。

睡眠周期は90分?
睡眠周期は90分と言われますが、約80〜110分の幅があります。
可能性は低くはなりますが、80分未満や110分以上もあります。
これは個人差だけではなく、体調や一晩の中でも変わっていきます。
そのため、90分の睡眠周期にこだわる必要はありません。
本書に限らず睡眠周期90分と出た場合は、約90分という目安と捉えるのがおすすめです。

解決⑧:30分以内の中途覚醒はOKと意識しておく

「夜中の目覚めは30分以内ならOK」と意識しておくと、心のゆとりが増えます。
この心のゆとりが、結果的に中途覚醒を減らし、再入眠しやすくします。ストレスが減って、リラックスしやすいからです。

「寝つくまでの時間・夜中の覚醒時間」はそれぞれ15~30分以内の「ゆとりがある」と考えておきましょう。これは、睡眠の質を考えるときに参考になる睡眠効率の考え方です。

睡眠効率とは、「実際の睡眠時間÷ベッドの上にいる時間」というもので、シンプルながらも睡眠の質を高めるのに使いやすい考え方です。睡眠時間や朝ベッドから出るまでの時間も関係するので、細かいところは計算が必要です。ただ、「寝つくまでの時間・夜中の覚醒時間」はそれぞれ15~30分以内を目安としてもOKです。

逆に「寝つくまでの時間・夜中の覚醒時間」がそれぞれ5分以内などの場合は、睡眠時間が足りていない可能性が出てきます。布団に入った瞬間すぐ寝て、夜中に目覚めないことが、良い睡眠とは限らないんですね。

「夜中の覚醒時間は30分以内までならOK」と思うだけでも、ストレスが軽くなります。そのため、「中途覚醒は気にしない」というより、「中途覚醒は自然な眠りの一部として受け入れる」というほうが近い表現なのかもしれないですね。

ちなみに、睡眠に悩んでなくて、朝までぐっすり眠っている人は、夜中にトイレに行ったことさえ覚えていないことがあります。家族に「夜中、トイレに行っていたね」と言われると、「え?ああ、そういえば、行ったかも?」とおぼろげながら思い出すぐらいです。仕組みは違いますが、夢と同じで、中途覚醒の記憶は気にしなければ消えやすいものです。

4.脳が睡眠を欲するには?

中途覚醒があるのは自然なことといっても、中途覚醒の回数が何回もあったり、覚醒している時間が1時間以上などだと、改善していく必要があります。

このときに大切なのは睡眠圧と呼ばれる「脳の睡眠欲求を高めること」です。睡眠圧が低いと、寝続けることは難しいからです。

睡眠圧は、アデノシンという物質が脳に溜まっていくことで高まっていきます。このアデノシンは、起きている間に溜まっていきます。また、疲れによっても溜まっていきます。そのため、人と話す、運動する、外出するなど活動的に動くと、眠りやすくなってくるんですね。

つまり、脳の睡眠欲求を高めるには「睡眠不足」と「疲労」が鍵になる訳です。

解決⑨:睡眠制限療法

睡眠制限療法は、睡眠時間をあえて短くすることで睡眠の質をあげる方法です。
一時的に睡眠時間は短くなりますが、ぐっすり眠る習慣を作ることができます。「睡眠時間を伸ばす」から始めるのではなく、「質の高い睡眠習慣をつくって、時間を伸ばしていく」考え方です。

睡眠制限療法の考え方を使うことで、一時的にではなく、安定的に質の高い睡眠を長くとりやすくなってきます。たまに崩れることがあっても、また質の高い睡眠を取り戻しやすくなるからです。

睡眠制限療法はアメリカ睡眠医学会が、不眠症の治療法として推奨している方法の1つであり、信頼性が高いものです。僕が29年間の不眠症を改善し、安定的に睡眠を整えることができているのも、この睡眠制限療法の考え方を使っているためです。

睡眠制限療法の方法
睡眠効率を計算する
睡眠効率=実際の睡眠時間÷ベッドの上にいる時間
【リンク】WEBで計算

睡眠効率が80%未満であれば、ベッドにいる時間を減らす。
実際の睡眠時間とベッド時間が同じになるように、ベッドに入る時刻を遅らす。
※ベッドで覚醒している時間分、ベッドに入る時間を遅らせる、ということ。
※80%以上は様子見。

睡眠効率が85%以上になったら、睡眠時間を15~30分延ばす。
1週間の睡眠効率が85%以上になれば、就寝時間を15~30分早めて、睡眠時間を増やす。

④自分が望む睡眠時間になるまで、①~③を繰り返します。
ある程度、睡眠が整ってきたら、睡眠効率を85~90%ぐらいにおさめていく。

このように睡眠の質を高めてから、少しずつ睡眠時間を伸ばしていきます。
睡眠効率は計算するのが確実ですが、「計算が面倒だな」と思う方は【表1】を参考にしてください。

【表1】実際の睡眠時間と睡眠効率に対する「ベッドの覚醒時間」

睡眠制限療法を行っていくことで、夜中に目覚めている時間がグッと減っていきます。
ただ、睡眠制限療法は一時的に睡眠時間が減るため、双極性障害やパニック障害など刺激により症状が高まる方は注意が必要です。お医者さんと相談しながら行っていきましょう。

睡眠以外にベッドを使っている時間が長い方は、まずは「日中にベッドを使わない」から始めるのがおすすめです。ベッドで睡眠以外の活動を減らしていくことで、「ベッドは眠るところ」と脳が認知するようになっていきます。
これは「ベッドは睡眠と性生活しか使わない」という刺激制御療法の考え方です。

解決⑩:日中の活動量を増やす

疲れは長くぐっすり眠るための睡眠圧を高めて、眠気を誘ってくれます。
そのため、睡眠を整えていくときには「日中の活動量を増やすこと」は大切です。活動量を増やすことで、ストレス発散、血行が良くなり体と脳が回復、自然と光も浴びやすくなるなど、眠れない原因をバランスよく解消できるのが魅力です。

ただ、「適度な疲れが大切」です。
あまりに疲れてしまうと、体の不快感や脳の興奮につながりやすくなり、睡眠にマイナスに働くことがあるからです。そのため「疲れたら、眠れる」と思い込みすぎないことが大切です。

「疲れたら、眠れる」と思いすぎると、「より自分を疲れさせなきゃ」と考えてしまいます。そうなると、疲れがたまりやすくなり、睡眠も改善しにくくなるので、悪循環になりやすいです。

睡眠圧を高める場合は、「一時的に睡眠時間を減らし、日中はほどよく疲れる活動量にすること」が、睡眠にもメンタルにも良い考え方につながっていきます。

生活リズムを整える方法は以下の生活リズム健康法」を参考にしてください。
こちらは広島国際大学がまとめている資料の一部です。

解決⑪:運動を過大評価しない

「眠れないなら、運動すればいいよ」
そんなアドバイスを言われたことはありませんか?

でも、運動の睡眠効果はそこまで高いものでもなく、「眠れないなら、運動」は不眠症にもつながる思考にもなります。
2021年に「大人の不眠症患者または睡眠の質が低下している人の運動による効果」の分析研究がありました。

研究内容
・22件の研究が分析対象。
・総参加者数は1,806人。
運動の種類は、有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・サイクリングなど)
運動の量は、週3回以上、1回30分以上、期間は4週間以上。

結果は、睡眠質問票(PSQIなど)を使った主観的な判断での睡眠満足度は大幅に向上
ただし、客観的な計測(睡眠ポリフラフなど)では、寝つくまでの時間、睡眠時間、深い睡眠については、効果があると言えませんでした。中途覚醒の回数、睡眠効率にはやや効果がありました。

簡単にまとめると、「気持ちよく眠れた」という熟睡感はあったものの、実際の睡眠時間への影響はそれほどなかったんです。中途覚醒に「わずかに効果あり」というレベルでした。

おそらく意外な結果と思われる方も多いのではないでしょうか?

睡眠の満足度が大幅にあがることはとても大切なことなので、運動は重要です。

睡眠では「実際に眠れているかどうかの客観的な睡眠」と、「ぐっすり眠れた感覚があるかどうかの主観的な睡眠」のどちらも大切だからです。

ただ、実際の睡眠時間などに一定の効果はあるものの、過大評価をするのは注意が必要です。

「運動していないから眠れないんだ。もっと運動しなきゃ」と考えやすくなるからです。
これは「眠るためにはがんばらなければいけない」という睡眠へのプレッシャーにつながり、不眠症を招く可能性があるためです(精神生理性不眠症)。

睡眠では運動が大事というよりも、「運動習慣はメンタルや体の健康と睡眠をバランスよく底上げしてくれる。人生では大切もの」と考えるのがおすすめです。

中途覚醒をする原因は複雑なため、この「バランスよく底上げ」は長い目で見ると安定的な睡眠につながってきます。

5.安定的に眠り続ける日々を手に入れるには?

睡眠はリズムを整えることで安定します。
リズムが崩れていると、眠れる日もあれば眠りにくい日もあると、不安定なものとなっていきます。
多少は眠れない日はあったとしても、気にせずに睡眠のリズムを整えていくことが大事です。

この睡眠のリズムの中で、最も重要なものがサーカディアンリズムを作る――体内時計です。
体内時計は約24時間の周期で働き、睡眠・覚醒のリズム、ホルモン分泌、体温調節、代謝などをコントロールしています。

体内時計は、脳の視交叉上核にあるマスタークロックと、各臓器や細胞にあるペリフェラルクロックがあります。2つは親子の関係に近いため、親時計と子時計と呼ぶこととします。親時計は体内時計のリズム全体を調整する指揮者となり、体中にある子時計たちと調整を行います。そのため、睡眠リズムを整えるには「親時計」が最も大きなカギとなります。

解決⑫:午前中に外の光を30分以上あびる習慣

午前中に外の光を30分以上あびる習慣をつくると、体内時計が整っていきます。親時計は光によって整い、特に朝の光が重要だからです。

フランス細胞統合神経科学研究所の2023年不眠症における光療法の研究によると、「体内時計が早まる効果」と「夜中の覚醒時間を減らす効果」がありました。つまり、睡眠リズムが整うだけではなく、中途覚醒にも効果があるということです。

実際に分析対象になった研究は13件で、光の強さと時間のばらつきはあったものの、外で光を浴びる時間を次の表のようにまとめることができます。

表から分かる通り、朝に外で光を30分以上浴びる習慣をつくると、体内時計は整いやすいです。
雲が厚いと光が弱まるため、1年通して睡眠リズムを崩さないためには光療法の装置であるセラピーライトなどを使うのがおすすめです。
こちらは、Amazonなどで1万円前後で手に入ります。

ポイントとして、起床して早ければ早い時間ほど、体内時計を整えやすくなることも覚えておきましょう。
【リンク】Amazon:セラピーライト

僕の場合は、起床後に30分ほど散歩やサイクリングをしています。
寝起きで水分が失われているため、500mlのペットボトルに少量の塩を入れた水を片手に外に出ますペットボトルは就寝前に用意して、朝は迷わず行動しています。少量の塩を入れているのは、汗と共に塩分も失われているので、念のためです。

朝に「30分も使える時間がない」と思う方もいるかもしれませんが、朝のボーっとした気だるい時間がなくなり、その後の行動もスムーズになるため、結果的に時間の問題はそれほどありません。
ちなみに、体内時計の子時計は、体を動かすことで整うので、全体のリズムがより整ってきます。

解決⑬:起床時間を規則正しくする

起床時間が毎日違えば、体内時計のスタートが変わってくるため、リズムが整いません。
まずは起床時間を規則正しくすることから、スタートしましょう。起床時間を決めてから、就寝時間を決めていくことが大切です。

睡眠制限療法では、ベッドにいる時間を減らし、いったん睡眠時間を短くすることで睡眠の質をあげます。この場合も、起床時間を早めるのではなく、起床時間にあわせて就寝時間を遅らせる方法をとります。1日のスタートを規則正しくすることで、体内時計だけではなく、1日の生活リズムが整いやすくなります。

日々の起床時間のズレは30分以内が理想です。できれば1時間以内にしましょう。
2時間以上ズレてしまうと、睡眠リズムが崩れやすくなるだけではなく、集中力や感情コントロールなども下がりやすくなってくるからです。これは起床時間がズレることで、一種の時差ボケ症状(ソーシャルジェットラグ)が生まれるためです。体内時計は睡眠リズムのイメージがありますが、実際には覚醒と睡眠の1日のリズムをコントロールしているものです。

体内時計を整えることは、良い睡眠だけではなく、良い生活にもつながっていきます。また、体内時計が整うことで、睡眠時の睡眠サイクルも整いやすくなり、悪夢や睡眠中のビクつきなども防ぎやくなっていきます。

6.眠り続けることができる体と心が必要

ここまで夜中2時の中途覚醒の解決策を伝えてきました。1つ1つを行うことで、多くの人が中途覚醒で悩むことがなくなると思います。ただ、最後にもう1つだけ伝えることがあるとすれば、それは「眠り続けるには健康的な体と心」も必要ということです。

解決⑭:体と心の健康度を高める

体に痛みや不快感があり、眠り続ける体力が低かったり、ストレスや不安などで神経が過敏になっていると、朝まで寝続けることは難しくなります。もしも、質の高い睡眠の時間を伸ばしていきたい場合は、「運動」「食事」「趣味」などで体と心の健康度を高めていくことが必要です。

ただ、ここまでお伝えしてきた内容を行っていけば「中途覚醒で悩まず、心と体が回復する睡眠」はとれるようになってきます。睡眠における影響度が大きいからです。体と心の健康度を高めるのは、「より睡眠力を高め、年齢を重ねても良好な睡眠をとるため」というもう一段階上のものとなります。

特に今回の夜中2時の目覚めであれば、解決①~⑬でお伝えしたことが重要です。体と心の健康度は、夜中4時以降など睡眠中点を過ぎ始めてからの中途覚醒や早朝覚醒のときに、影響が強くなっていきます。

解決①~⑬の方法を行いながら、体と心の健康度も少しずつ高めていくことが大切です。

夜中2時に目が覚める解決法14選

解決①:寝室を21度にする。
解決②:就寝の1時間前までに41度のお風呂に10分間入る。
解決③:時計を見ないなど、「記憶に残るもの」を控える。
解決④:ピンクノイズアプリを使う。
解決⑤:空腹で目覚めたら、白湯を飲む。
解決⑥:就寝後の尿をつくらない。
解決⑦:完璧主義的な睡眠情報を見ない。
解決⑧:30分以内の中途覚醒はOKと意識しておく。
解決⑨:睡眠制限療法。
解決⑩:日中の活動量を増やす。
解決⑪:運動を過大評価しない。
解決⑫:午前中に外の光を30分以上あびる習慣。
解決⑬:起床時間を規則正しくする。
解決⑭:体と心の健康度を高める。

すべてを行うのではなく、「これならできそうだな?」と思うものを行っていくのがおすすめです。

「睡眠のためにがんばらなきゃ」という意識が、睡眠時のプレッシャーにもつながっていくので「少しずつ整えていこう」と考えることが、結果的に早く睡眠が整うからです。

あなたの夜中2時に目が覚める悩みが解決することを、心よりお祈りしていきます。

>夜中に目が覚める悩みが消える『脱・中途覚醒』

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