先日「労働災害について」という記事を書きました。

 

それに関連してですが…

色んな現場に行っていると「危険体感訓練」とか「安全何とか教室」等という、過去にその現場で起きた事例を体験したり、普段身に着けている保護具の効果を体験したり、色んな危険なことについて安全を確保した上で実際に体験して学ぶという機会がありました。

その内容を覚えている範囲で書いてみます。

 

高所で歩く

足元は足場板1枚の幅とかだった気がします。

そこを最初はただ歩く、次に手すりを持って歩く、次に安全帯のフックを掛けて更に手すりを持って歩くということをしました。

それぞれで緊張感が変わりました。

ただ歩くだけの時は恐怖心が結構ありましたが、手すりを持ったらなんか安心感があり、安全帯のフックを掛けたら更に安心感が増しました。

この安心感が大事で、心に余裕が生まれますから墜落以外の他の色んな余計なミスも防ぐことが出来ます。

 

高所から身を乗り出す

前に柵も手すりも何も無い場所で、最初はただ前のめりになり、次に横の手すりを持って前のめりになり、次に安全帯のフックを掛けて手すりを持って前のめりになって下を見るということをしました。

やっぱり、安全帯のフックを掛けている時には安心感と心の余裕を感じました。

下にフカフカのクッションがあるので落ちても平気とはいえ、何も無しで身を乗り出すのは怖かったです。

 

墜落体験

これは2パターンあって、

1つは高さ2mかそれくらいの場所で一旦しゃがんで、立ち上がった時に後ろから押されてクッションの上に落ちるというものでした。

これは、しゃがんで立ち上がった時に背後のちょっと上辺りにある配管に身体が当たって前向きに落ちるというのを再現したものでした。

 

もう1つは10人かそれくらいでネットを持って、5mかそれくらいの高所から落ちてくる重さ数十kgの人形を受け止めるというものでした。

腰を痛めないような姿勢をとって受け止めました。

「ドンッ!」っていうすごい衝撃が腕から上半身に伝わりました。

あの高さと重さであの衝撃だったら、数十mの高さから飛び降りた人が直撃した時の衝撃って…みたいなことを考えてしまいました。

 

回転機巻き込まれ

プーリーが2個とベルトがあり、電源を入れるとそれが高速回転する装置を使いました。

電源を入れて高速回転させた後、電源を切ってまだ惰性で回っている所に軍手を被せた人間の手の模型を近付けていくと巻き込まれて模型が吹っ飛んでいくという体験でした。

運転中のプラントの現場においてポンプ等の回転機の近くで作業する時には要注意です。

止まっていたとしても突然起動しますからね。

あと、グラインダーなんかも電源を切ってもすぐには完全に止まりませんから要注意です。

 

感電体験

まずは普通に指で電極に触れて感電し、次に塩水で濡らした指で電極に触れて感電するという体験でした、

乾いた指だと指先が微かに「ブーン」ってなる程度だったのですが、塩水を付けると肘まで「ブーン!!!」ってなって焦りました。

何故塩水を付けたのかというと、夏に汗をかいている状況を再現したということなんです。

そりゃ、手が乾いているのと濡れているので違いがあることくらいは分かっていましたが、実際に体験してみるとあまりの違いに驚きました。

 

グラインダーのキックバック体験

グラインダーのキックバックというのは、砥石に急激な負荷が掛かった時にグラインダーが「ガッ!」って弾かれる現象です。

両手でしっかりと持っていても結構「ガッ!」ってなるので怖いです。

 

切創防止手袋の効果体験

非破壊検査員が着用することはありませんが、世の中には切創防止手袋というカッターナイフで思いっきり擦っても切れない手袋があります。

手に着用していない状態ですがその効果を見せてもらいました。

 

胴ベルトとフルハーネスの違い体験

安全帯には胴ベルトとフルハーネスがあり、胴ベルトは腰に巻くだけのタイプで、フルハーネスは肩から股までごちゃごちゃしているタイプです。

それで実際にそれぞれを着用した状態でぶら下げられて違いを体験するというものでした。

胴ベルトは腰に巻いていても腹の所までズレて苦しくて、フルハーネスは股がキュッとなりますが楽でした。

胴ベルトは墜落した際に腰とか腹に衝撃が一点集中し、救出されるまでの間ずっと圧迫されているような感じになります。

フルハーネスはそれが無く、背中の上の方で吊られるような感じになります。

 

飲酒運転もどき体験

これは番外編みたいな感じですが、酒に酔った状態を再現出来る変な眼鏡をかけて、ペダルの無い小さい二輪車に跨ってゴールを目指すという体験でした。

なかなか完璧に真っ直ぐ走らせるのは難しかった記憶があります。