否(いな)~ゴーギャン「Nevermore」より~

『名画の詩集』

否(いな)

~ゴーギャン「Nevermore」より~

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Nevermore 1897 Paul Gauguin

分かっている
二度とないと

また一緒に暮らすことも
二人 食卓で笑い合うことも
同じベッドに眠ることも

悩み抜いた夜明けに
必ずカラスが飛んで来るのよ

許してやれば?
 いいえ
また信じてあげたら?
 ムリ
やり直せる?
 あり得ない

(さか)しらな鳥よ
知恵が女を幸せにするとは限らないわ
パラス・アテナの女神は
知恵を授けて 後は知らんぷり

馬鹿なフリして
元の鞘に戻れば
服も食事も与えられて
あの女たちの群れに戻れるんじゃない?

カラスは
私の顔をして答えるの

あり得ない

エドガー・アラン・ポーの物語詩「大鴉」

「Nevermore」は、主人公の部屋に飛び込んで来たカラスが言う言葉です。

おい、お前は誰だ?
 「Nevermore」
それが名前か? 鳥なのに喋れるのか?

いや、いいさ。聞いてくれ。
僕は恋人を亡くしてしまったんだ。
レノアという名の、天使みたいな乙女。
辛いんだ。なあ、彼女との記憶を消す薬は、ないものかな?
 「Nevermore」

じゃあ、悲しみを癒すというギリアの香油が欲しいよ。
 「Nevermore」

なんだよ!
じゃあ、エデンの楽園に行けばいいのか?
レノアはそこにいて、僕らは結ばれ、幸せになれるのか?
 「Nevermore」

ちくしょう、部屋から出て行け、悪魔め!
私の心からいなくなれ!
 「Nevermore」

繰り返される否定の言葉、「Nevermore」。
主人公はその度に絶望し、ついに狂気に囚われてしまう。それが結末。

この「Nevermore」。どうにもぴったりはまる日本語が無い。様々な訳が存在します。
もう二度と。決して再び。再び来ない。Etc.

今風に言ったら「ありえな~い」なのかな。
そう思って詩を書きました。

なお、こちらの要約は、かなりフランクです。
ポーのファンの方、どうぞ怒らないで下さいね。お願いします。

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随時、更新していきます。お楽しみに!

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いな
~ゴーギャン「Nevermore」より~

()かっている
二度(にど)とないと

また一緒(いっしょ)()らすことも
二人(ふたり) 食卓(しょくたく)(わら)()うことも
(おな)じベッドに(ねむ)ることも

(なや)()いた夜明(よあ)けに
(かなら)ずカラスが()んで()るのよ

(ゆる)してやれば?
 いいえ
また(しん)じてあげたら?
 ムリ
やり(なお)せる?
 あり()ない

(さか)しらな(とり)
知恵(ちえ)(おんな)(しあわ)せにするとは(かぎ)らないわ
パラス・アテナの女神(めがみ)
知恵(ちえ)(さず)けて (あと)()らんぷり

馬鹿(ばか)なフリして
(もと)(さや)(もど)れば
(ふく)食事(しょくじ)(あた)えられて
あの(おんな)たちの()れに(もど)れるんじゃない?

カラスは
(わたし)(かお)をして(こた)えるの

あり()ない

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