みなさんは仕事が決まった場合、準備のために何か買ったり用意したりするでしょうか?
仕事に必要なものを準備する
新しく仕事が決まった際、必要なものを買い揃えたり環境を整えたりすることもあるでしょう。
オフィスワーカーの人は昨今リモートで仕事をする方も多いですね。
自宅の部屋を仕事場とする場合はその住居の専有部分も仕事に必要なものとして見なされます。仕事をするのにより相応しい環境となるよう多少整える方もいそうです。
人材派遣会社に所属する場合(Vuokratyö)だと仕事用の作業服も自身で購入することがありそうです。
例えば飲食店で働く場合は衛生上、仕事専用の服を着用する必要があるでしょう
研究職や、常に技術を更新し続けなければいけない技術者は専門書を購入することもあるでしょう。
会社にもよりますがパソコンや携帯電話など、仕事で必要なものは基本支給されるものです。
しかし「必要なもの全てが支給されるか」と言われたらそうでもなかったりします。
そのため、ある程度は各々で購入したり準備する必要が出てくるでしょう。
フィンランドでは、この仕事をするために必要な出費はTulonhankkimismenotとして控除対象となっているのをご存じでしょうか。
日本では交通費の支給は一般的ですが、フィンランドでは一部企業を除き支給されないことが多いです。そして交通費は"仕事に必要な出費"とは別の扱いとなります。※後半で別途説明します。
収入を得るための出費(Tulonhankkimismenot)
収入を得るために必要な出費、Tulonhankkimismenotが一定額以上の場合申請すればさらに減税されます。
ちなみに2024年は€750が境界線です。
1年間のうち、出費が€750以内に抑えられるなら特に申請は必要ありません。
というのも世の大半の人たちがこの出費をしているため毎年一定額、自動で控除されるからです。
自動化によって都度申請をする必要がなくなります。大小問わず全ての申請を受け付けたらキリがないですし簡素化されているのは合理的と言えるでしょう。
1年間の内、合計で€750以上の出費が発生したら申請(Tulonhankkimisvähennys)をしましょう。
そのためいくら使ったのか忘れないようにしてくださいね。
収入を得るためと見なされる出費
仕事に必要と見なされる必要経費一例は以下の通りです。
- パソコン、インターネット通信
- 業務中の作業に必要な道具
- 専門書
- 仕事用の部屋(自宅でのリモートワークを含む)
- 仕事に必要な技術や知識を維持するため、不足分を補うための研修費※
※仕事に必要と見なされる学業・研修に対してのみ適用されます。将来仕事をするためという理由などで大学や一般的な教育での勉強にかかる費用を申請することはできません。
これらの経費はどの頻度で使用するのかによって控除額が変わってきます。
また控除対象となる上限額は決められており、上限額を超えた場合は年度をまたぐ控除となり別途違う計算方法になります。
詳しいことは国税局のページを確認しましょう。
仕事に行くための交通費
記事の最初に「交通費は"仕事に必要な出費"とは別の扱い」と書きました。
これは仕事に必要な出費(Tulonhankkimismenot)ではなく、交通費(Matkakulut)のカテゴリに該当します。
一定額以下は控除すらされない
仕事に必要な出費と異なり、交通費は一定金額以下は自己負担とされ自動控除されません。
2024年の交通費自己負担額は€900です。€900を超える場合は控除されますので申請しましょう。
年次途中にて無職期間または育児休暇期間がある場合は€900よりも低い額が適用されます。
2024年のHSL(首都圏内)360日間定期券は€666です。
首都圏在住者が公共交通機関で通勤している場合€900を超えることはまずないでしょう。
また金額に関しては「一番安いルート」を元に算出されます。
公共交通機関では仕事に行きにくいからと車通勤をしている人でも、公共交通機関で通勤が可能なら車通勤にかかる費用は交通費とは見なされません。(公共交通機関で費用が算出されます。)
しかし下記に該当する場合など、一定条件下では車通勤にかかった費用を交通費として計上できます。
- 公共交通機関がない
- 公共交通機関の待ち時間(移動時間除く)が、往復の合計で最低2時間以上
- 家から仕事場までの片道の合計歩行距離が最低3km以上
- 午前0時から5時の深夜時間帯
仕事に車が必要だから車で通勤する、通勤途中で子供を保育園に連れていく、といった個人的な理由も交通費として計上する正当な理由とは見なされません。車通勤の人は留意しておきましょう。
詳しく知りたい人は国税局のページを参照にしてください。
控除申請時の注意
一定金額を超える物品購入や交通費を支払った人は申請を行うと思います。
その際気を付けることは自分で計算をしないことです。
かかった費用を申請するだけにして最終的な計算や計上はあくまでも国税局にやってもらいましょう。
さいごに
フィンランドでも一部企業では交通費を支給したり、半額負担(Epassi)してくれたりするところもあります。しかし大半の企業や行政機関などは支給無しで自己負担となるので、節約したい人は出来るだけ安く済むように心掛ける必要がありそうです。
仕事に必要なものも本当に自分が負担する必要のあるものだけ買うようにしましょう。
そしてその際はレシートを取っておくのをお忘れなく。