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0から始める著作権

  このブログでは著作権について解説していきます。

著作権を所有している人は誰か(2)

貴方の友達の中に、絵の上手いA君がいるとします。

そのA君に頼んで、イラストを描いてもらったとします。

頼むときに、いま流行りのシマエナガを可愛く描いてね、とイラストの内容の指示をした場合、完成したイラストの著作者は貴方でしょうか、A君でしょうか、それとも両方でしょうか。

 

 

前回のブログで、著作者は創作をする者であり、創作とは思想または感情を物として表現することだと述べました。この例の場合、イラストとして表現するための感情を抱いていたのは誰かが問題になります。

 

貴方はイラストの内容を指示しただけで、具体的な構図や色使いなどの表現については提案していません。

一方、A君はイラストの構図、シマエナガの表情や背景を考えて線や色に表しています。

そうすると、イラストを具体的に表現したのはA君であり、A君が頭の中でイラストを表現するための感情を持っていたことになります。

したがって、完成したイラストの著作者はA君になります。

 

このように、イラストを頼んだ貴方はイラストの著作者ではないことがわかります。

 

ビジネスの分野では、この点がよく紛争の種になります。多くはイラスト制作を発注した会社が著作権を持つという誤解が元になっているのです。紛争を避けるために、発注会社は受注会社の著作権を利用することについて事前に契約をしておくことが必要です。

 

次回は、会社が著作者になる場合について見ていきましょう。