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転職はエージェント経由か直接応募か メリット・デメリットを解説 | 採用側の視点も

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転職エージェント経由か直接応募か

仕事は辛くてストレスも溜まるし、転職を考えている人は多いですよね。転職活動で求人に応募する際の経路として、大きく分けて転職エージェント経由と直接応募*がありますが、どちらが良いのか迷ったことはありませんか?

この記事では、エージェント経由と直接応募それぞれのメリットとデメリットを、応募者と採用側両方の視点から解説します。また、どのような場合にどの応募経路を選ぶべきかについてもご紹介したいと思います。

猫助

この記事は次のような人におすすめです。

・転職を考えている方

・転職活動中の方
・エージェント経由と直接応募どちらが良いのか迷っている方


*ここでいう「直接応募」には、会社の採用HPから直接応募する場合と、BizreachやLinkedin等のサイトから直接企業側にコンタクトして応募する場合の両方を含むます。

なお、転職に関する私の経歴・経験は次のとおりです。

  • 複数の大手外資系企業で計15年以上勤務。5回の転職を経験。
  • 現職では、グローバル直轄部門のリーダーとして、日本チームのメンバーの採用・育成も統括。Hiring Manager (部門の採用責任者)として、これまで100名近くの候補者の面接を実施
  • 多数の転職エージェントに応募側・採用側両方の立場から関与した経験あり。
目次

転職エージェント経由

応募側のメリット

Merit

転職活動をしている側の視点では、エージェントの利用について以下の4つのメリットがあります。

  1. 非公開求人を持っている場合がある
  2. 募集要項だけでは分からない情報を入手
  3. 面接日程の調整をしてもらえる
  4. 企業側と交渉してくれる

順番に見ていきましょう。

非公開求人を持っている場合がある

そんなに多くはないですが、求人案件の中には企業が自社の採用HPで公開せず、特定の転職エージェントのみを通して応募を受け付けているものもあります。転職エージェントと日頃から接点を持っている場合、そのような非公開案件を紹介してもらえる可能性があります。

どのようが案件が非公開求人かについては、エージェントから企業名を聞いている場合は、その会社の採用HPを見てチェックできます。HPに掲載されていない場合は、非公開求人の可能性が高いです。また、エージェントから入手した募集要項(Job Descriptions = JD)に記載されているポジション名や職務内容の一部をネットで検索することで、他のエージェントが扱っているかどうかも大体調べることが出来ます。情報が出てこない場合、その案件はそのエージェントしか扱っていない可能性があります。

募集要項だけでは分からない情報を入手

Useful information

これは転職エージェントと採用側企業がどの程度の関係を持っているかによりますが、エージェントが企業側の担当者に食い込んでいる場合、求人について募集要項には書かれていない情報を入手している場合もあります。例えば、募集の背景であったり配属先部門の人員・メンバー構成、Hiring Managerの経歴や性格、企業のカルチャーなどについてです。

また、企業側が複数のエージェントを集めて求人案件についての説明会を開いている場合もあるので、それを通じてエージェントが募集要項以上の情報を入手している可能性もあります。

そのような情報は、直接応募の場合は少なくとも一次面接で面接官に質問するまでは分からないことが多いので、転職エージェント経由で応募する際のメリットの一つと言えるでしょう。

面接日程の調整をしてくれる

書類選考通過後、企業側と面接日程の調整をする必要がありますが、自分でこれを行うのは面倒です。在職中であればそもそも対応可能な日時が限られてきますし、当初こちらで「対応可」と伝えていたスロットに急に仕事の予定が入ることもあります。相手の面接官も候補日時が限られているので、日程の調整は困難を伴う場合が多いですし、自分で直接相手方の人事と何度もメールでやり取りをするのは気を使うので大変です。

この点、転職エージェント経由であれば、こちらの対応可能日時を伝えておけばうまく企業側と調整してくれますし、こちらが直接やり取りをするのエージェント担当者だけなので、ある程度カジュアルなやり取りで物事を進めることができます。

条件面で交渉してくれる

転職エージェント経由の場合、オファー(内定)段階で給与や職位の交渉を応募者に代わってうまく進めてくれる場合が多いです。エージェントとしても、出来るだけ高い給与で入社してもらった方が自分たちの紹介料が増えるので、割と熱心に交渉してくれる傾向があります。一般的には、応募者から特に希望を出さなくても、現職の給与よりも10%アップをベンチマークとして交渉してくれます。

応募側のデメリット

Demerit

転職エージェント経由で応募することについて、応募者から見た主なデメリットは以下の2点です。

  1. スピードが遅い場合がある
  2. 直接応募よりも給与が低くなる場合もある

以下で説明します。

スピードが遅い場合がある

転職エージェントは複数の候補者を集めて企業側に紹介するため、あなたがエージェントに書類を提出して応募を依頼しても、エージェントはすぐに次の行動をとってくれるとは限りません。

エージェントとしては、一定の人数の候補者が集まるのを待ってから、有望な候補者のみをまとめて企業に紹介することもあります。また、他の候補者が出そろうまでは、あなたの履歴書をキープしているだけの場合もあります。ひどい場合は企業に応募するのを忘れている場合もあります。

エージェントに書類を提出してから一週間ほど音沙汰がない場合は、現在の状況について積極的に確認するようにしましょう。

直接応募よりも給与が低くなる場合もある

転職エージェント経由で入社が決まった場合、企業側はエージェントに対して一定の紹介料を支払う必要があります。金額は両者間の契約次第ですが、一般的には年間基本給の30%程度が紹介料の目安で、入社後半年以内に退社した場合は半額程度を返金する、というような条件が多いです。

このため、企業側としては転職エージェント経由の採用には余分なコストがかかることになります。採用予算が少ない会社の場合、エージェント紹介料がかかるのであれば、その分オファー金額を抑えようと考える場合もまれにあります。ただ、私の経験上はそこまでケチな会社は少ないので、過度に心配しなくても良いと思います。

採用側のメリット

続いて、転職エージェント経由で採用する場合の企業側のメリットについて見ていきましょう。主に以下の3点です。

  • 自前で候補者のサーチが不要
  • ニッチな職種の母集団形成に有利
  • 応募者の質が担保される

下記でそれぞれ見ていきましょう。

自前で候補者のサーチが不要

Candidate search

転職エージェントを起用する場合、基本的に候補者の発掘から応募してもらうまでの手続きをエージェントに任せることができます。自社でそれらの業務を行う必要がない分、時間と手間の削減につながります。

ニッチな職種の母集団形成に有利

募集する求人の需要に対して供給が多い場合(一般事務など)は、黙っていても自然に応募が集まるものですが、募集要件にマッチする人が少ないニッチ人材を採用しようとする場合、自社で適切な候補者を見つけるのは至難の業です。この点、その職種の取り扱いが多いエージェントに依頼すれば、要件に合致する候補者を見つけてきてくれる可能性が高まります。

応募者の質が担保される

Quality

転職エージェントの目的は、求職者を企業に入社させて紹介料を得ることなので、入社につながらなそうな人材を企業に紹介することはありません。つまり、エージェントから企業に紹介があった人材は、エージェントが一定のスクリーニングをした上で「見込みがある」と判断した人材なので、一定の質が担保されていると言えます。

一方で、直接応募の場合は募集要件に全然マッチしていないような人も結構含まれていたりします。

採用側のデメリット

次に採用側から見た転職エージェント起用のデメリットについて解説します。主に以下の3点です。

  • 採用コストの増加
  • 候補者との連絡に時間がかかる場合がある
  • 候補者サーチに関するノウハウが蓄積されない

以下でそれぞれ見ていきます。

採用コストの増加

応募側からみたデメリットでも触れましたが、転職エージェント経由で入社する場合、企業はエージェントに紹介料を支払う必要があるので、その分コストが増えることになります。

候補者との連絡に時間がかかる場合がある

Sluggish

転職エージェントを起用する場合、候補者との連絡は常にエージェントを介して行うことになります。単純にコミュニケーションの層が一つ増えるので、企業側から候補者への連絡、またその逆においても、直接応募よりも時間がかかることがあります。エージェントの担当者が休みだったり、多忙だったりしてタイムリーに候補者に連絡してもらえないこともありますし、担当者が連絡を忘れているような場合もたまにあります。

候補者サーチに関するノウハウが蓄積されない

候補者の発掘を転職エージェントに任せる場合、当然ながら適切な人材をサーチするためのノウハウや知見は、企業側には蓄積されません。そのため、将来同じような職種で人材を採用をする際にも、また同じようなエージェントに頼らざるを得なくなり、エージェントへの依存度が高まってしまいます。

直接応募

求人応募

ここからは、求人に直接応募する場合のメリットとデメリットについてご紹介します。

応募側のメリット

応募側から見た直接応募のメリットは、主にエージェント経由のデメリットの裏返しです。以下の2点が挙げられます。

  • 進捗状況が見えやすい
  • 給与条件で有利な場合もある

それぞれ以下で解説します。

進捗状況が見えやすい

High visibility

間に転職エージェントを挟まないので、「書類をエージェントに渡したけど本当に応募してくれてるのか分からない」や「こちらの質問を企業側に伝えてくれてるか不明」ということが起こりません。企業から返信が無いのであれば、それは本当に連絡が無い状態ということであり、エージェントの所で止まっている訳ではありません。

なお、「エージェント経由の場合は選考に時間がかかっている理由を自分の代わりに聞いてくれる」という意見もあると思いますが、直接応募の場合も同様に、自分から人事の担当者に確認することができます。会社によりますが、「他の候補者の面接を継続中です」や「次のステップに進むための承認者が休暇中です」といった情報を教えてくれる場合も結構あります。

給与条件で有利な場合もある

直接応募の場合は当然エージェント紹介料がかからないので、企業側も「紹介料の分オファー金額を少なくしよう」などと考えることがありません。

応募側のデメリット

応募側から見た直接応募のデメリットは、主に以下の2点です。

  • 企業と直接やり取りするので気を使う
  • 面接日程や条件の交渉は自分で行う必要がある

以下で見ていきましょう。

企業と直接やり取りするので気を使う

Concerning

直接応募の場合、最初から最後まで企業側の担当者と直接メールや電話のやり取りをする必要があります。面接日程の調整のような事務的な連絡であっても、やはり採用側の企業が相手だとメールも丁寧な文面で書く必要がありますし、何かと気を使います。

一方でエージェント経由であれば、直接対峙するのはエージェントの担当者なので、コミュニケーションにおいて気を使う必要はあまりありません。

面接日程や条件の交渉は自分で行う必要がある

直接応募の場合、当然ですが面接日程や全ての交渉を自分で行う必要があります。面接日程については、特に在職中の場合は先方との日程調整が難しく、何度もメールのやり取りをするのが時間的にも精神的にも負担になります。

また、オファー段階では希望給与や職位、入社時期などについて先方と合意する必要がありますが、転職エージェント経由であればエージェントがこちらの希望に基づき先方と交渉してくれます。一方で、直接応募の場合は自ら希望条件を明確にして、企業側と駆け引きを行う必要があります。一般的に日本人は給与の交渉に慣れていない人が多いので、相手の言い値で何となくオファーを受けてしまうリスクがあります。

採用側のメリット

続いて、直接応募に関する採用企業側のメリットを見ていきます。

  • 志望度の高い候補者が多い
  • 候補者との連絡がスムーズ
  • 採用コストが安く済む

下記で解説します。

志望度の高い候補者が多い

High motivation

応募先の企業について調べて直接応募してきているぐらいですから、応募者の志望度は比較的高めなことが多いです。個人的な経験では、直接応募の人はこちらからオファーを出せば、入社してくれる割合が高いと思います。

転職エージェント経由の場合は、エージェントに勧められて何となく応募しただけという人も混ざっているので、いざ面接で話を聞くと応募先企業についてあまり興味が無い人もいたりします。

候補者との連絡がスムーズ

これはエージェント起用のデメリットの裏返しですが、間にエージェントを挟まない分、候補者との連絡・返信のスピードが上がる傾向があります。

採用コストが安く済む

これも同様に、エージェントへの紹介料を払う必要がないので、採用に関する会社のコストが削減できます。なおエージェント経由でない場合でも、企業が転職サイトを利用する場合は求人掲載料や利用料などがかかってきますが、それでもエージェントへの紹介料よりは断然安く済みます。

採用側のデメリット

直接応募に関する採用側のデメリットは次のとおりです。

  • 候補者の質がバラバラ
  • 採用活動長期化のリスク

以下でざっと説明します。

候補者の質がバラバラ

Quality issue

直接応募の場合、転職エージェントによる候補者の一次スクリーニングがないので、応募者の質が玉石混交です。中には募集要件を明らかに満たしてないような人からの応募もあったりします。質にバラつきがある候補者のスクリーニングを企業側が一から行う必要があるので、時間と手間がかかります。

採用活動長期化のリスク

特にニッチ領域の求人に当てはまりますが、転職エージェントの助けを借りずに自前で候補者を探すのは難しく、採用活動が長期化する恐れがあります。募集ポジションが長期間空白であれば、会社の事業に支障が出てくることも考えらるます。

エージェント経由と直接応募どちらが良いか

Choice

ここからは、実際にどのような場合にエージェント経由にすべきか、あるい直接応募にすべきかについて判断の目安をお伝えしたいと思います。

エージェント経由の方が良い場合

以下のような場合は、エージェント経由の応募を検討した方が良いでしょう。

  • 応募したい求人がそのエージェントでしか取り扱っていない場合
    • この場合、そのエージェント経由一択です。
  • エージェントが応募先企業と強いパイプを持っている場合(Hiring Managerと話が出来る関係だったり、過去に何人も入社させてたりする場合)
    • この場合はどういう人材がその企業やポジションに合うかを熟知しているので、紹介してもらえれば通過率が高くなります。
  • 現職が忙しくて面接日程の調整を自分でしたくない場合
    • 日程調整は応募件数が増えるほど手間になるので、意外と重要です。

直接応募の方が良い場合

一方で、次のような場合は直接応募でも良いと思います。

  • 転職エージェントが募集要項に書いている以上のことを知らない場合
    • エージェントと企業側担当者とのパイプがなく、今後も有益な情報が得られる見込みが薄いです。
  • 応募後の進捗状況を自分でコントロールしたい人
    • 企業側の返信が遅い場合に自分で催促できる人などが該当します。

まとめ

この記事では、求人に応募する際に転職エージェントを経由すべきか、それとも直接応募すべきかについて、両者のメリットとデメリットを採用企業側の視点も交えて紹介してきました。

エージェント経由と直接応募にはそれぞれ複数の利点と難点があるものの、非公開求人やエージェントが採用側と太いパイプを持っている場合はエージェント経由がおすすめです。一方で、エージェントから有益な付加情報が得られそうにない場合は直接応募を検討しても良いと思います。

転職については以下の記事もありますので、ぜひご覧ください。

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