コウモリの雑学 なぜ坂さま?目が見えない?

動物

コウモリはなぜ逆さまなの?

これはエネルギー効率の問題が大きい。

鳥類とは異なりコウモリは翼の構造や体重配分の関係で、立ったり座ったりした状態から飛び立つことができないのだ。ぶら下がることで大きなエネルギーを消費することなく、重力を利用して飛行を開始することができるというかなり珍しい理由によるのだ。

疲れないのかと思うかもしれない。しかしコウモリには労力を使わずにぶら下がることを可能にする解剖学的適応があるから安心してほしい。体重がかかると鉤爪が閉じて止まり木の周りにロックされるのだ。まるでキーホルダーである。

このため筋肉が収縮し続けなくてもしっかりとぶら下がることができる。寝ている間でも長時間快適にぶら下がっているので大丈夫だ。

多くのコウモリは他の動物が近づけない場所をねぐらにする。逆さにぶら下がることで、洞窟の天井、木のくぼみ、人工構造物など、幅広いねぐら場所を利用してこうしたニッチ戦略が可能になるわけである。

コウモリは目が見えない?

半分間違いだが半分正解である。

オオコウモリなど昼行性の大型のコウモリは目が見える。夜行性や洞窟によくいる小型のコウモリは目が見えない種が多い。厳密に言うと視力ゼロではない、多少は見えているがかなり視細胞が退化していて、弱いという感じだ。

しかしこれは超音波の能力とは反比例しているのだ。

大型のコウモリは超音波の能力が少ない、もしくは、無いとみられている。その代わりに、目の見えないコウモリは超音波の能力を持つ。超音波で周りの位置や形状を認識することで耳で見ているともいえるだろう。

コウモリの秘密  実は哺乳類に占めるシェア2位

コウモリと聞くと、不気味であるとか気持ち悪いと思った人もいるかもしれない。

ただ、あまり手の方を見ないで顔や胴体のあたりに集中して見てほしい。結構子犬みたいでかわいくないだろうか?

動物園で端の方に立ってコウモリを行動観察していたとき、横を通っていく人たちが「意外とかわいい」と多くの人が言っているのを実際に耳にしたことがある。「意外に」が少し可哀そうである。。

動物園に行って是非彼らが逆さになって餌を食べているところを見てほしい。結構かわいい。アルフみたいなもので見れば見るほどかわいく思えてくる感じだ。

33-Year-Old Bat Loves to Curl Around His Caregiver’s Arm and Fall Asleep | The Dodo

クジラが魚ではないようにコウモリは鳥ではない。持続的な飛行が可能な唯一の哺乳類である。

ちなみに大型コウモリであるメガバットは通称フライングフォックスと呼ばれる。つまり空飛ぶキツネだ。任天堂の昔のゲーム、スターフォックスを思い出して愛着をみんな持ってあげてほしい。

話が少しそれたが驚くべきことに、コウモリは実は哺乳類全体の20%以上を占めるのだ。

哺乳類の中で、これはネズミやカピバラなどが有名な哺乳類のトップグループ、げっ歯類に次いで2番目に大きい種なのである。

鳥っぽい、どころではなく哺乳類のど真ん中に居座っていると言ってもいい動物が彼らコウモリなのだ。

彼らは熱帯地域が有名だがもちろん温帯にもいるし、多様な生息地を占める。そして鳥と同じく花粉媒介者、種子散布者、昆虫の捕食者としての役割を担っている。鳥ではないものの生態系に占める位置は鳥に近いといえるだろう。

ちなみにテキサス州のブラッケンバット・ケーブ・メッシュウィーバーのように、世界最大の哺乳類コロニーを形成する種もいる。

Bracken Bat Cave Emergence

こちらがその映像だが、説明している間後ろがずっと大騒ぎでなかなかシュールな映像である。

身体について見ていくと、コウモリの翼は薄い皮膜でつながれた細長い指によって支えられている。

コウモリは生きているレーダーである。先述の通りエコーロケーションを使う。高周波音を発して周囲の物体に当てる、そしてそれを敏感な聴覚でキャッチすることで、周囲の音像を描き出すことが出来る特殊能力のような能力を持っている。

鳥や昆虫のような他の飛行動物とは対照的に、コウモリは卵を産まない。なぜならそう、哺乳類なのだから。

出産は通常は1年に1頭で小型哺乳類としては低い繁殖率である。鳥とは異なり、コウモリは巣を作らず、洞窟や木の空洞、人間が作った建造物など、さまざまな場所をねぐらにする。このあたりは類人猿や熊のように哺乳類っぽい特徴であるといえるかもしれない。

コウモリはずっとぶら下がっているがなんと出産も逆さのまま行う。そして赤ちゃんはというと、母親にぶら下がるのだ。徹底的に生まれた時からコウモリである。

あまり知られていない知識として、最小のコウモリは、重さが1セント硬貨にも満たないマルハナバチコウモリである一方、翼を広げると1.7メートルに達するオオコウモリが最大のコウモリの称号を保持している。

Smallest Bat in the World! The Conservation Files – Ep. 6 : AnimalBytesTV

コウモリはなぜ洞窟に住むの?

結論から。

環境が安定しているからである。

雨が降ったら傘を差して登校。暑い日に汗をかいて出社。雪で車が立ち往生。気候の変化は大変だ。でも食べ物と電気代が払えるならエアコンのある部屋にあなただってずっといたくはないだろうか?

こういうことである。

洞窟はほとんど一定の温度と湿度レベルの安定した気候を提供する。このシェルターは特に熱帯地域のに生息するコウモリのような種にとっては快適なだけではなく不可欠でもある。外は暑すぎる。

そしてもちろん天気も関係ない。雨や風、極端な天気にさらされることは滅多にない。

更に他にもメリットは多い。

子育て中や冬眠中のコウモリにとっては、制御された環境はエネルギーの節約にも役立つ。

捕食者からもかなり安全だ。

洞窟の深く、しばしば複雑な構造は捕食者からコウモリを守るのに役立つ。だいいち超音波なしに奥にはほとんどの動物は行けない。多くの捕食者は洞窟の暗く狭い空間を効果的に移動することは事実上無理だ。

コウモリの中には社会性が高く、1年の一部または全期間を通じて大きなコロニーで生活する種も多い。

洞窟のスペースはこのようなコロニーが一緒にねぐらとするのに十分な空間を提供している。生活空間であると同時に社会的交流の場として便利だ。

ただしすべてのコウモリが洞窟で生活しているわけではない。

コウモリは順応性が高く、木の窪み、橋の下、廃屋などでも生きられる。人工的なものではコウモリのねぐらとなるよう特別に設計されたバットボックスなど色々な構造物をねぐらとすることが可能だ。

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