1999年09月 東北 4日目 - 秋田内陸縦貫鉄道 急行「もりよし」、花輪線代行バス、後生掛温泉

 4日目は秋田から角館まで秋田新幹線で移動し、1993年の旅行時に台風によるJR遅れで乗れなかった秋田内陸縦貫鉄道に乗車。その後、後生掛温泉に泊まりました。途中、花輪線は9月27日から10月1日までの予定でデータイムの列車を運休して代行バスを運転していました。

3日目に戻る

平成11年(1999年)9月27日(月)

 550頃起床。6時半近くに朝風呂に行く。夜には見えなかったが、露天風呂の下の旭川は川幅が狭く、水は見えない。露天風呂の脇にある甲羅干し岩に座り、乾かす。天気予報によると本日朝の最低気温は15℃、最高は24℃の見込みで、まだ涼しい。

 風呂を出てすぐに朝食会場へ。朝食は和食のバイキングだった。手早く食べる。

  740過ぎにチェックアウト。


◎秋田温泉入口 750→810予定 秋田駅 秋田駅行 秋田市営バス 221号車 秋田22い・・75

 3分遅れで到着したバスに乗車。途中から座れた。自転車や徒歩で通学する小中学生が多くいる。通勤時間帯であるので、車の通行もやや多いようだ。それでも渋滞にはならず、816秋田駅着。

◎秋田 851→935 角館 秋田新幹線「こまち8号」 東京行3008M 6両編成先頭→最後16号車=車両番号未確認

 発車10分近く前に入線。ホームの自由席乗り場付近は長い行列だったが、難無く座れる。次の大曲で進行方向が変わるので、座席は逆向きにセットされている。車内はどちらかというと落ち着いた色調。座席はダークブルー中心で、ヘッドカバーは黄色。座席後ろの折り畳みテーブルはグレーで、沿線地図や車両案内などは付いていない。電光案内板も小さめで、全体としてシンプルな感じである。

  大曲方面からの普通列車の到着後に定時発車。発車時のショックはない。進行右側に秋田車両基地を見る。ゲームの「電車でGo2」でおなじみの路線を走行する。右側には狭軌の在来線の線路が並行し、たまに3線区間も混ざる。

 大曲で停車して方向転換。大曲から角館までは10分。すぐに到着し、あわただしく下車した。

 角館駅は武家屋敷風の黒っぽい造り。駅前には観光用人力車も止まっている。


◎角館 1015→1210 鷹巣 急行もりよし2号 鷹巣行1002D 2両編成先頭=AN-8901

 この線は平成5年9月の鉄研合宿のときに乗る予定だったが、台風でJRのダイヤが大幅に乱れて急行に接続せず、乗るのを断念したところだ。6年ぶりの訪問で再挑戦である。

 秋田内陸縦貫鉄道の角館駅には自動券売機もあるが、窓口では硬券の乗車券も売っていた。なお、開業10周年で土日休日には1日全線乗車券が1,000円で売っている。


 急行列車は展望型の専用車両を使っている。転換クロスシートで、車両中央部はテーブルを囲んだサロン形式になっている。定刻に発車。少しの間、田沢湖線と並走してから左に分岐。田畑の間を走っていたが、八津の辺りから山間部に入った。林とトンネルが続く。最初の停車駅である松葉は国鉄時代の角館線の終点だったが、周りは家もまばらである。駅も小さなホームに小さな待合室が付いた簡単なもの。ただ、駅の横に何やら大きな建物が建築中だった。

 車掌は茶髪の若い女性である。おじさんたちと記念撮影に応じていた。車掌は、車掌として車内を巡回した後、今度はカートを押して車内販売も行っている。熊の干し肉なども売っているようだ。一部の途中停車駅は無人駅のため、車掌が集札・発券を行っている。なお運転士は、かつて日本初の女性運転士がいたが、何年か前に退職している。

 松葉を出ると新規開業区間。幾つかのトンネルで郡境を越える。うち1本は5千メートルを超える長いトンネル。列車の最高速度は80km/hを超えるが、駅のスプリング式ポイントの通過時やカーブではかなり減速する。

 比立内からは旧国鉄阿仁合線。杉林の並ぶ川沿いの鉄路をゆっくり走る。

 阿仁合で運転士交代。その前後各1回、車掌(こちらは通し乗務)が運転室を訪れ、しばらく談笑していった。

 阿仁合から先は旧国鉄線でも早くに開通した区間で、線形が悪い。運転時刻表に記載の最高速度は65km/h。見通しの悪いカーブも少なくなく、さらに減速する。踏切の一部は警報機が無いものもあり、その手前では警笛を鳴らしていく。その一方で山は少しずつ離れていき、土地が開けてきた。

 終点の鷹巣に到着。これを以って旧国鉄線から第三セクター等に転換した鉄道は全て乗り終えたことになる。鷹巣に着いた列車は、間もなく入れ換え作業のため列車はホームを離れ、車庫に入っていった。

 駅周辺の商店街を散歩して駅に戻る。

 世界最大の和太鼓の皮の部分が展示されている。ギネスブック申請中とか。


◎鷹ノ巣 1301→1316 大館 快速「しらゆき3号」 大館・青森行3649M  701系2両編成先頭=クモハ701-17

 30%位の乗車率。この列車には車掌が乗っているので使っていないが、ワンマン運転に対応するように、整理券発行機、運賃箱、電光式運賃表を備えている。バスだと多くても30~40番位までの運賃表示が、長距離路線のワンマン運転に対応するため(整理券番号)120番まである。

 大館で下車。忠犬ハチ公の生誕地で、秋田犬の像がある。少し歩いた所に小坂鉄道の大館駅がある。平成5年に乗車したことがあるが、平成6年9月で旅客営業を廃止しており、ひっそりとしている。

 駅付近もあまり活気が感じられない。駅横のコンビニで携帯食購入。


◎大館駅 1348→1506 鹿角花輪駅  鹿角花輪行列車代行バス6便 JRバス東北2両編成の内1両  岩手22き・233

 かなり早い時間から入線していた。すでに4割位の席が埋まっている。バスは1台かと思っていたら、大館駅を出るともう1台先を走っている。途中からの乗客を見込んでいるらしい。東大館で通学生を中心にかなりの混雑。満席になり、補助椅子も一部使用される。

 バスにはJRバス東北運転士の他にJR東日本の社員も車掌として乗務している。手には列車と同様に車内補充券発行機を携えている。バスは一部を除く各駅の駅前まで乗り入れる。各駅にはJRの職員がいる。いつもは無人駅なのだろうが、乗客に代行バスの案内をするためだろう。

 駅前は普段はバスなど入ってこないので狭い路地で通りとの間を結んでいる。その通りも主要道路からは枝分かれした道で、バス同士のすれ違いはきつい。遅れが7分位になる。花輪からの接続列車は当然バスを待つだろうが、その先の後生掛温泉へのバスとの接続が厳しくなる。一応バスに乗っている車掌に相談。花輪に着いたら連絡を取ってみてくれるとのこと。後生掛まで行くバスは、夕方はこれ1本しかないので気が気ではない。

 結局バスは鹿角花輪に5分遅れの1511に着く。

◎鹿角花輪 1511→1518 八幡平 松尾八幡平行9938D  キハ58系他4両編成3両目=キハ58 1523

 乗客の移動がスムーズにいったのか、鹿角花輪発車は2分遅れの1513だった。先程の車掌が来て、連絡してくれたとのこと。代行バスから列車への通し乗務だったらしい。これから乗るバスの時刻表では、八幡平駅前と湯瀬温泉に停まるが、湯瀬の方は駅前かどうかわからないので、八幡平で下車することにした。先程の車掌に礼を言って下車。


◎八幡平 1524→1620 後生掛温泉 ふけの湯行 秋北バス 車両番号不詳

 八幡平の駅前で待つこと数分、3分遅れで来たバスに乗車。後は後生掛まで直行なので気が楽だ。

 バスは湯瀬渓谷と花輪線に沿って湯瀬温泉まで行く。バスも駅前まで入ることがわかった。湯瀬温泉の大型ホテルが並ぶ。

 湯瀬温泉からしばらく戻ってから山道に入る。緑の木立の中をたくさんのカーブを曲がって標高を稼ぐ。トロコ温泉から左折してアスピーテラインに入る。テープの案内放送がある。アスピーテとは低い火山帯の一種の学名とのこと。この辺りからは国立公園に入る。

 カーブを何度も曲がりながら標高を稼ぐ。テープの案内放送によると、後生掛の辺りは標高1000メートルに達するそうだ。 

 後生掛で下車すると、旅館のミニバスが迎えに来ていて、バスから降りた乗客が乗り移るようになっていた。ミニバスに乗って僅か2分くらいで、後生掛温泉旅館の正面玄関に横付けされた。


◎宿泊 後生掛温泉旅館  0186‐31‐2221  206号室 トイレ付畳部屋6畳

 一斉に着いた客を従業員が出迎え。2組位ずつ宿泊者カードに記入し、それが終わると部屋に案内してくれる。荷物を1つ持ってくれた。玄関は3階で、階段を降りて2階の部屋。湯治場の旅館というイメージよりもずっときれいである。

 無料のテレビがある。テレビ番組表のコピーも置いてあり、それによると全部で4チャンネルしかない。携帯電話は圏外であった。

 テーブルに置いてある案内ファイルには、通常の旅館内の案内の他、周辺の観光ガイドのコピーや温泉療法の記事が入れてある。喘息について、箱蒸し風呂の効用の記事もある。


 暗くならないうちに散歩に出ることにした。旅館のすぐ裏が自然研究路になっていて、硫黄やガス、熱湯、熱泥の噴き出す、荒涼とした風景が広がる。早足で1周30分余りかかる。所々で硫黄ガスの噴き出るシューという音や、熱湯・熱泥の噴き出るボコボコ音が無気味である。カメラを持って回り、何箇所か撮影した。

 旅館に戻り、家に電話。その後で風呂に向かう。風呂は旅館部宿泊者専用の小浴場(23時まで)が部屋の近くの1階に、有名な大浴場(24時間)が渡り廊下をしばらく歩いた所にある。小浴場を覗いてみると、小綺麗な洗い場があり、シャンプーなども揃っているようだ。夕食後に体を洗うときに来ることにして、先に大浴場に行ってみることにした。

 脱衣場は扇風機が回って居て涼しい。浴室は薄暗いので案内板に近付いて良く見ながら入る。サウナは工事中につき使用不可だが、箱蒸しは稼働している。体が熱せられ、熱い蒸気が気管支に効きそうだ。露天風呂は余り広くないが、ほてった体を冷やすのに良さそう。半分混浴のようだが、途中までついたてがある。普通の浴槽の近くには飲泉用のコップがあるので、食前に少し飲んでみた。秋田温泉のものよりは薄味。打たせ湯を少し利用。泥湯は後で入ることにした。

 湯上がりの後、夕食会場に行く。各テーブルに木彫りの部屋番号札が置いてある。最初から置いてあるものもあるし、着席後に運んでくるものもある。メニューは以下のとおり。

 魚のバター焼き、野菜のてんぷら、きりたんぽ鍋鯉の洗い、肉の角煮?、他2~3皿茸類、ご飯、漬け物、吸い物、メロン。

 満腹になったが、一応食べきれた。部屋に戻って食休み。食事中に布団が敷いてある。他の旅館でもそうだが、魔法のようだ、と言っては大袈裟化も知れないが。

 20時前に売店を見て、20時半過ぎに今度は小浴場へ。シャワーは無いが、洗い場は明るくきれいな感じ。部屋に戻り、ニュースを見る。

 その後2230過ぎに、再び大浴場へ。今度は泥湯も試してみる。思ったよりも泥は薄く、底のほうに若干沈澱しているだけ。掻き混ぜると少し濁る。

 箱蒸しや露天風呂などで、30分近くいた。

 部屋に戻ってニュースを見たりしながら休憩。米ドルが106円を超えている。

 020頃からもう一度大浴場。さすがにこの時間は空いていて、広い大浴場にせいぜい1人か2人程度。

 050近くに部屋に戻った。1時少し過ぎに就寝。

3日目に戻る

5日目へ

目次へ

コメント